Alle Kapitel von トップシークレット☆後日談 東京~神戸 新婚ラプソディ: Kapitel 51 – Kapitel 60

65 Kapitel

淡路島、最後の夜 PAGE4

「早く東京に帰りたいのはホントだよ。でもなんか、貴方と二人きりの時間がもうすぐ終わっちゃうんだなぁって思うとさ、ちょっとしんみりしちゃって。この旅行が楽しすぎたから」  旅の終わりというのは、いつも淋しい気持ちになる。非現実的な時間から、もうすぐ現実の日々に戻るんだと思い知らされてしまうから。 これまでと違うのは、この旅行を終えて東京に帰ってもずっと貢が側にいてくれるということ。彼と一緒にいられることがこれからの「現実」になるのだ。でも、それと彼と二人きりの時間をずっと過ごせるかどうかはまったく別の問題なのだ。 「……確かに、旅先での時間って何だか特別な気はしますよね。あの家で、周りの人の目を気にしないでイチャイチャするっていうのは難しそうですし」 「う~ん、それはまた別の話かな」  彼の言う「イチャイチャ」の意味を理解して、わたしは赤面した。確かに、家の中で毎晩のように夫婦の営みをするのはちょっと……。いくらこれから先、夫婦の寝室として使う部屋の壁が防音だといっても。 ちなみに、わたしの部屋は今後、そのまま書斎として使うことにした。 それはともかく、毎晩あれだけ激しく求め合うというのは旅先での解放感が成せることかもしれない。 「でも、これからもたまにはこういう機会があったらいいよね。泊りがけの旅行がムリでも、お休みの日には今までみたいに二人で出かけたりしよう」  休暇が明ければ、お互い仕事に追われる立場となる。貢はもしかしたら専務に就任して、経営にも関わることになるかもしれない。だからこそ、二人きりで過ごす時間が今まで以上に必要になるはずだ。そうすれば、いつまでも新鮮な気持ちでい続けられるから。 母だって、新婚夫婦をジャマするような無粋な人ではないのだし。 「そうですね」  ――こうしてまたわたしの箸は進み、
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旅の終わり PAGE1

 ――新婚旅行、最終日。  「んー? 眩しい……」  わたしはキラキラした光を浴びて目が覚めた。部屋の時計は朝の六時を示している。今日も昨日ほどではないけれど早起きしてしまった。 多分二日酔いで潰れていて、まだ起きられないであろう貢を起こさないように布団から起きだし、大きな欠伸をしながら窓のカーテンを開ける。昨日見た〝天使の梯子〟のおかげだろうか、今日は晴れている。 「んー、いいお天気♪ ……わぁ……っ!」  外はちょうど朝日が昇るところのようで、視線を下に移すとその光が海面に反射してオレンジ色にキラキラ光っているのに気がついた。 神戸で泊まっていたホテルで観た、関西ローカルで流れているらしいこのホテルのCMに、こんな光景が入っていたことを思い出した。なるほど、あれはこの光景の映像だったらしい。 「……あ、写真撮っとこう。昨日の失敗をふまえて」  わたしは手荷物のバッグからスマホを取ってきて、シャッターを切った。写真では伝わりにくいこの景色をよりキレイに映すため、明るさを調整してからもう一枚。 「うん、キレイに撮れた♪ 里歩たちに送ってあげようっと。あと、インスタにも上げて……と」  ひととおりスマホの操作を終えると、スーツケースから替えの下着と洗面用具、お化粧ポーチを出して浴室で朝風呂。お風呂上りに念入りに洗顔もして、ついでにスキンケアもした。 「お風呂上りって、化粧水の浸み込み具合が違うんだよね……。うん、今日もお肌ツルツル♡」  汚れた下着は替えの下着が入っていたチャック付きのビニール袋に押し込み、家まで持って帰って史子さんに洗濯してもらうことにした
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旅の終わり PAGE2

