All Chapters of 実は、俺⋯受けなんです!: Chapter 31 - Chapter 40

44 Chapters

寝ても、覚めても。

トントントントントン……遠くで音が聞こえる。しかも、いい匂いもする。そろそろ朝のアラームが鳴る頃か。今日も一日が始まろうとしている。ピピピピピピピ……目覚めの時刻を知らせるアラームと共に、寝室のカーテンが開けられた。朝日が眩しい。今日も晴天のようだ。「司さん、朝だよ。起きて」「起きてる」「それ、起きてないでしょ」「寒い」「リビングは暖かいよ」「ここがいい」俺は布団を被った。「おーい、寝起きが可愛いとか反則でしょ」すると、涼は布団を剥ぎ取り、俺の上に覆いかぶさった。俺は驚き、思わず目を開けた。「起きた?」「起きた/」「良かった」涼は微笑むと、俺の額に口付けした。「もうすぐ朝ごはん出来るよ。リビングで待ってるね」「わかった。すぐ行く」涼は俺が起き上がったことを確認すると、寝室から出ていった。涼のお陰で、すっかり目が覚めた。俺は顔を洗い、リビングへと向かった。「おはよう」「おはよう、司さん」リビングに行くと、既に朝食がテーブルに並べられていた。「美味しそう」「冷蔵庫の食材、勝手に使ったけどよかった?」「ああ。構わないよ」「ありがとう。冷めないうちに食べて?」「いただきます」俺はコーヒーを一口飲み込み、焼きたてのトーストをかじった。涼の作ったスクランブルエッグは火加減が絶妙でとても美味しかった。「ご馳走。美味しかった」「よかった」「着替えてくる」「はーい」俺は寝室に戻るとクローゼットを開けた。そして、今日のスーツに合うネクタイを選ぶと、鏡の前に立ち、髪をワックスで整えた。最後に、愛用している腕時計をつければ準備完了だ。ふとベッドに視線を向けると、昨夜の行為が蘇り、俺は思わず頬を赤らめた。俺は乱れたシーツを整えると、涼が待つリビングへと向かった。「お待たせ」すると、涼は俺がリビングに入るなり動きを止めた。「どうした?」「司さんがあまりにも格好よくて//さっきまで、スウェット姿で寝癖もついてたのに」「寝癖は余計だ」「夜もあんなに可愛かったのに」「それは言うな//」涼の言葉に、今度は俺が照れてしまった。「司さんはギャップがありすぎます」「嫌か?」「ううん、すごく魅力的で俺は好き」「あ、ありがとう/」「ふふっ、朝から幸せだな」涼は俺を見つめながら微笑んだ。「涼、先に出る
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俺の帰る場所

俺は昼休憩が終わるとすぐに仕事に取り掛かった。今日こそは定時で上がる。そう心に決め、膨大な資料と格闘していた。すると、同期の須田が声を掛けてきた。「高嶺、今日の夜空いてたりしない?」 「わるい、先約がある」「ふーん」「どうした?」何か言いたげな須田に俺は問いかけた。「高嶺さ、男できただろ?」俺は思わず飲んでいたコーヒーを吹き出しそうになってしまった。「須田、声が大きい」俺は小声で須田を咎めた。須田とは入社当時からの腐れ縁で、いつかの酔った勢いで俺がゲイだということを知られてしまった。それからも変わらずに接してくれているので、俺の数少ない理解者ではある。しかし、須田は俺の性癖までは知らない。「わるかったって」「まぁ、いいけど」「で、あたり?」「今後は俺を合コンには誘うな。これでいいか?」「そういうことね。惚気をありがとう」「分かったなら、早く自分の持ち場に戻れよ」「はいはい。邪魔してわるかった」そういうと、須田は帰って行った。俺はロスした時間を取り戻そうと、再びパソコンに向かった。以前の俺なら、須田の誘いに乗っていただろう。だが、今の俺は涼以外の人に興味が無い。恋は盲目とはよく言ったものだ。仕事が半分ほど片付いた所で、俺はコーヒーを飲みに席を立った。俺の部署では部屋の後ろにコーヒーメーカーが設置されている。本格的なコーヒーがいつでも、好きなだけ飲めることは俺にとってありがたい。俺はコーヒーメーカーにマグカップをセットすると、ボタンを押した。全自動のコーヒーメーカーは、あっという間に美味しいコーヒーを淹れた。そして、俺は淹れたてのコーヒーが入ったマグカップをそっと自分の席まで運んだ。「よし、やるか」俺はコーヒーを一口飲むと、再びパソコンと向き合った。書類を確認しながら、正確な数値を打ち込んでいく。何時間もこの作業を続けているとさすがに目が疲れる。俺はデスクの引き出しから目薬を出すと、両目に一滴ずつさした。ここからラストスパート。もうすぐ定時の鐘が鳴る。迎えた19時。「終わった……」やり切った!!俺は素早く帰り支度を済ませると、同僚に挨拶をし、地下駐車場へと続くエレベーターに乗った。ちょうどその時、スーツのポケットに入れてあるスマートフォンが震えた。俺はすぐに通知を確認した。涼からだった。「仕事お疲れ様。夕飯出来た
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俺の帰る場所

