บททั้งหมดของ 溺愛御曹司の恋愛指南♡ ~初恋女子はお坊っちゃまから愛されすぎる~: บทที่ 21 - บทที่ 30

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もっと近くに Page5

 ――その日の退勤後。会社のビルを出たところで美緒と別れ、駅へ向かって歩いていこうとしていると……。 「若菜ちゃん、お疲れ。家まで送っていくよ。乗って」  寛斗さんの車がすぐ側に停まり、運転席の窓が開いて彼がわたしを呼び留めた。多分、わたしと話したいから「送っていく」なんて言ってくれたのだと思うけれど、思いつきだけでそういうことをしないでほしい。こちらにも心の準備というものが必要なのだ。 「寛斗さん! あ……、お疲れさまです。それじゃ……、助手席に失礼します」  わたしは戸惑いの気持ちを隠し、今日は自分でドアを開けて、助手席に乗り込む。わたしがシートベルトを締めたのを確認してから、彼は車をスタートさせた。 「……若菜ちゃん、今日は急にあんな話をされてビックリしたろ? ごめん」 「いえ……。実はわたし、朝のうちに美緒からそういう話が出てるんだって聞かされてたんです。だから、お話の内容にはそれほど驚きませんでした。ただ、てっきり聞かされるのは荒木部長からだと思ってたので、寛斗さんから直接伝えられたことにビックリしました」 「そっか、藤崎さんから……。確か親友なんだっけ?」 「はい、高校時代からの親友です。大学も就職先も、彼女がわたしに合わせてくれた感じですね。『若菜が行くならあたしも!』って」  大学はともかく、就職活動の時には他に何社も内定をもらったと美緒は言っていた。にもかかわらず、わたしが〈連城ホールディングス〉から内定をもらうのを待って、それらを全部断って
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新天地と試練の日々 Page1

 ――わたしが家に帰ると、先に帰宅していた母が夕飯の支度をして待ってくれていた。今日のメニューはわたしの大好物である煮込みハンバーグだ。 「――お母さん、昨日は話してなかったんだけどね。わたし、寛斗さんとお付き合いしてるの。昨日から」  一緒に食卓を囲みながら、わたしは寛斗さんからもらった勇気を振り絞り、母に打ち明けた。 「あら、そうなの? 若ちゃん、よかったじゃない! おめでとう。でも、どうして昨日のうちに話してくれなかったの?」 「それは……えっと、わたし、男の人と付き合うの初めてじゃない? それで、彼には練習台っていうか……恋愛レッスンをしてもらいたくて、それでお付き合いしてるようなところもあって……。ちょっと動機が不純かもしれないけど」  わたしは母の顔色を窺いながら、どうにか理由を話す。でも、母の顔に怒りの色は見えない。 「うーん、確かに動機は不純かもしれないわねぇ。でも、寛斗さんはそれでいいっておっしゃってるの?」 「うん。むしろ協力的っていうか、彼の方がわたしのこと好きみたいだから。どんな動機でも、わたしと付き合えるのが嬉しいみたいだよ。……わたしも、寛斗さんのこと好きになったみたいだし」 「あら、そうなのね。だったら、始まりがどんなふうであれ、若ちゃんに初めて恋人ができてお母さんも嬉しいわ。ホントによかったわね」 「ありがと、お母さん、わたしね、お母さんに叱られるんじゃないかってビクビクしてて、それで言い出せなかったの。でも喜んでもらえてよかった」  さて、寛斗さんとの交際スタートは母に
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新天地と試練の日々 Page2

