All Chapters of 実は、俺⋯受けなんです!: Chapter 11 - Chapter 20

28 Chapters

初めてのデート、二人きりの夜

俺は毎朝の習慣で6時に目を覚ました。隣には気持ちよさそうに眠る涼が居た。俺は涼の髪をそっと撫でた。「うーん……つかさ、さん?」「起こしたか?まだ寝てていいよ」「うん……すぅ……」涼は俺に抱きつくと、再び、眠りについた。「可愛いな」俺は涼の寝顔を眺めた。これが愛おしいということなのだろうか?俺は涼と出会って色々な感情を知った。今、この瞬間に抱いている感情も俺にとって言葉にできない複雑なものだ。だがこれだけは言える。今朝の目覚めは今までで一番幸せだと。「司さん、おはようございます」目を覚ますと、涼の笑顔が俺の視界に入ってきた。どうやら、あの後、俺は寝てしまったようだ。「おはよう。今、何時だ?」「8時です」「久々によく寝た」俺は伸びをした。涼は着替えを既に済ませていた。「わるい、すぐ支度する」「慌てなくていいですよ。司さんの寝顔ならずっと眺めていたいくらいです」「やめてくれ/」「なんで?」涼が耳元で囁いた。「涼、今のわざとだろ/」「司さんが可愛いから」俺は起き上がった。「あーあ、起きちゃった」「腹減ったんだよ」俺は無理やり話題を逸らした。「俺も空きました」「このホテルの朝食は絶品だから」「ヘぇ」「どうした?」「朝食も食べたことあるんだ」涼がそっぽを向いてしまった。「妬いてるのか?」「言いません」俺は機嫌を損ねた涼の頭を優しく撫でた。「朝食はいつもひとりで食べてる。誰かとここで一緒に食べるのは今日が初めてだよ」「ほんと?」「ほんと」「なら許す」すると、涼は俺を引き寄せ、不意打ちに唇に軽くキスをした。「涼///」「許すからキスしていい?」「してから聞くなよ//」「ごめん」涼は微笑みながら、もう一度、俺の唇に優しくキスをした。「なんだ?」「司さんって、何してても絵になるなと思って」「そんな事ないだろ」「いや、あります」涼は即答した。「完壁な司さんの唯一の弱みを知っている俺は幸せ者ですね」「それは///」「もっと、司さんのことが知りたいです。俺、こんなにも相手の事を知りたいと思ったことは初めてなんです」「俺はそんな涼が羨ましいよ」「どうして?」「素直に思ったことが言えるから」「それは司さんにだけです」「だからそういう所だよ/」「照れてます?」涼は俺の顔を覗き込んだ。
last updateLast Updated : 2026-04-29
Read more

初めてのデート、二人きりの夜

「確かこの棚にあったはず」 俺は書店に着くと、目当ての本が陳列されている棚へ向かった。そんな俺の後ろを涼が静かについてきた。 「あった。この本欲しくてさ」 「英語?」 「そう」 「司さん、すごい。俺、全く読めない」 「幼少期に父親の転勤で海外に住んでた時期があったから、英語は話せるんだ」 「ますますすごい。帰国子女ってことでしょ?」 「そうなるな」 「俺、司さんのことなんにも知らないんだな」 涼が寂しそうに言った。思い返せば、俺たちの関係は身体から始まった。しかも、自分たちの都合のいいような嘘もついてきた。故に、俺は本当の自分を涼に見せてこなかった為、そう思わせてしまうのも仕方ないのかもしれない。 「俺は、俺の事を知ろうとしてくれる涼の気持ちが嬉しい。知らないなんてお互い様だろ?」 「そうですよね。なんか、寂しくなっちゃって。好きな人の事を何も知らないって」 「好きな人か……少し前の俺たちでは考えられない言葉だよな」 好きなひとのことを全部知りたい。いつだったか、そんなことを言われたことがあった。その時は、何故だ?と思った。けれど、今ならその人の気持ちが分かる。お互いを知り、自分を知る。 そして、少しづつ相手との距離が縮まっていく。俺たちは、今まさにその最中だ。 「少しづつでいい。お互いの事を知っていこう」 「そうですね」 俺は隣で微笑む涼の横顔を覗き見た。一つ一つの反応が新鮮で、色んな世界を涼に見せたくなる。自分のことを知ってもらえる喜びを俺は初めて知った。 俺と涼は、本屋を出たあと少し歩くことにした。 「お腹空かないか?」 「空きました。そういえば、もうすぐお昼ですね」 「この近くに俺がよくランチを食べに行く店があるんだけど行く?」 「行きます!行きたいです!!」 「ちなみに、寿司って食べられる?」 「大好物です」 「良かった」 「昼からお寿司なんて豪華だなぁ」 10分ほど歩いた所に、俺の行きつけの店はあった。 「着いたぞ。入ろうか」 「はい」 俺は少し緊張気味な涼に微笑みかけた。 「いらっしゃいませ」 いつものように、店員の明るい声が店内に響いた。 「ご案内致します」 俺と涼は案内されたテーブル席に座った。 「混んでますね」 「ランチ時はいつもこうだよ。ここの寿司は、どれも美味しいから」
last updateLast Updated : 2026-04-30
Read more

