50.第二話 スプリントレースへのいざない シャーク君箸置きに続きシャーク君ケータイストラップの開発が決定された。これは非売品としアクアリウムのイベントに景品用として作られた。こんな可愛げのないサメのストラップを欲しがってくれる人なんかいるだろうか? 今回はピンク色の『シャー子』も開発された。すると。「欲しい! これ、お揃いでケータイに付けたい!」と待ち席で長谷川春子さんは言い出した。今日はタイミングが悪く長谷川夫妻は長時間の待ちになっている。「え、欲しいのはいいけど、おれも付けんの?」 雅史は待ち時間が長くなりそうと聞いていたのでケータイで麻雀闘技場をやっていた。まだケータイによる麻雀通信対戦が出始めの時代であるがさすがゲームセンターのオーナーである。最新のゲームに敏感に反応してチェックしているのだ。 ちなみに通信の速度は遅くなりがちなので東風戦にしておいた。「お揃いがいいの~」「ま、いいけど。いくらですかそれ」と雅史は小林に値段を聞いた。「あ、これは非売品です。来月から始まるあみだくじイベントの景品に使うつもりです」「だってさ、当てるしかないって。お揃いは難しいかもね」「そうなのね~」「現在オーラスになりました。もう少々お待ち下さいね」「あなた、もうオーラスよ。ゲームやめれるの?」「あ、大丈夫。こっちも丁度オーラスだから」 そう言ってる雅史の配牌がこうだった。オーラス南家長谷川雅史手牌七八①②③159東西白中中 ドラ⑦点棒状況東家 25300点南家(雅史)33300点西家 19700点北家 21700点 というトップ目。 すると親の第1打が①筒だった。『チー』「は?」見ていた春子は夫はスキップボタンの押し間違いをしたと思った。「これ、間違えたんでしょ?」「いや、これでいいんだ。どういうことかと言うと、このチーはそう、スプリントレースへのいざない……とでも言おうか。まあ見てて」 トップ目の1巡目リャンメンチーを見せつけたらどうなるか。ということを雅史はよく分かっていた。 つまりこのチーを見ることにより、この局は長期戦になりそうもない。じっくり手作りしてトップを目指してる時間はなさそうだ。と思わせるのが狙いなのだ。 そうなると、仕方ないからラス回避だけ目標にしてとりあえず急ごうとなり……『チー』「
Last Updated : 2026-06-09 Read more