「――篠沢様。このたびは当館をご利用下さいまして、誠にありがとうございました」  部屋のキーを返却すると、支配人の男性が丁寧に頭を下げて下さった。 「こちらこそ、二日間お世話になりました。夏にまたこちらを利用しようって夫と話してたんです。今度は三泊で」  宿泊費はまたわたしのカードで支払いながら、夏の計画についてそれとなく彼に伝える。貢は駐車場へクルマを動かしに行っているので、この場にいない。 「さようでございますか! では、ご予約をお待ちしております」 「はい。その時にはまたよろしくお願いします」 「――絢乃さん、クルマ持ってきました! 荷物、積み込みますね」  「うん、ありがと! ――それじゃ、失礼します」  ホテルの男性スタッフさんが手伝いを申し出て下さったけれど、わたしたちは自分たちだけでクルマのトランクにスーツケースを積み込んだ。  ちなみに、今日のわたしは足元こそハイカットスニーカーだけれど、三日ぶりにスカートを解禁した。トップスは二日前と同じクリーム色のフレンチスリーブのカットソー。 貢もよく見たら、二日前とほぼ同じコーデみたい。違うのは靴がスニーカーだということくらい。 「さあ、再び神戸に向かってしゅっぱーつ!」 「「おーっ!」」   こうして彼の運転するクルマは、二日ぶりの神戸に向けてスタートした。二泊三日お世話になったホテルがだんだん遠くなり、しばらくして高速に乗った。 「あのホテル、スパもあったんだって。今度泊まる時は利用させてもらおうかな」 「スパですか? そんなの利用しなくても、絢乃さんは|十分《じゅうぶん》キレ
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旅の終わり PAGE3

「――お土産、また増えちゃったね」  クルマに乗り込み、〈淡路ハイウェイオアシス〉を出発したところで、わたしは助手席から後部座席を振り返った。そこには神戸の水族館で購入した分も合わせてお土産の紙袋が四つ。 「調子に乗ってあれもこれもって買い込むからですよ。家に帰ったら仕分けが大変そうだな、こりゃ」  運転席の貢がやれやれと肩をすくめる。もちろんわたしが買った分だけでなく、彼が買った分もあるので、彼も呆れてばかりもいられないということだろう。 「仕分けは二人で協力してやろう。貴方一人にやらせるわけないじゃない。わたし、そんなに鬼嫁じゃないもん」  彼を慰めるようにそう言ったけれど、〝嫁〟っていう言い方はちょっと違うかも。 「でも、今回は時間なくて〈ニジゲンノモリ〉に行けなかったのが残念だなぁ。次、淡路島に来たときは絶対に行こうね」  ここで名前が出てきた〈ニジゲンノモリ〉というのはアニメやTVゲーム、特撮映画などの世界観を三次元で表したテーマパークで、実は〈淡路ハイウェイオアシス〉のすぐ近くにある。でも、今回はもう東京へ帰るところなので泣く泣く諦めたのだ。 「あそこは絢乃さんや僕よりも、唯さんが喜びそうな場所ですよね」 「うん、確かに。唯ちゃんはオタク女子だからね」  彼女はアニメ好きが高じて、高校卒業後の進路までアニメーター育成のための専門学校を選んだくらいだ。あのテーマパークへ行くのは、彼女の将来のためにきっと役立つと思う。  ――そうこうしているうちに、クルマは明石海峡大橋に差し掛かろうとしていた。 一昨日初めてこの橋を渡り、明石海峡を越えて淡路島に初上陸したばかりというのに。島で過ごした二日間は短いようで長かったように感じる。 「…&
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旅の終わり PAGE4