初めてのデート、二人きりの夜

「お邪魔します」「どうぞ」涼は遠慮がちにリビングへと入ってきた。そして、窓から夜景を見て目を丸くした。「ここ、家ですか?ホテルみたい」「んはっ、俺ん家」「きれい……」「ここからの景色が気に入って、この部屋にしたからな」この夜景を誰かと眺める日が来るなんて思ってもみなかった。だけど今は隣に涼が居る。それはまるで、足りなかったピースがぴったりとはまるような感覚。涼の存在が俺を変えた。俺はそっと涼に近づき、後ろから優しく抱き締めた。すると、窓越しに涼の顔が映った。「司さん、家に呼んでくれてありがとう」「こちらこそ来てくれてありがとう」「司さんの家に来た恋人って俺が初めて?」「そう。涼が初めて」「やった。司さんの初めてもらえた」「嬉しい?」「とっても」俺は抱き締める腕の力を緩めて、涼と向かい合った。「外から見えない?」「見えてもいいだろ」「ははっ、司さん、変わったね」「俺を変えたのは涼だよ」俺はワインをグラスに注いだ。「ワインを飲んでる司さんは絵になるなぁ」「いつも見てるだろ?」「いつ見ても格好いいんです」涼がソファーに座り、俺にもたれ掛かりながら言った。珍しく涼が甘えている。可愛くて、愛おしい。俺は涼の頭をそっと撫でた。「どうしたの?」「涼が可愛かったから」「ベッドでは司さんが可愛いからね」「そんなこと//」「あるでしょ?」「知らん/」俺は照れ隠しに俯いた。「司さん、拗ねないで」「拗ねてない」「ならこっち向いて?」「いやだっ……んっ//」涼が不意打ちでキスをした。「こっち向いてくれないから」「察しろ///」「言ってくれないと分からない」涼の視線を感じた俺は、思わず顔を上げた。そこには俺に優しい眼差しを向けている涼が居た。「このキス魔」「全然足りない。外では大人しくしてたでしょ?」「まぁ、それは……//」「そうだ!司さん、俺の上に座って、俺のほう向いて?」「無理」俺は即答した。そんな恥ずかしいことできる訳が無い。「なんで?」「なんでも」「ちぇっ」今度は、涼がそっぽを向いてしまった。「ほら、拗ねるな」「拗ねてない」「……仕方ないな。今日だけだぞ?」「さすが司さん」俺は涼の膝の上に座り、向かい合った。互いの吐息が分かるほど至近距離で、俺は涼を見下ろした。「キス我慢し
last updateLast Updated : 2026-05-02
Read more

