LOGIN人生初のアルバイトで、憧れのアイスクリーム店の店員として働くことになった小瀧南緒(こたきなお)。 しかし、そこで小瀧の指導係になったのは、やる気なし・面倒くさがり・しかも超意地悪な同い年の佐伯澄人(さえきすみと)だった。 お互いにいがみ合いながらも、佐伯は何だかんだと仕事を教えてくれて、勤務初日から距離も近くて……? 好きな子にだけ押しが強めの口悪ダウナー攻め×翻弄されまくりの愛され平凡受けの物語。
View More「……はい、おしまい」 ぽんぽん、と軽く肩を叩いて合図を送る。だが、佐伯は離れるどころか、逃がさないと言わんばかりに俺の腕を強く掴んできた。 抵抗する間もなくソファまで連行され、強引に体の向きを変えられる。そのまま、俺の太ももには佐伯の後頭部がずしりと乗せられた。「は!? ちょ、なに」 「ここがいい」 迷いのない即答。「いい、じゃないんだよ。重いし」 「大丈夫」 何が大丈夫なんだよ。 心の中で毒づきながらも、完全に退路を断たれた角度で膝枕が完成する。佐伯は満足したように小さく吐息を漏らすと、ゆっくりと瞼を閉じた。 ……なんだこれ。「今日どうしたの? 澄人。やけに甘えて……」 返事はない。代わりに、俺のTシャツの裾を指先でちょん、と摘んできた。 引っ張るでも、握りしめるでもない。ただ“離れないためだけ”にあるような、縋るような弱い力。 それを見た瞬間、今日あやした赤ちゃんの、あの小さくて柔らかな手を思い出した。(あー……もしかして、アレに対抗してんのか……?) 呆れ半分、愛しさ半分で小さく溜息をつき、佐伯の髪に指を通す。 さらさらとした髪からは風呂上がりの清潔な匂いがして、撫でるたびに佐伯は気持ち良さそうに、ほんの少しだけ目を細めた。「赤ちゃんかよ」 「……否定しない」 目を閉じたまま、低く響くような声が返ってくる。「まさか、昼の赤ちゃんに嫉妬してるとか?」 わずかな沈黙。「……さあ」 誤魔化す気すらゼロの肯定。 マジかよ、と苦笑しながらも、俺の手は止まらない。 あの佐伯が、赤ちゃん返り。冷静で、淡白で、何事にも執着しないような涼しい顔で仕事をこなすあの佐伯が、だ。 指先で前髪を整えるように触れてやると、彼の眉間に寄っていた険しいしわが、氷が解けるようにゆっくりとほどけていった。「南緒」 「んー?」 「動かないで」 「はいはい」 条件反射で頷いた自分に、自分でも笑いそうになる。 佐伯はそれきり口を閉じ、俺の膝の上で静かに呼吸を繰り返していた。太ももに伝わる頭の重みも、肌をなでる吐息の熱も、いつもと振る舞いが違うってだけで、愛おしいような、甘やかしてあげたくなるような気持ちになる。(ほんと、今日はどうしたんだか……) 無防備な寝顔を眺めているうちに、胸の奥がくすぐったくなる。俺は
先に家に着いた俺は、エプロンつけてキッチンに立ってた。 フライパンで野菜を炒めて、味噌汁もあっためて、今日はわりとちゃんとした晩飯。 「絶望的」とか「ゴミを増やすな」って俺の料理をけちょんけちょんに侮辱された時期もあったけれど、“好きこそものの上手なれ”って言葉通り――その腕前は着実にレベルアップしていた。 もうすぐかな、って思ったタイミングで冷蔵庫からビールを出して。「澄人、もうすぐ出来るよー」 って声かけた瞬間、後ろから、ぴとってくっつかれた。「……」 無言。 背中に額をぐりぐりと押しつけて、両腕で俺の腹を軽く囲ってくる。「ちょ、まだ火使ってる。危ないから」 って言っても、離れない。 顔は見せないくせに、甘えてるのだけは全力で伝わってくるのが、これまたずるい。「……このままでいいじゃん」「よくねーよ。危ないし」 そう言いながらも、俺は結局、フライ返す手を片手だけにして、もう片方で佐伯の手を軽く掴んで握ってあげた。「はい、できたぞー。席ついて」 そう言っても、佐伯は動かない。 半ばおぶるように、でも重すぎてそれは無理で、立ったまま引き摺るようにして座らせると、今度は何事もなかったみたいに腕組んで、ぼそっと呟いた。「……めんどくさい。南緒が食べさせて」「は?」 一瞬、聞き間違いかと思った。 あの佐伯が、今、俺に食べさせろって言った? 明日、大吹雪にでもなんのか?「自分で食えよ」「やだ」 即答だった。「いや、ガキかよ。俺だってお腹空いてるんだけど」「南緒がいい」 はあ!?ってなるのに、 佐伯はもう完全に“やってもらう側”の顔してる。 ……くっそ。「一回だけだからな!」 って言って、結局、俺はスプーンですくって、佐伯の口元に持っていった。「ほら」「あーん」 自分で「あーん」、言うな!こっちが恥ずかしい。 内心ツッコミ入れつつ、口に運んでやると、素直に食う。 その後も何回か「はい」「あーん」を繰り返して、最終的にはちゃんと自分でも食べ始めたから、まあ許す。 確かに色んな事を「めんどい」「だるい」と面倒くさがる佐伯だけど、こんなに全てを放棄するのは初めてだった。 疲れてるのか、でも試験はこの前終わったし、レポートもなさそうだし。 そんなことを考えながら飯を食べ終わって、