     * * * *  あの後、品川駅に着く少し前まで貢は爆睡していた。わたしも京都駅を出たあたりから少しウトウトとしばらく舟を漕いでいたけれど、新横浜のあたりで目を覚まして貢を起こした。 「貢、次品川だよー。もう降りるから起きてー」 「…………んー? ああ、ハイ。すみません、だいぶ寝てましたね」  目覚めて開口一番、わたしに謝った彼に、わたしは笑いながら答える。 「ううん、別にいいよ。おかげで貴方の幸せそうな寝顔、ずっと眺めていられたしね。実はわたしもあの後寝ちゃってたから」  わたしも今朝早くに目を覚ましていたので、襲ってくる睡魔には勝てなかったのだ。というか、やっぱり旅行というのは終わりの方にどっと疲れがくるものなのかもしれない。 「そうなんですね、よかった。僕一人だけ、絢乃さんを放ったらかして爆睡してたら何だか申し訳なくて。せっかくの新婚旅行だったのに」 「それはいいの。さ、降りる用意しないと!」  わたしたち二人は順番にお手洗いを済ませ、いつ駅に到着しても大丈夫なようにしておく。今日は平日だったせいもあるのか、お手洗いはわりと空いていた。 車両に乗り込んでからは荷物にまったく手をつけていなかったので、すぐにでも降りられる。やることといったら、わたしが飲んでいたカフェラテのボトルを手荷物のバッグへ放り込むくらい。  数分後、わたしたちが乗った〈のぞみ〉は品川駅に到着。荷物を抱えてホームに降り立ったわたしたちは、大きく伸びをした。 「――はぁー……、やぁっと帰ってきたって感じ」 
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再会、そしてただいま! PAGE1

 この二人とは、実に二ヶ月ぶりの再会になる。実は四月に、新入社員の麻衣さんがストーカー被害に遭っていた件でも協力してもらったのだ。でも、どうしてタイミングよくこの近くにいたんだろう? 「……あの、お二人は今日、どうして品川にいたんですか?」 「絢乃さん、よくぞ訊いてくれました♪」 「真弥……、もったいぶってねえでさっさと答えてやれよ」  呆れたような内田さんからのツッコミを受け、真弥さんは肩をすくめた後に答えてくれた。 「ハイハイ、うるさいなー。あたしたちが今日品川に来てたのは、実は仕事でたまたまなんです」 「お仕事で?」 「ああ、この近くに住んでる依頼人に調査報告書を届けに」 「でも、その報告書作ったのあたしなんで。この人に説明任せるの心配だったんで、ついてきたの」 「心配って……、何の心配だよ」 「……はぁ、なるほど」  とりあえず、お二人が本当にたまたまここにいた事情は分かった。でも、どうして狙われていたのがわたしだって分かったんだろう? 「さっき『絢乃さん、危ない!』って叫ばれたの、真弥さんですよね。どうして絢乃さんが狙われてると分かったんですか?」  どうやら貢も同じ疑問を抱いているらしく、わたしに代わって真弥さんに訊ねた。 「それは、あの男がこんな蒸し暑い日にブルゾンを着てて、ポケットに手を突っ込んだまま絢乃さんに向かって行ってたからです。その様子が明らかに挙動不審で、ウッチーも怪しく
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再会、そしてただいま! PAGE2