やっと自宅に着いた。時計を確認すると20:00を回った所だった。早く涼に会いたい。俺は急いでエレベーターに乗り込んだ。そして、玄関の前に着いた俺はインターホンを押した。ガチャ玄関の鍵が開く音とともに、エプロン姿の涼が出迎えてくれた。「おかえりなさい、司さん」「ただいま」その笑顔を見ただけで、一日の疲れが吹っ飛んだ。「これ、デザートに食べよう」俺は帰り道で買ったケーキの箱を涼に手渡した。「わぁ!ケーキだ!ありがとう、司さん」「涼の喜ぶ顔が見れてよかった」「そういうことサラッと言わない//」頬を赤らめる涼が愛おしくて、俺はそっと彼の頬に口づけした。「なんでほっぺ?」「美味しそうだったから」「ふーん」すると、今度は涼が俺の唇に軽くキスをした。「美味しそうだったから」「俺じゃなくて、夕飯食べるぞ/」「はーい」「涼の料理なら毎日でも食べたいな」「んはっ、毎日、作りにこよっか?」「それなら涼もここに住むか?」「え?//」俺は涼の表情を見て、自分が言った言葉の意味を悟った。「そんなに照れるなよ」「だって、司さんが同棲しようって言うから//」「そうは言ってない/」「同じことでしょ?」「……まぁ、そうだな」俺は自分の発言の重大さに改めて気づいた。「大丈夫だよ。本気にしてないから。それよりお腹減ったよね。夕飯食べよ」涼は俺に微笑んだ。「そうじゃなくて、」「うん?」「だから、涼が良ければ一緒に住むか?」「ふふっ、司さん、俺に気を遣わなくていいよ」「だから、そうじゃなくて、本気で言ってる」俺は涼を見つめた。「今直ぐにとは言わない。涼にも都合があるだろうから。だけど、仕事から帰ってきた時、涼のただいまが聞けると俺は幸せなんだ。だから、ゆっくり考えてみて」すると、俺の話を黙って聞いていた涼が口を開いた。「考えなくても決まってるよ」と、次の瞬間、涼は俺に抱きついた。「司さんがいいなら、ここに住みたい。仕事の邪魔はしないし、美味しいご飯も作るから」「ほんとにいいのか?」「うん。もちろん」俺は涼を更に強く抱き締めた。もう一生、離すもんか。「司さん、く、くるしい……」「わるい。嬉しくて」「ふふっ、まずは一緒に夕飯食べよう」「そうだな」____________食事を食べ終わった俺は、キッチンで洗い物
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今夜も君に愛される

