*** 廃教会跡、魔力の余波が消える。傷だらけのリオンが呆然と立ち尽くしていた。放出した魔力を閉じ込めるために、神経を集中する。そこへ転移陣が開くと、目の前に団長が現れた。「あーあ、派手にやったな」 「処理完了です」 疲れを滲ませたリオンの声が震える。団長が肩を竦めながら笑いかけた。「疲れが吹き飛ぶ報告をしてやる。真琴殿の記憶が戻ったぞ」 その一言で、リオンの瞳が揺れる。「本当か」 「ああ。お前の名前を呼んだ」 それだけで十分だった。*** 工房の扉が開く。息を切らして帰宅したリオンを見て、真琴が振り向く。今度は他人を見る目じゃなかった。「リオン、おかえりなさい!」 その一言で世界が戻り、リオンの膝が崩れる。今度は戦闘不能じゃない。「……真琴、真琴、真琴!」 声が壊れる。「覚えてるよ」 涙ぐんだ真琴が駆け寄る。「全部」 互いにぎゅっと抱きつく。強く、震えながら。そして泣いた。声を押し殺すこともできず、肩を震わせて。「二度と……二度と奪わせない」 真琴は優しくリオンの背を撫でる。「うん」 頷きながら、小さく笑う。「でもさ、国ごと消し飛ばすのはやめてね?」 少し意地悪に問いかけた真琴を、リオンが涙目のまま睨む。「消していない」 「じゃあ敵の陣地は?」 「当然、更地だ」 でも真琴は知っている。この男は、国よりも先に自分を守る。そしてその重さに、自分はちゃんと向き合うことを。 リオンはまだ泣いている。真琴がそっと額に触れた。「おかえり、僕の騎士様」*** 奥の小さな寝室。泣き止んだはずなのにリオンの肩は、まだわずかに震えている。 上級魔法三重展開のあと、黒魔術師一派を単騎で制圧。国家存亡一歩手前……なのに今は、真琴の膝に頭を預けている。「……すまない」 掠れた声を聞き、真琴は首を横に振った。「迷惑をかけたのは、僕のほうでしょ」 真琴は、指先でゆっくりと金の髪を梳く。「覚えてない間、冷たかったよね。知らない人みたいに」 その言葉に、リオンの指がぴくりと動く。「あれは……」 「うん?」 「……死ぬよりきつかった」 真琴は少しだけ目を丸くする。それから、くすっと笑う。「大げさ」 「本気だ」 唇を突き出して言い放った。そこが副団長。真琴は優しく額を突っつく。「じゃあ今日は、僕が責
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