初めてのデート、二人きりの夜

「涼、好きだよ」「司さん、どうしたの?/」「言いたくなった」「さっきからずるい//」涼は頬を赤く染めた。俺は涼の耳にそっと息を吹きかけた。「あっ/くすぐったい/」「涼は耳弱いよな」「司さん、楽しんでます?」「うん、少し」俺は涼の耳をペロッと舐めた。「んぁっ……/司さん、くすぐったいってば/」「たまにはいいだろ?」俺は涼の唇にそっとキスをした。「んんっ、涼……/」「司さん、足りない」涼は俺の頭を掴み、舌を絡ませながらキスをした。「ねぇ、しよ?」涼が俺の耳元で囁いた。耳だけで感じてしまう。俺は身体をビクつかせながら頷いた。「寝室、そこだから」「連れてって」俺は涼の手を引き、寝室へと招き入れた。「ベッド広いですね」涼は躊躇いなく、俺をベッドへ押し倒した。そして、慣れた手つきで俺のシャツのボタンを外し、露わになった身体を丁寧に舐め回した。「んぁっ……/あぁ///」恥ずかしいのに、声が止まらない。「涼も脱いで」「うん」涼は上着を脱ぎ捨てた。涼の筋肉質な肌が、俺の肌に触れた。「やっぱり、ベッドの司さんは可愛いね」「知らん///」「誰にも見せたらダメですよ?」涼は俺の首筋に思い切り吸い付いた。「んんっ、」「付いた」涼はキスマークをそっと撫でた。涼の独占欲が俺を満たしていく。「俺も付ける」俺は涼の上に跨り、彼の首筋に吸い付いた。「んっ、司さんが付けてくれるの初めてだ。嬉しい」誰にも執着しなかった俺に、初めて独占欲が芽生えた瞬間だった。それだけでは足りず俺は涼のモノを口に含んだ。「んっ、司さん……」涼は甘い声を漏らし、俺の名を呼んだ。涼の表情がもっと見たい。俺は衝動が抑えられなかった。そのまま、自らズボンを下ろし、涼のモノを自分の中に挿入した。「んぁぁっ///」「積極的な司さんも好きですよ。いい眺めだ」涼が淫らな俺を見ている。それだけで、いってしまいそうなくらい感じている自分が恥ずかしい。だが、欲望は底を知らず、俺は涼の腹に両手を付いて何度も腰を動かした。「ああっ、んん……んぁぁっ///」「司さん、やばっ」「俺も、あぁぁっ、いくっ///」俺は欲望を涼の腹の上に放った。「はぁ……」「司さん、可愛かった」涼は起き上がり、俺を優しく抱き締めた。「まだできますか?」「聞くなよ/」「それ
last updateLast Updated : 2026-05-05
Read more

初めてのデート、二人きりの夜

「腹減らないか?」 「沢山運動したから空いた」 「おい、言い方//」 「だって、そうでしょ?」 「そうだけど……/」 涼は俺を後ろから抱き締めた。 「何食べる?」 「だから、耳……/」 涼は俺に聞きながら、耳を軽く舐めた。 「お腹空いたから」 「だからって、俺の耳を舐めるな/」 「はーい」 涼は俺から離れると、リビングのソファーに座った。 「この後、映画観たいな」 「それならピザでも頼むか?」 「それいい!」 俺はスマートフォンでピザを注文した。週末の夕飯時であるため、30分程、配達まで時間がかかるようだった。 「涼、先にシャワー浴びておいで。俺は早めに届くといけないから待ってるよ」 「分かった。すぐ戻ってくるね」 涼は俺の唇に軽くキスをした。 「ところで、風呂ってどっち?」 「こっち」 俺は涼を風呂場まで連れていった。 「バスタオルは自由に使って。着替えはあとで置いておくよ」 「ありがとう」 まさか、自宅の風呂に俺以外の人が入る日が来るなんて思ってもみなかった。俺は風呂場の向かいにある洗面所を見た。 「涼の分の歯ブラシも買わないとな」 俺の家に涼の物が増えていく。それだけで俺の頬は緩んだ。 「お風呂ありがとう」 「うん、着替えは大きくなかったか?」 俺が顔を上げると、上半身裸で髪を拭きながらこっちへ来る涼が見えた。 「ちょうどいいよ。さっぱりした」 「なんか飲むか?」 「水もらってもいい?」 俺はキッチンへ行き、冷蔵庫の中からミネラルウォーターを取り出した。涼は俺からミネラルウォーターを受け取ると、キャップを開け、ゴクゴクと一気に飲み干した。 「司さんもいる?」 「欲しい」 涼はミネラルウォーターを口に含むと、俺の口へと流し込んだ。 「美味しい?」 「うん/」 「司さん、静かだね。疲れた?」 涼は心配そうに俺の顔を覗き込んだ。 「違う。目のやり場に困ってるだけ/」 「あ、そういうこと。でも、いつも俺の裸見てるじゃん」 「そうだけど、なんか照れる/」 「ならもっと見る?」 涼は俺と向かい合うように、俺の膝の上に乗った。 「さっきと逆だね」 「だから、近いって/」 「だって、
last updateLast Updated : 2026-05-07
Read more