「おかえり」「ただいま」寝室に入ると、涼がベッドで待っていた。「待ってた。こっち来て」「ん」俺はベッドの縁に腰掛けた。「なんでそんなに離れてるの?」「いや、それは……」すると、涼が俺を後ろから抱き締めた。涼の吐息が耳をくすぐる。俺は堪らず目を閉じた。「ね、していい?」涼の声が耳元で響いた。身体がビクついて声がうまく出せない。「何も言わないってことは、していいってこと?」涼は何も答えない俺の右耳を甘噛みした。「ん……//」俺の口から吐息が漏れる。早く涼に触れて欲しい。「ね、好きだよ。司さん」涼は俺をベッドに押し倒し、唇に優しくキスをした。「俺が答えなくてもしてるだろ//」「嫌だった?」「そんなことはないけど/」涼に触れられて嫌なわけが無い。だけどそれを口に出すのは恥ずかしい。「そうだ、これあげる」涼はベッドサイドに置いてあるラッピングされた箱を開けた。「司さん、あーんして?」俺は涼に言われた通り口を開けた。すると、ほろ苦い俺好みのチョコの味が口いっぱいに広がった。「どう?美味しい?」「美味しい」「疲れた時は甘いものってね」「涼は気が利くな」俺は涼に微笑んだ。「俺もそのチョコ食べたい。いい?」「ああ。もちろん」俺はチョコの箱を涼に差し出した。 「違うよ。司さんから欲しいの。ほらあーんして?」再び、涼にチョコを口の中に入れられた俺は、それを舌を使ってゆっくりと溶かした。「溶けてきた?」「うん」「それなら食べ頃だ」涼は俺の口の中に舌を入れて、チョコを舐め始めた。初めての感触に俺は酔いしれた。 「美味しかった。ご馳走様」「涼///」 「なに?」「なにって……///」俺の言いたいことに気付いているであろう涼が悪戯に微笑んだ。「司さん、寝た?」「起きてる」「やった」すると、涼は俺に抱きついた。こうしている時の涼は甘え上手で可愛い。俺は涼の髪を優しく撫でた。「それ好き」「ん?」「司さんに頭撫でられるの」そういうと、涼は俺の胸に顔を埋めた。 「司さんの匂いだ。落ち着く」「なんだそれ」「ほっとする。香水付けてなくても司さんはいい匂い」涼はわざとらしく、鼻をクンクンとさせた。「くすぐったいっ」「なんで?もっと匂い嗅がせてよ」「もう寝るぞ」「ええ」涼はあからさまに拗ねた
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君との休暇は極上の癒し

目を覚ますと、見慣れない天井が視界に入った。「司さん!」「……涼か」今にも泣き出しそうな表情をした涼が俺の目に映った。ここはどこだ?「司さん、お風呂で倒れたんだよ。先生は過労だろうって。今日一日安静にしてれば退院出来るって」「そうなのか」俺は倒れて、この病院に運ばれたらしい。「って、仕事!!」俺は飛び起きた。すると、左手の点滴が引っかかった。「痛っ、」「司さん、安静にしてないと」 「でも仕事が……」「それなら、俺が司さんのスマホで会社に連絡したよ。今日は休みにしてくれた」「そうだったのか。世話かけたな」「ううん、俺が先に風呂出たのがいけなかった。もっと、司さんの体調を気遣っていればこんなことにはならなかったのに。ごめんなさい」「涼が謝ることはないよ。ここの所、仕事が立て込んでたからな。体調管理が出来てなかった俺の責任だ。だからそんな顔するなよ?」俺は涼の頭を優しく撫でた。「痛いところない?」「ないよ」「ほんとに?」「ほんと」「もう倒れない?」「倒れないから大丈夫」「じゃあ、元気になるまで休んでください」「涼は傍に居てくれるのか?」「もちろん。ずっと傍に居る」そう言いながら、涼は俺の手を強く握った。「会社に連絡してくるよ」「歩ける?そこまで行こうか?」 「大丈夫。すぐそこだから」「わかった。待ってるね」通話ブースは、俺が入院している個室からすぐの所にあった。涼は立ち上がる俺を支えてくれた。さすがにまだ身体がふらつく。「ありがとう」「ううん、ゆっくり歩いてね」「ん、分かった」俺は鞄からスマートフォンを取り出すと、ゆっくりと歩き出した。通話ブースには誰も居なかった。俺は早速、会社に電話を掛けた。三コール目で電話は繋がった。その相手は直属の上司だった。「この度はご迷惑をお掛けして申し訳ございませんでした」「身体は平気なのか?」「はい、先程、意識が戻りまして、今日は念の為に入院することになりました」「そうか……良かった」上司の安堵する声が聞こえた。「入社当初から君をみているが、肝が冷えたよ。君の友人から連絡をもらった時は私も動揺してしまった。君の友人もとても心配していたようだけど、連絡はしたのか?」「はい、今も付き添ってくれています」「それなら安心だな。君にもそういう人ができたって訳だ」
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君との休暇は極上の癒し