「語学はともかく、さっきはご主人、絢乃さんにカッコいいところ見せられたじゃないですか。ローキックが見事にヒットして。キックボクシング習ってたのが役に立ちましたね」「いえいえ! あれはたまたまですよ! 絢乃さんを守らないとって思ったらもう必死で」 彼は必死に謙遜しているけれど、わたしが助かったのは真弥さんたちのおかげだけじゃない。彼のローキックがなければ、真弥さんが駆けつけるのだって間に合っていたかどうか。「真弥さん、カッコよかった! 内田さんも、さすがは元刑事さんって感じでした」「ありがとうございます~♡ でも災難でしたねー、絢乃さん。楽しい新婚旅行から帰ってきた途端にこんな目に遭うなんて」「うん、ホントに……」 あの件が片付いてから八ヶ月は経っている。裁判も結審してそろそろ一ヶ月。今頃になって、あの人に再会するなんて……。しかも、幸せいっぱいのこのタイミングで。「あの人にはもう二度と会うこともないと思ってたのにな……」「まぁでも、こうして警察に引き渡すことになったわけですし。こんなことでもなきゃ、あたしたちも絢乃さんたちに再会できなかったと思うんで。不謹慎かもですけど嬉しかったですよ」「そうかもね。わたしもお二人にまた会えて嬉しかったです」「ええ。絢乃さんを助けて頂いて、僕からもお礼を言います。お二人が来て下さらなかったら、僕一人ではどうなっていたかと思うと……」「ううん、貢も十分頼もしかったしカッコよかったよ。わたし、貴方に惚れ直した♡」  わたしは貢をベタ褒めしたけれど、これって真弥さんたちにはノロケを聞かされているようにしか思えないかも。 ――と、そこへパトカーのサイレンの音が近づいてきて、目の前に止まった。刑事さんが三人降りてきて、そのうち二人が小坂さんをパトカーの後部座席に乗せる。 そして、残った一人――内田さんより少し背が低く、年齢は貢と同じくらいの男性がわたしたちの方へ歩いてきて頭を下げた。胸ポケットから出した警察手帳を広げてわたしたちに見せる。……わぁ、本物の警察手帳、初めて見た。「どうも、警視庁捜査一課の杉原です。襲われたというのはあなたですか?」「はい。篠沢絢乃と申します。この人は夫の貢です」「篠沢貢です」 彼は一応有名人であるわたしにも、ごく普通に接して下さった。有名人として特別扱いされるのは今でもあまり
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再会、そしてただいま! PAGE3

 北品川警察署での事情聴取は思いのほか時間がかかってしまい、夜の七時半に終わった。わたしたち夫婦と小坂リョウジさんとの関係を、何も事情を知らなかった刑事の杉原さんが根掘り葉掘り訊いてきたからだ。 彼の元先輩刑事だった内田さんが間に入ってフォローして下さらなかったら、夜遅くまでかかっていたかもしれない。「――やっぱ、デリバリー頼んどいて正解でしたね」 警察署を後にするわたしたちを、内田さんと真弥さんが見送りに出てきてくれた。このお二人はこの後もしばらくここに残るらしい。 ちなみに、警察署までは内田さんと真弥さんの乗ってきたクルマ――貢の愛車によく似たシルバーのセダンだった――に乗せてもらってきた。 聴取の途中、内田さんが休憩を入れようと提案して下さって、わたしたちはその時にやっと夕食にありつけた。警察署の近くにある美味しいカレー屋さんから真弥さんがデリバリーを頼んだ欧風カレーで、思いっきり空きっ腹だった人にとっては最高のごちそうだった。「ありがとう、真弥さん。カレー美味しかったわ。ごちそうさま」「ごちそうさまでした。あなたの機転がなければ、僕たち今夜は夕食抜きになるところでした」「いえいえ、喜んで頂けてよかった」 ……いやいや、家に帰ればわたしたちの分の食事は置いといてくれているはずだけど。まぁ確かに、もはや夕食じゃなくて夜食になっていた可能性はあるかもしれない。「ホントだよな。あのバカ、この二人は被害者だっつうのに被疑者みてぇな扱いしやがって」 内田さんが、元後輩のことを苦々しく吐き捨てた。彼が警察を辞めた理由は、誰に対してもやれ規則だルールだと雁字搦めになっていたことに嫌気がさしたからというのもあるのかも。事件の被害者なのに、肩身の狭い思いをしないといけないあの聴取のしかたはちょっと頂けないかなとわたしも思う。「まぁ、あんなことがあっての今日の事件ですから仕方ないのかもしれないですよ。でも、内田さんが何度もフォローを入れて下さって助かりました」 「そりゃあ、オレはあの時頼ってもらった縁があったから。でもさぁ、『あんたは小坂に恨まれても仕方なかったんじゃないのか』って、あんな言い草ねぇよな。ヘタすりゃ殺されてたかもしれねぇっつうのに」「警察っていうのは、何か起きてからじゃないと動かないからね」 まだご立腹の
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再会、そしてただいま! PAGE4