初めてのデート、二人きりの夜

「涼、床に座ってないでソファーに来ればいいのに」 「このカーペットがふかふかで気持ちよくて」 俺はウイスキーのグラスをテーブルに置いて、涼を後ろから抱き締めた。 「司さんのスキンシップ好き」 「俺、そんなに触ってる?」 「うん」 「なら離れようかな」 「嫌だ、だめ」 涼は俺の腕を掴んだ。 「ここに居て」 「んはっ、分かったよ」 「なんで笑うのさ」 「涼が可愛くて」 俺は涼の頬にキスをした。 「司さん、触ってばっかだと押し倒すからね」 「それもいいね」 「本気で言ってる?」 「俺はいつも本気だ」 「ベッドまで我慢しようと思ってたのに。」 そう言うと、涼は俺をソファーに押し倒した。 「アイス溶けるよ」 「食べながらやるから」 その言葉通り、涼はバニラアイスを口に含むとそのまま俺にキスをした。甘くて、冷たいそのキスはいつもと違う興奮を俺に与えた。 「バニラ甘いな」 「もっと食べる?」 「欲しい」 涼は俺の口にスプーンをそっと入れた。俺の唇の端から零れたバニラアイスを涼が舌でペロッと舐めた。 「ほんとだ、甘いね」 俺は涼の首に腕を回してキスをせがんだ。すると、涼は舌を絡めながら何度も俺にキスを繰り返した。2人の舌と舌が触れ合う音がリビングに響く。そして、涼の手が俺の服の中に入ってきた。涼の手が俺の肌に触れると、思わずビクついてしまう。もっと触って欲しいのに、焦らされるもどかしさに俺は悶えた。 「司さん、乳首立ってきた」 「んんっ……///焦らさないで/」 「だって、ゆっくり司さんと触れ合いたくて」 そういいながら、涼の手がズボンの上から俺のモノを優しく撫でた。 「ここも大きくなってきた」 「だから、ああっ//触って//」 「触ってるよ?」 「もっと……///」 涼に触れられる度に、俺は欲張りになっていく。それは、涼が俺を満たしてくれると知っているから。俺は恥もプライドも捨てて涼を求めた。涼は俺の上着を捲りあげると、腹にそっと触れた。 「あっ/」 もっと触れて欲しいのに、涼は触れてくれない。 「触って?//」 「どこを?言わないと分からないよ」 涼は俺が強請るのを待っているのか、俺の頬を撫でながら微笑んだ。
last updateLast Updated : 2026-05-08
Read more

朝が来た Side:涼

「うーん……」俺は窓から差し込む朝日で目を覚ました。隣をみると、一緒に寝ていたはずの司さんが居なかった。その代わりに、キッチンからコーヒーのいい匂いがした。俺は眠気まなこを擦りながら起き上がり、キッチンへと向かった。「おはよ、司さん」「おはよう、よく眠れたか?」「うん、とっても。朝ごはん作ってくれてるの?」「まぁ、簡単なものだけど」「十分豪華だよ。ありがとう」俺は料理をしている司さんの背中に抱きついた。「涼、顔洗っておいで?」「もう少しだけ」俺は司さんの首に鼻を近づけた。今日もいい匂いがする。俺は思わず目を閉じた。「涼、寝てる?」「わぁ、ごめん」「やっぱり寝てた」「だって、司さんの傍は落ち着くから」「それは嬉しいけど、朝食もできたぞ」「はーい」俺は離れ難い気持ちを押し殺して、朝の支度を始めた。洗面所には、歯ブラシが一本と男物の頭髪料や化粧水が並んでいた。司さん以外がこの部屋に来た形跡はない。俺は安堵した。それと同時に自分の女々しさに嫌気がさした。 「何やってるんだ……俺」「涼。出来たぞ」 キッチンから俺を呼ぶ司さんの声が聞こえた。「今行く」我に返った俺は、急いで顔を洗いキッチンへと戻った。「冷めないうちに食べよ」「うん」「どうかしたか?」司さんは俺の顔を覗き込んで尋ねた。「ううん、なんでもない」俺は咄嗟に司さんから目を逸らした。今、司さんの目を見たら全てを見透かされそうで怖かった。「そっか、ならいいけど」司さんはこういう時、俺が話すまで深く追求することはしない。俺にはできない。大人の余裕なのだろうか?「この後、2人で出かけないか?」朝食を食べていると司さんが俺に話しかけた。「いいよ。どこ行く?」「涼が使う食器とか歯ブラシが買える所。パジャマもいるか?」「え?俺の?」「これからも来るだろ?ここに」その言葉に司さんを一瞬でも疑った自分が恥ずかしくなった。司さんは、俺の知っている誰よりも格好よくて可愛いい人だった。「来る!毎日でも来る!!」「んはっ、いつもの涼だ」「俺、司さんが大好きみたい」「俺も好きだよ」「ううん、きっと、俺の方が好きだ」俺は司さんを見つめた。「だから、これからも俺だけの司さんで居てね」「当たり前だろ」司さんは微笑んだ。「涼、そんなにくっつくと食器洗えない」
last updateLast Updated : 2026-05-09
Read more

