だけど、警備員は嫌気がさしたかのように言った。「それは住民の個人情報ですから、お教えできません」琉生はそれを聞き、さらに顔を曇らせた。一方、警備員は業務の邪魔をするなと琉生を追い払い、そこから十数メートル先まで下がらせた。仕方なく、琉生は警備員を睨みつけながら、しぶしぶと後退した。そして耳元では、警備員の皮肉げな声が聞こえた。「自業自得というやつですね」すると、琉生は拳を強く握りしめ、警備員を憎々しげに一瞥した。それから間もなく、コーヒーを手に持った凪がふらりと現れた。「琉生さん、ごめんなさい。いつも優しくしてくれるのに、私、身の程知らずな思いを抱いてしまって……考えを改めた。これからは琉生さんのそばで、練習にだけ専念するから。もう一線を越えたりしないよ」凪は健気に罪を悔いるような目つきで訴えた。琉生の心は、一瞬にして揺らいだ。「分かってくれればいいんだ。君に対して、他に特別な感情なんて持っていないからな」そう言って、琉生は自然と差し出されたコーヒーを受け取り、一口飲んだ。するとふらりと意識が遠のき、凪の純真な顔にどこか不気味な笑みが浮かんでいるかのように見えた。そして、異変を感じた時には、すでに視界がかすんでいた。琉生は襟を緩めながら、うつろな目で凪を愛おしそうに見つめた。そして、凪に導かれるまま、琉生は言われるがままにホテルへと付いて行った。部屋に入るなり、琉生は目の前の「美優」を見てかすれた声で呟いた。「美優、許してくれるかい?本当に悪かった。僕たちには、きっとまた子供ができるから」その様子を見ていた「美優」は驚き、ニヤリと笑うと近づいてきて言った。「ええ、いいわよ。許してあげる。だから今すぐ、私を抱いてくれる?」一方、琉生の目は「美優」の姿を追っていたが、顔が目の前に迫った瞬間、頭の重さにふらついて一歩後退した。凪が渡したコーヒーには、何かが入っていたんだ。意識が揺らぐ中、琉生は目の前の凪に憤怒した。「こんな薬を盛ってくるなんて……君をもう教え子として認めないから!」しかし、凪は鼻で笑った。「それがどうしたの?あなたが言うことを聞いてくれないから、こうするしかなかったのよ。全部、あなたのせいだわ」そう言って彼女は琉生をベッドに放り投げた。片や琉生は、体は思うように動かず、凪が迫り
더 보기