「……絢乃さん、寺田さんに迎えに来ていただいてもよかったんじゃ?」  タクシーの車内だというのに、貢が失礼なことを言った。誰に失礼かと言えば、もちろんこのタクシーのドライバーさんだ。 「それ、タクシーに乗ってから言うことじゃないでしょ。寺田さんは、ママの送り迎えで疲れてると思うから遠慮したの。元々わたし専属の運転手でもないしね」  使用人にだって人権がある。まして、篠沢家の使用人であるドライバーの寺田さんや家政婦の安田史子さん、コックさんは家族も同然だ。こき使うなんてかわいそうだし申し訳ない。 だからわたしはこの旅行の帰りにも寺田さんに迎えを頼まず、タクシーを呼んだのである。 「でも、去年の出張の帰りには寺田さんにお迎えを頼んでましたよね」 「あ……。貴方、よくそんなこと憶えてたねー。あれは仕事も兼ねてたから、ママもそうしなさいって言ってくれてたし」  というのはちょっと言い訳として苦しいか。でも言った者勝ちだ。 ……と、わたしのバッグからスマホの振動音がした。 「――あ、真弥さんからだ。『さっきのデリバリーの代金、領収書もらってたから杉原刑事に押し付けてやりました♡』だって」 「はぁー、あの人抜け目ないですね。ちゃっかりしてるというか」 「うん。あと、『杉原のバカはいま、ウッチーに説教されてま~す♪』って。やっぱり真弥さん、あの刑事さんのこと相当嫌ってるみたいだね」  隣で貢も笑っている。内容はさておき、真弥さんがさっそく連絡をくれてわたしは嬉しかった。年齢は一コ下だけれど、彼女ともこれからいいお友達になれそうな気が
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スイートマイホーム PAGE1

 ちゃんと玄関ホールで靴をスリッパに履き替えたわたしと貢は、リビングで改めて母に「ただいま」を言い、父の遺影にも「ただいま。無事に新婚旅行から帰ってきました」と手を合わせた。 「――ママ、これお土産ね。淡路のパーキングエリアで買ってきた淡路玉ねぎのインスタントスープと、明石ダコのおせんべい。あと、ママは甘いものも好きだから、鳴門金時のタルトクッキー」  史子さんが運んできてくれた紙袋の中から、母のために購入した品々を出してローテーブルの上に並べた。 ちなみに、スーツケースは寺田さんがすでに寝室まで運び込んでくれているらしい。 「ありがとう。でも、また買ったの? 昨日もいっぱい届いたのに」 「まぁまぁ。それはそれ、これはこれってことで。明日里歩たちに渡すお土産は、これから部屋に戻って仕分けなきゃいけないんだけど」  淡路のハイウェイオアシスで彼女たちへのお土産を買ったとき、余分に一枚ビニール袋をもらっていたのだ。 「そういえば、明日里歩ちゃんたちとお昼を食べるお店は決まったの?」 「うん。恵比寿にある、オシャレなイタリアンのお店に行くことになったよ。昨夜、『お店予約しといたよ』って里歩からライン来てた」 「そう。楽しんでらっしゃいね」 「うん」 「絢乃さん、どうせならランチだけじゃなくて、明日はお二人と思いっきり遊んできたらいいですよ。のんびり楽しんできて下さい」 「ありがと。じゃあそうさせてもらおうかな。貢はどうするの?」 「今晩のうちに高校時代の友人に連絡取って、明日会えそうなら久々に会ってきます。場合によってはこの家に来てもらうかもしれませんけど、いいですか?」  彼はわたしと母の両方に伺いを立てているみたい
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