「柚の友達なのに、そんな冗談を言うなんて……」プーップーッ……慎吾は初めて電話を切られた。眉をひそめて掛け直したが、すでに着信拒否にされていた。腹が立った慎吾は、即座に恭平に電話を入れる。「柚がどこにいるか探せ!」どんなくだらないことをしているのか、この目で確かめてやる。しかし、恭平は恐る恐る口を開いた。「それが……奥様は3か月前に亡くなっておりまして」慎吾は鼻で笑った。「ふざけるな!死んだなら、何で俺たちが知らないんだ?お前は、死体を見たのか?」「いえ。病院からは、中島さんが引き取ったと聞いています」「梨花さんの入れ知恵か。二人で結託して俺を騙そうなんて!」慎吾はすぐさま戻ることにした。柚が気を引こうとしているだけに決まっている。その後も、幾度となく電話をかけたが、一向に出ない。メッセージも返ってこなかった。やはり、どこを探しても柚の行方はつかめない。まるで本当に世界から姿を消したようだった。そういえば、柚は家中の持ち物を捨て、ラベンダー荘園を潰し、幾度も離婚を口にしていた……その瞬間、今回の行動が冗談ではなく、本心からの別れなのだと初めて悟った。途端に焦りがこみ上げてくる。柚をひどく憎んでいた時期でさえ、分かれることなどは考えていなかった。柚は本当に自分から離れようとしているのかもしれない。慎吾は後悔に襲われた。柚の過去の行いなど、もうどうでもいい。柚を連れ戻し、これからは彼女の行動を警戒しつつも、共にやり直していけばいい。そう決めた慎吾は、急いで梨花の家へと向かった。「柚がどこにいるか教えてくれないか?」しかし、梨花は怒りを露わにして言った。「今さら柚のこと思い出したの?柚が手術室から運ばれてきた時、あんたはどこにいた?柚の手術から3か月間、あんたは何をしてたの?どうせ、蛍と一緒だったんでしょ!あんた、誰と結婚してんのよ?」梨花は抑えられない怒りを、慎吾にぶつける。梨花の物言いに怒りがこみ上げたが、慎吾は何とか抑え込んだ。「俺がやり過ぎたことは認める。でも、柚だって悪いんだ。俺が結婚式を延期したから、死んだふりなんかしてるんだろ?3日後に結婚式を予定しているんだ。だから家に戻るように言ってくれないか?」柚が離婚を自分に言ってきたのは、結婚式の延期
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