恋人と過ごす休日

「涼、シートベルト」「はーい」俺が自分の車に人を乗せることは滅多にない。ましてや、助手席に乗る人なんて皆無だ。それくらい涼は俺にとって特別な存在なのだ。「この車高そう」「まぁ、それなりに」「本当に俺が恋人でいいの?俺、学生だし、お金もないし、司さんみたいに格好よくもないよ」「逆に涼は俺が恋人でいいのか?涼からしたら俺はおじさんだろ?」「俺は司さんがいい。司さんじゃないと嫌だ」涼は即答した。「俺も涼がいい」 「じゃあ、俺のどこが好き?」「自分の気持ちに素直な所。甘えると可愛い所」俺は車を走らせながら言った。「うんうん。他には?」「格好いい所」「やった。俺も司さんの好きな所言おうか?」「俺は遠慮しとく」「なんで?」「……恥ずかしいだろ」俺は呟いた。「司さん、可愛い。あ!可愛い所、大好きだよ」「ん、ありがとう/」「司さん、顔赤い」「あんまり見るな/運転してるから」「はーい」助手席で楽しそうにしている涼を横目に、たまにはこういうドライブもわるくないと思い始めている俺が居た。「着いたぞ」「ここ!来てみたかったんだ!」車から降りた涼は嬉しそうに言った。「駐車場広いから周りをよく見て」「司さん、お兄ちゃんみたい」「あながち間違ってもないかもな」「そこは恋人だって言うとこでしょ?」「あ、そうなのか?」「司さんって、たまに抜けてるよね」「うるさい」俺は涼の髪の毛をワシャワシャした。「ちょっと、髪が乱れるって」「ほら、行くよ」「はーい」俺が右手を差し出すと、涼は嬉しそうに俺の手を握った。「こういうデートしてみたかったんだ」「それは良かった」俺と涼は笑い合った。「色々あるんだね」「そうだな」涼は食器を選びながら言った。「これだけあると迷うな」「ゆっくり選べばいいよ」「ね、司さんはどっちが好き?」涼は色違いのマグカップを俺に見せた。「うんと、青」「この色いいよね。ならこれにする!」「俺が決めていいのか?」「もちろん。どっちも気に入ってたから選んでくれて嬉しい」涼は終始嬉しそうな表情を浮かべながら、青を基調とした食器を選んでいく。「これくらいかな」「よし、会計行くか」「こんなに買ってもらうのはわるいよ。俺も払うよ」俺は涼が財布を出そうとする手を止めた。「俺に買わせて?俺
last updateLast Updated : 2026-05-10
Read more