昼のピークちょい手前、ドアベルが鳴って、赤ちゃん連れのお客さんが入ってきた。 ベビーカー押した若いママさんで、赤ちゃんは一歳くらいかな?というサイズ感。 佐伯がいつも通り無表情で注文取って、クレープの生地を焼いていく。 俺はレジ横で見てただけなんだけど、クレープができて、ママさんが食べようとした瞬間ーー「ふぇ……ふぇぇ……!」 赤ちゃんが、まさかのギャン泣き。 ママさんも、めちゃくちゃ困った顔してて、慌ててあやし始めたけど全然止まらない。 声量も中々のボリュームで、チラチラと他のお客さんも心配そうにその様子を伺っているのが分かる。 見てられなくて、俺は思わず声をかけた。「よかったら、俺あやしますよ! ゆっくり食べてください!」 ママさんは一瞬きょとんとしてから、「え、本当ですか!?」とめちゃくちゃ助かったような顔をしてくれて、 赤ちゃんが座ってる椅子の前に、俺がしゃがむ形になった。「ほらほら〜、みてみて〜!ウサギさんだよ」 中学生の時に、歳が離れた弟が産まれたから、俺はお世話もあやすのも慣れている方……だと思う。 指ゆらゆらさせたり、変顔したり、必死であやしてたら、さっきまであんなに泣いてたのに、ぱちっと泣き止んで、俺の指をぎゅっと握ってきた。「あぶ!あぶー!」(か、かわいすぎるだろ……!) ママさんも安心して、ようやくクレープを食べ始めた。 その間ずっと、俺は赤ちゃん係。 にこにこ笑うし、たまに「あー」って声出すし、もう完全に天使。 そのうち、懐いてくれたのか、椅子からジタバタと手を伸ばして。 慌てるママさんが抱っこひもを出そうとしたので、俺は一旦それをしまって貰った。「よければ、抱っこしても大丈夫ですか?」 そんなそんな、と遠慮するママさんも、赤ちゃんが俺に向かって必死にテーブルを伸ばすのをみて「お願いしてもいいですか……?急いで食べます!」 と了承してくれたので、俺は肩口のところで頭を受け止め、お尻を片手にのせてぽんぽん、とその背中を優しく撫でた。「あー、眠いのかな? 寝ちゃったら、このまま抱っこひもに入れてあげますね」 にこ、と笑うと、ママさんも頷いてくれて、店内に居合わせた他のお客さん達も、そのうちすやすや寝始めた赤ちゃんの寝顔をみてほっこりムードが漂っていた。 で、ふとカウンターの
「……うぅ~……痛ぁぃ……っ、ん、ぁ……」「煽る南緒が悪いよ」 低く、どこか突き放すような熱を帯びた声が、鼓膜を震わせる。 痛みと快感の境界線は曖昧になり、身体は本能的に縋りつく。 内側からせり上がる衝動に抗えず、無意識に佐伯自身を強く締め付けていた。 ずぷ、ずぷ、と耳障りなほど卑猥な粘着音が静まり返った室内で響き、腰を叩きつけられる衝撃が背骨を伝って脳を痺れさせる。 もっと、もっと佐伯に掻き回してほしい。 中をかき混ぜられて、埋め尽くしてほしい——そんな強欲な願いをよそに、佐伯は言った。「もう、南緒は俺が居ようが居まいが、酒飲むのやっぱ禁止。あんなベタベタ触らせて、自分からも触られに行くんだもん。……ほぼ浮気みたいなもんじゃん。クソビッチの一歩手前までいってたよ」 責めるような言葉とは裏腹に、佐伯の手は肌をそっとした手つきで這い回る。「でもっ、一番は……いちばんはっ、澄人、だけぇ……っ」「一番しかないの。二番も三番も存在しないよ、始めから。……俺だけなの。分かる?」 無理やり視線を合わせられ、逃げ場を塞がれる。 アルコールと絶頂の余韻で頭はドロドロに蕩け、視界は涙に滲んで霞んでいた。 冷たく厳しい言葉を投げかけられているはずなのに、口元には締まりのない笑みがこぼれそうになる。「ん、もっと……いっぱい♡ いっぱい、壊れるまでしてっ……」「あー、もう。聞いてんの? ちゃんと。……二度と他の男と喋んないでほしいくらいムカつく」 * もう何度果てたのか、記憶はとうに霧の向こうだ。時計を確認する余裕もなく、この情事の終わりがどこにあるのかも分からない。 佐伯はようやく奥から、自身の熱を引き抜いた。 不意に失われた充足感に吐息を漏らすと、佐伯は屹立したそれを、誇示するように顔の前に突きつける。「最後、顔射したいから。……ちゃんと、自分から舐めて」 言われるがまま、喉の奥深くまで熱を咥え込む。入りきらない部分は、震える指先で優しく、けれど俺なりに、懸命に扱き上げた。 舌の動かし方も、指の使い方も、そのすべてを佐伯に躾けられているから。「ん、はむっ……ふ、んぅ……♡」 俺が必死に奉仕する様を、佐伯はじっと見つめ、不意にベッドサイドのスマートフォンを手に取った。 亀頭の裏側をれろ、と舐め上げると、先端から溢れ出た透明な蜜が