週末の勤務を乗り越え、小瀧がうちへ泊まりに来た。 一緒にシャワーを浴びて、バスタブに浸かりながら、いつまでも途切れることなく小瀧はお喋りに夢中だった。 後ろから軽く顎を掴んで振り向かせ、軽くキスをすると急に大人しくなる。 うなじに、濡れた襟足が水を含んで張り付いているのが目に入る。そこへ唇を寄せると、小瀧は「くすぐったい」と声を上げて笑った。 そういう、無防備な反応ひとつひとつが、いちいち構いたくなる理由のひとつだった。 風呂から上がると、小瀧は俺の部屋着を、もはや当然のような顔で着込む。 袖が長くて、何度もまくり直しながら、野菜がたっぷりと入った寄せ鍋を作ってくれた。「お前、いい加減自分の服置いておけよ。料理しにくいだろ」「え? ……ヤダ。あったかいんだもん。これでいいの」 理由をつけているつもりなんだろうが、俺からすれば分かりやすすぎる。 恋人の服を着ていたい。それだけの話なのに、わざわざもっともらしい言い訳を足す。 付き合う前から変わらない。こういうところでだけ、妙に意地を張る。 それが照れだと分かっているから、こちらも敢えて突っ込まない。「佐伯、ラップ取って。届かない」「はいはい」 背後から身体を密着させるようにして取ってやると、分かりやすく恥ずかしがる。耳まで真っ赤だ。 そのついでに耳朶を軽く食むと、またぎゃあぎゃあ言いながら、あっちに行けと言わんばかり軽いパンチを背中に寄越す。 その反応が見たいだけ。 小瀧が届かないと分かっていて、わざと届かない位置にいつも置いていた。*** 夕飯を済ませて、小瀧が料理をしてくれた分、食器洗いは俺が担当した。 キッチンから戻ると、小瀧はテレビをぼんやり眺めていて、眠気を誤魔化すようにあくびを噛み殺しながら、俺が戻るのを待っていた。 膝を抱えている手首をそっと掴む。 それだけで、何を求めているかは伝わったらしい。 小瀧は何も言わずに立ち上がり、そのまま寝室へ引かれていく。 抵抗はない。むしろ、当然の流れだと理解している顔をしている。 ベッドの前まで来ると、小瀧は自分から腰を下ろした。 一瞬だけこちらを見る視線が、すぐに逸れる。「まだ、恥ずかしい?」「……うん」 何度も体を重ねてきたというのに、こちらが少し甘い空気を纏わせるだけで、分
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