長時間の移動を経て、直美は国立特級芸術アカデミーの合宿訓練地に到着した。大勢の若い女性たちがワゴンから降り、演舞場へと案内される。15分ほど待っていると、ピシッとしたスーツに身を包んだ、姿勢の引き締まった男性がステージに上がってきた。「総合プロデューサーの奥山雅宏(おくやま まさひろ)だ。長旅お疲れ様。ここは国立特級芸術アカデミーで、君たちは全国から選抜された精鋭たちだ。これからの3年間、君たちには厳しくも忘れがたい訓練が待っている。訓練を通じて、国を代表する表現者へと成長してくれることを期待しているよ」雅宏の話を聞き、直美はようやくここが本当に自分が夢見た場所だと実感した。長年憧れ続けてきた舞台。夢が叶った事実に、心の中が少しふわふわとした気分になる。直美は緊張で服の端を握り締めながらも、ステージ上の雅宏を強く見つめた。やりたいと思っていたことができるという喜びが、胸を熱くさせる。翌朝早くから、早速体力作りが始まった。ここは表現の道を目指す者が集まる場所だが、基本の体力トレーニングからは逃れられない。直美は看護師というハードな現場で働いていたため、体力には自信があった。他の者たちが弱音を吐く中、直美は驚くべき持久力を発揮した。5キロの錘を背負いながらのマラソン訓練が行われた。最初は走れていた新入生たちも、徐々に体力が尽き、途中で諦めて立ち止まる者も現れた。しかし直美は歯を食いしばり、必死に走り続けた。スピードが落ちても、足だけは止めない。重い荷物を背負っているため、一歩進むたびに腰も足も悲鳴を上げる。ゴールは目の前。なんとしても最後まで耐えてみせる。列の後方から全体の様子を眺めていた雅宏は、崩れ始めた隊列を見ながら、口元に薄い笑みを浮かべた。予想通りだ。女性の基礎体力では、このメニューは荷が重すぎる。そんな中、先頭をひたすら走り続ける一人の姿が目に入った。背はそこまで高くないが、体はかなり引き締まっている。滴り落ちる汗で前髪が顔に張り付き、踏ん張っているのか、眉間には皺が寄っていた。限界が近いのは見てわかるが、その目に光る決意は決して揺らいでいない。結局、走り切ったのは参加者の1割に過ぎず、残りは途中でリタイアした。全身が汗でびっしょり濡れ、足もわなないていたが、直美は最後の力
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