朝起きたら素っ裸の女の子に『絡まれて』いた。 頭の中に無数のクエスチョンマークが浮かび上がり、消えることなく俺の脳を瞬く間に埋め尽くす。 はてなが一つ出現する度に俺の心臓は激しく鼓動し、全身からは変な汗がにじみ出す。 絡まれている。 これは比喩ではない。 ベッドに俺は仰向けで寝ている。まあ自分の部屋で寝ていたのだから当然だろう。窓から差し込む光はまだ薄らとしていて、いつもの起床時間より一時間以上は早いと思われる。 しかし俺の体は現在鎖で縛られているかのように女の子の腕に、脚に、体に、髪によって全身を絡めとられていた。 ぬくもりが、ホットミルクのような心地よい暖かさがパジャマ越しに伝わってくる。布団はどうしたのだろうか。視線を泳がせると床に落ちているのが見えた。 女の子の顔は見えない。まるで触手のように突き出た黒い髪の毛によって覆い隠されていて、美女かブスかも判断できない。 さて、どうしたらいいのだろうか。女の子の体が動く、指がまるで蛇のように俺の体を伝い、そして――耳の穴に突っ込まれた。 だというのに不思議なくらい俺は興奮できなかった。 多分それは、困惑が大きかったからだと思う。 それは女の子が絡んでいるから? 違う。女の子の指から『音楽』が聴こえてきたからだ。俺のスマホに適当に入れておいた曲。 それが――やたらめったら『いい音』で聴こえてきたのである。これに驚かない人間などいない。興奮など起こりようがない。 俺はかろうじて残った理性と元気を振り絞り、女の子に声をかけてみる。「なんすか、あんた」 すると髪の毛がタコのように揺れ動いたかと思うと、女の子はゆっくりと顔を上げた。 美少女だった。俺は心の中で小さくガッツポーズした。 ブスだったら石ぶつけてやるつもりだったからだ。 女の子は俺と同じくらいの年頃だろうか。全体的にほっそりとして、凛として、まるで氷細工のように美しい。 ここにきてようやく俺は彼女のおっぱいが体に密着していることを自覚したのである。 おっぱい。 それは柔らかかった。結構ボリュームがあるのか、柔らかかった。 なんて語彙力がない俺。でも仕方ない。だって柔らかいんだから。 もはや耳から絶えず流れる音楽なんてどうでもよくなった。 「なんすか、あんた」 俺はもう一
Zuletzt aktualisiert : 2026-04-18 Mehr lesen