恋人と過ごす休日

車を走らせること15分。マンションの地下駐車場に到着した。「俺、荷物運ぶから、鍵頼めるか?」「うん。でも、重いから俺も持つよ」「それならこれ」俺は涼に、食器が入っている袋を手渡した。「こっち、軽い方じゃん」「涼は鍵開けてくれるから」「んふっ、司さんは優しいね」そういうと、涼は俺の頬にキスをした。「ここ、外だぞ/」「誰も居ないから大丈夫だよ」今日も涼にペースを乱された。俺は熱くなる頬を隠すように話を逸らした。「ほら、行くよ」「はーい」駐車場からフロントに続くドアの鍵を涼が開けた。重たいそのドアを開けると、大理石を基調とした高級感溢れるフロントが現れ、常駐しているコンシェルジュの方が俺たちに気づき声を掛けた。「お帰りなさいませ。高嶺様」「こんばんは。お疲れ様です。これから彼が一人で家に来ることもあるので、よろしくお願いいたします」俺は涼をフロントまで手招きした。「かしこまりました。お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?」コンシェルジュが涼に問いかけた。「桜庭涼です」「桜庭様ですね。よろしくお願いいたします」「あ、はい」戸惑いながら涼は答えた。コンシェルジュとの会話が済んだ俺たちは、上層階専用のエレベーターに乗った。そこで俺はふと気づいた。「涼の苗字って、桜庭だったんだな」「そういえば、言ってなかったかも」「んはっ、俺たち名前も知らずに恋人になってたのか?」「俺ららしくていいじゃん」「それもそうだな」「俺の事、コンシェルジュさんに伝えてくれてありがとう」「どういたしまして」その時エレベーターが最上階へ到着した。扉が開くと、俺たちは手を繋いで歩き出した。 「お邪魔します」「ただいまでもいいのに」「え!?いいの?」俺は何気なく言ったつもりだったのだが、涼は驚いた表情を浮かべた。「ああ。涼ならいい」「やった!嬉しい。ありがとう」「それならこれも要るよな」俺は涼に合鍵を手渡した。「え、待って……こ、これって。どうしよう。俺……」「要らなかったか?」「違うんだ。すごく嬉しい。嬉しくて泣きそう」「なんだ、びっくりさせるなよ」「俺ばっかりプレゼントもらってる。俺も何か司さんにお返ししたい」「俺は涼と出かけたり、食事したり、一緒に過ごすだけで癒されてるよ」「それは俺も。だから、それ以外で何か司
last updateLast Updated : 2026-05-13
Read more

恋人と過ごす休日

涼と出会う前の俺は、社交的に見えて、他人を自分のテリトリーには決して入れさせなかった。自宅に招くことは、プライバシーに関わることなのでもちろん断っていた。それなのにだ。今の俺は自ら、涼に合鍵を渡し、いつでも訪ねてきていいと言った。涼に気を遣ったわけでも、自分をよく見せたいわけでもない。俺は涼と過ごす時間に癒しを感じていた。触れ合わなくても一緒の空間で過ごすだけで満たされる。「司さん、楽しそう」「そうか?」「顔がニヤけてる」「それはない」と言いつつも、食器棚のガラスで自分の表情を確認した。少し口元がにやけているような気がしなくもない。ポーカーフェイスの俺はどこへやら。涼といると俺の知らない俺が出てくる。 時々、自分の変化に驚くこともあるが、それもわるくないと思えるのは、傍に涼が居てくれるからだ。「司さん、カレーできたみたい!」「おお、食べようか。腹減った」俺は涼の笑顔が見れたらそれだけで幸せだ。「いただきます!」涼が出来たてのカレーを頬張った。「美味い!ビーフも美味しいね」「口にあって良かった」「これから俺も牛肉でカレー作ろうかな」いつもは1人の食卓。涼と食べるとそれだけで美味しく感じる。「たまにはこうやって一緒に夕飯を作るのもいいな」「俺もそれ思ってた!なんなら、俺、作りに来ようか?」「涼は、大学とバイトで忙しいだろ?」俺にとって有難い提案だが、涼に無理をさせる訳にいかない。「大丈夫!俺が来れる時だから」「そういうことなら頼むよ。仕事の後に、涼の手料理を食べられるのは嬉しい」「分かった。来る時は連絡するね」「ああ。待ってるよ」涼はどんどんカレーを食べ進めた。「おかわりいるか?」「食べる!」俺は涼から皿を受け取ると、カレーを継ぎ足しにキッキンへと向かった。その様子をカウンターから涼が覗いていた。「見られてるとやりにくい」「だって、司さんが見えないと寂しくて」「可愛いな、涼は」「可愛いのは司さんだからね」「いや、涼だよ」「司さんだよ」お互いに譲らない攻防戦に、俺たちは笑い合った。⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯「もう8時過ぎだ。早いな」リビングのソファーでくつろぎながら涼が言った。「泊まってくか?」「今日も泊まったら迷惑じゃない?明日仕事だよね」「俺は構わないけど」本音をいうと俺が涼と一緒に居
last updateLast Updated : 2026-05-14
Read more
PREV
123
SCAN CODE TO READ ON APP
DMCA.com Protection Status