やっと、朝が来た。俺はベッドから起き上がり伸びをした。久しぶりによく眠ったお陰なのか、身体のだるさもかなり軽減されている。俺はゆっくり立ち上がると、病室のカーテンを開けた。コンコンコン……「はい」俺は病室のドアに向かって返事をした。「司さん、入るよ」「どうぞ」「身体の調子はどう?」涼は心配そうに俺の顔を覗き込んだ。「もうすっかり良くなった」「でも無理しないでね。退院しても家で休むんだよ」「分かってるよ。涼が俺の世話をしてくれるんだろ?」「ん!もちろん!任せて」涼は笑顔で答えた。「ここに着替え置いておくね。俺は退院の手続きしてくるよ」「ありがとう。その間に準備しておく」「うん!早く家に帰ろう」俺と涼が病院のタクシー乗り場に着くと、既に何台か乗客待ちのタクシーが停車していた。俺たちはそのうちの一台に乗り、帰路についた。ガチャ俺は早速、玄関の鍵を開けた。「ただいま」「おかえり」「んはっ、涼も一緒に帰ってきただろ?」「だって、言いたくなったから……」涼は俺の胸に抱きついた。「寂しかった」「ごめんな。心配かけて」「ううん、俺の方こそ司さんが体調わるいことに気づけなくてごめん」「俺は自分でも無理してることに気づけない。前からの悪い癖。だから、涼はわるくないよ」「それなら、司さんの休暇中はここに泊まってもいい?」 「俺は構わないけど、涼に迷惑かけないか?」「迷惑なんて思わないで。俺が司さんのことを支えたいんだ」「ありがとう」俺は涼に微笑んだ。「そうと決まれば、まずは食事だね。司さん、仕事で帰りが遅いとちゃんとしたもの食べないでしょ?」「それは否定できない」「俺が栄養のあるもの作ってあげる」早速、涼はキッチンへ行き、冷蔵庫を開けた。「お酒とチーズしかないじゃん」「食事は外で済ませることが多いしな」「買い出し行かないと」「それなら、車出すよ」「司さんは退院したばっかりなんだから休んでて」「ひとりで居たくないんだ」俺は涼を後ろから抱き締めた。「それ言われたら離れられない」「一緒に行こ」「分かったよ。司さんには敵わないな」観念した涼の頬に俺はそっとキスをした。____________車を走らせること約10分。近くの大型スーパーに到着した。「ここのスーパーは野菜が新鮮でいいね」「そう
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君との休暇は極上の癒し

家に着くと、涼は俺を有無を言わさずソファーに座らせた。「司さんはここで休んでて」「俺も何か手伝うよ」「いいから。今日くらい俺に甘えて?」「……わかった」「そんな顔しないの、ね?」涼は俺の両頬を軽くつねると額にそっとキスをした。「じゃあ、食材を片付けてくるね。そしたら、昼ごはんにしよう」涼は立ち上がった。俺は咄嗟に涼の腕を掴んだ。「ん?」「早く戻ってきて」「そんな可愛いこと言われたら、俺、キッチンに戻れないんだけど」「なら一緒に行く」俺は涼の目を見つめた。「もう……休んでて欲しいのに」「涼と居た方が俺は休める」「ほんとに?」「ああ」「司さんには敵わないな」「ほら、行こう」微笑む涼と一緒に俺はキッチンへ移動した。「昼ごはんは何作る?」「五目あんかけうどんを作ろうと思ってるよ」「おお!美味しそう」「野菜もたくさん食べてね」「ああ……」 「もしかして、野菜嫌い?」涼は俺の顔を覗き込んだ。 「嫌いじゃないけど、好んで食べない」「それなら、野菜たっぷり入れないとね」「涼、楽しんでるだろ」「うん。だって、楽しいもん」涼は買ってきたばかりの食材を手早く切り始めた。「司さん、そこの人参洗って、皮剥いてくれる?」「わかった」とは言ったものの、料理をしない俺の手つきは見れたものではない。「ふふっ、司さんにも苦手なことがあるんだね」「料理はしなくても生きてこれたからな」「それなら司さんの胃袋を掴むチャンスだ」もうとっくに掴まれてることは、今は秘密にしておこう。「よし、いい感じ。司さん、味見する?」「する」涼は五目あんかけうどんのつゆを小皿によそい、俺に渡した。「熱いから気をつけてね」「ありがとう」俺は出来たてのそれを一口飲んだ。とても温かくて、優しい味付けだった。「どう?」「美味しいよ」「良かった」涼は嬉しそうに微笑んだ。「涼って、料理上手だよな」「でしょ?」「さすが、俺の恋人」俺は自信満々に話す涼の頬にキスをした。 「司さん///」「料理のお礼」「もうっ/司さんの体調が万全だったら、このまま押し倒す所だったよ」「ははっ、それは残念。そんな顔しないで、な?」「はぁ……今日の司さん、可愛すぎる。我慢するのしんどいよ」昼食が完成すると、俺と涼はダイニングテーブルに向かい合っ
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君との休暇は極上の癒し

宿の予約を終えた俺は、早速、旅行の準備を始めた。宿泊先に大体のものは揃っているので、持ち物は着替えくらいと身軽だ。「司さーん、俺の着替えってここ?」 「ああ。クローゼットにないか?」俺は涼の声がする寝室へ向かった。「あった!こっちがいいかな。でも、旅館だからこっちの方がいいかな?」嬉しそうな涼の表情を見て、俺も思わず微笑んだ。「どっちも似合ってるよ」「嬉しいけど、それだと決まらないなぁ。よし、両方持ってく」「うん」「司さん、笑ってるし」「涼が可愛くて」「だって、司さんと初めての旅行だよ!楽しみに決まってる!」俺は涼の頭を優しく撫でた。「あ、パジャマいるかな?」「浴衣着ればいいだろ。」「そっか。司さんの浴衣姿が見れるのか」「涼?どうかしたか?」「司さんの浴衣姿を想像してた」「おい///」「照れてる司さんも可愛いね」すると、涼は俺の頬にキスをした。「今日は早めに寝るか?」「そうだね。明日に備えて」「一緒に入る?」 俺はできるだけ自然に涼に言った。「え、」「やっぱいい/先に入ってくる//」俺は恥ずかしさのあまり、急いで脱衣所に向かおうとした。すると涼が俺の腕を掴んだ。「入る」「うん/」「司さんからお風呂誘ってくれたの初めてだね」「そうだっけ?//」「そうだよ。だから、一瞬、フリーズした」振り返ると、涼が優しい笑みを浮かべていた。その表情に俺は思わず見惚れた。「どうしたの?俺の顔、じっと見て」「なんでもない/」「照れてる。司さん、可愛い」涼は俺を優しく抱き締めた。「風呂入るんだろ?/」「うん、でも少しだけ」俺は涼の背中に腕を回した。涼の傍は落ち着く。この温もりをずっと感じていたい。 そう俺が想うのは、涼ただひとりだ。「前から思ってたけど、司さんの家のお風呂って広いよね。ホテルみたい」涼は湯船に浸かり、くつろぎながら言った。「そこのボタン押してみて」「ここ?」「そう」俺は涼の反応を楽しみにその時を待った。「わぁ!すごっ!ジャグジーだ!」「うん」「司さん、なんで笑ってるの?」「涼の反応が可愛くて」「ねぇ、それより早く司さんも来てよ。俺、逆上せる」「身体流したら入るから」「はやくー」俺は急いで全身に付いた泡をシャワーで洗い流した。「入るぞ」「うん」大人ふたりが
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旅のはじまり

「おはよ、涼。朝だぞ」「司さん、おはよう」「眠い?」「うん。でも起きないと」涼はゆっくりと起き上がり、伸びをした。「今日は楽しみだね」「そうだな」「たくさんゆっくりしようね」「ああ」「司さん、好き」「ん///」「照れてる、可愛い」「おい、からかうな/」「だって、本当の事だから。朝から愛を伝えてただけだよ」涼は楽しそうに笑った。一方、俺は涼のペースに振り回されっぱなしだ。たまには年上の威厳を示したいと思うのだが、涼の方が一枚上手で悔しい。「俺も好き」「ん?なに?」「だから俺も涼が好きだ/満足したなら、シャワー浴びてきて」「はーい」俺の告白を聞いた涼は、満足した様子で足取りも軽やかにバスルームへ向かった。____________「司さん、こっち」「ああ」「これ切符ね」「ありがとう」「ホームはあっちだから」「涼は電車に詳しいな」「俺、電車通学だから」俺は何年ぶりに電車に乗るだろう。ここ数年、移動は車に頼りっぱなしだ。「俺も学生の頃は、電車で通ってたわ」「司さんの学生時代ってどんな感じだったの?」「うーん……電車では読書してることが多かったな」「モテたでしょ?」「まぁ、否定はしない」「分かってても妬くわ」涼はわざとらしく言った。「涼だって、大学でモテるだろ?」「だとしても、司さん以外興味ないから」完璧な答えだ。真のモテ男は涼のことをいうのだろう。「司さん、電車来るって!急ごう!」涼は俺の手を握るとホームまで駆け出した。まるで学生に戻った気分だ。 たまにはそれもわるくない。「席空いててよかったね」「そうだな」俺と涼は並んで座った。今の時刻は午前10時。通勤通学ラッシュが落ち着いた頃なのだろう。俺が辺りを見回していると、涼が俺に問いかけた。「前から聞きたかったのだけど、司さんはスイートルームばっかり泊まるの?」「いや、ここぞって時に泊まる」「ふーん。なるほど」「なんだ?」「俺の時も?」涼は俺の耳元で囁いた。「おい///」「司さん、電車では静かにしないと」この確信犯め。俺は涼の顔を睨んだ。だが、そんなことは気にもとめない様子で、涼は俺に微笑みかけた。「楽しい旅行にしようね」「そうだな」「あとね、司さん。次の駅で降りるよ」「もう着くのか」「話してたらあっという間だった
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ひとを愛するということ

「はぁ……気持ちいい」露天風呂のお湯加減は最高だった。疲れた身体を癒してくれる。貸切なので、気兼ねなく露天風呂を満喫できる。贅沢な時間だ。「涼、もっとこっち来たら?」「う、うん//」いつもなら涼の方から抱きついてくるのに今日は珍しい。俺の呼び掛けに涼は少しづつ距離をつめた。そして、手が届く距離に涼が来たところで、俺は彼の腕を掴んで、自分の方へと引き寄せた。「いつもと逆だな」「今だけね/」「そうなのか?」俺は涼の顔を覗き込んだ。すると、涼は俺の唇にそっとキスをした。「今日の司さんは格好良すぎてずるい」俺は思わず涼を強く抱き締めた。胸の奥から熱いものが込み上げてくる。「司さん?」「……しよ」俺はいつぶりかの言葉を呟いた。「いいの?司さん、体調は?」涼は振り返り、俺に尋ねた。「大丈夫」 「良かった。元気になって」「うん」 俺は涼の肩にそっと口付けした。「司さん、出ようか」「そうだな」涼は立ち上がり、俺に手を差し出した。「足元、滑りやすいから」「ありがとう」俺は涼の手を取った。涼は俺のことを格好いいと言ったが、彼の方こそ格好いい。そして、俺はそんな涼に心底惚れている。部屋に戻ると、俺は浴衣に着替えた。このあと、脱がされることは想定内だが、湯冷めをしたら元も子もない。「司さん、ここ座って」涼は俺を椅子に座らせると、ドライヤーで髪を乾かし始めた。休暇中はほぼ毎日、涼が俺の髪を乾かしてくれている。「髪、サラサラだね。白髪もないし」「おい、俺はまだ若い」「ははっ、そうだね~、まだ若いね~」「涼、俺をからかってる?」「だって、司さんが可愛いから」そういいながら、涼は俺に微笑んだ。この顔を見せられたら俺はなんでも許してしまう。「よし、乾いた」「ありがとう」すると涼は座ってる俺にキスをした。「司さんに、触れるのはいつぶりだろ?」「そんなにしてなかったか?」「うん。俺たちには珍しいくらいしてない」「その節は、心配かけて本当にごめんな」「ううん、司さんが元気ならいい」涼は座っている俺の手を取り、ベッドへと寝かした。「そんなに優しくしなくても俺は平気だぞ」「司さんが良くても俺が優しくしたいの」その言葉通り、涼は俺の頬に優しく触れた。そして、俺の目を見つめこう告げた。「愛してるよ、司さん。
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