「――寛斗さん、おはようございます!」  翌朝、出勤したわたしは会社のビルの一階ロビーで出社してきた彼をつかまえ、自分から声をかけた。普段より五割増しで元気なのは、昨日のキスが照れくさすぎるのをごまかすためだ。  わたしは今日も身支度を頑張った。大人っぽくて色気漂う寛斗さんに釣り合いたくて、スーツに合わせるインナーも少し大人っぽいものを選んだし、メイクもちょっと背伸びをした大人っぽいメイクに挑戦したのだ。 「おはよう、佐々本さん。……昨夜はなんか、ホントにごめん。君を困らせてしまったみたいで。それに、怒らせちゃったかな、とかあの後考えて」  彼は挨拶もそこそこに、わたしに謝った。わたしがあんな状態で車を降りて行ってしまったので、機嫌を損ねてしまったと思っていたみたいだ。 「いえ……、困ってなんかいませんよ。ただ、初めてだったのでどうリアクションしていいか分からなくて。それに怒ってもいませんから」 「ああ、そっか。あれが君のファーストキスだったんだよね。ちょっとがっつきすぎたかなって、反省してる。ホントに、ホントにごめ――」 「だから、もう謝らなくていいですってば」  わたしはまだ謝り続ける彼が何だかおかしくて、ついには吹き出してしまう。この会話が恋人同士っぽい内容なのかそうかは分からないけれど、もしかしたら彼は『付き合ってますオーラ垂れ流し作戦』としてやっているのかもしれない。でも、周りにいる社員のみなさんはわたしたちのじゃれ合いになど関心も持たず、それぞれ自分が働いているオフィスへと急いで行く。 「
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新天地と試練の日々 Page3

 ――二十八階で先にエレベーターを降り、経理部のオフィスに入ったわたしは、挨拶もそこそこに荒木部長に声をかけた。 「おはようございます、部長。――ちょっとお話があるんですけど、今お時間よろしいでしょうか」 「佐々本さん、おはよう。……ああ、あの件かな。じゃあ場所を変えて聞こう」 「はい」  わたしと荒木部長は、同じフロアーにある休憩スペースで話すことになった。ここは仕事の合間やお昼休みに、ドリンクを買いに来るための自動販売機が並んでいるだけの場所である。今は終業前だからなのか、あまり人が来ない。 「――で、あの話だが。どうするかもう決めたんだね」 「はい。わたし、異動のお話をお受けすることに決めました。先ほど、連城部長にもその旨をお伝えしたところです」 「そうか……、もう決めたのか。もっと悩んでくれると思っていたんだがね」  わたしの決意を聞いた部長は、やっぱり何だか淋しそうに見える。でも、それだけ惜しまれているということだろう。 「すみません。ですが、経理の仕事がイヤになったわけじゃないんです。ただ、荒木部長には申し訳ないですけど、連城部長のご期待にお応えしたいっていう自分の気持ちを大事にしたくて」 「いやいや、謝ることはない。昨日も言ったが、君がよく考えたうえで異動を決めたのなら、私は快く送り出すだけだ。新天地でも頑張るんだよ」 「はい。荒木部長、ありがとうございます。まだ辞令が下りるまでは経理部の一員として、精一杯部長の下で務めさせて頂きます」
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新天地と試練の日々 Page4

 ――経営戦略部は名前に〝部〟とあるけれど、部長である寛斗さんも含めて十五人足らずの少数精鋭の部署みたいだ。でも、ここがこの会社を経営するうえでの最先端というか、てっぺんにあたる部署であることに変わりはなく、わたしはそんなすごい部署の一員になったのだと思うと気が引き締まる。そして、何気に入社した時からこの部署に配属されている美緒もすごいのだと改めて知らされる。男女比率は半々、というところだろうか。 「はい、みなさん注目して下さい。経理部より、今日から我が経営戦略部に異動してきた佐々本若菜さんです。今日からこの部署の一員として、新プロジェクトのメンバーに加わってもらうことになりました。……ああ、藤崎さんは親友だから知ってるけど、佐々本さん、一応自己紹介を」  朝のミーティングの時間を使って、寛斗さんがみなさんにわたしのことを簡単に紹介してくれた。そして彼に促されたわたしは、自分からも自己紹介をする。まるで転入生みたいだ。 ちなみにデスクは美緒の隣で、寛斗さんのデスクとも近い。私物はあてがわれたそのデスクにすでに置かせてもらっている。 「美緒と連城部長以外の人は、初めましてだと思いますが……。経理部から転属してきました、佐々本若菜です。美緒とは高校の頃からの親友で同期入社ですが、ここがどんな部署なのかは今日初めて知りました。学生時代から数字に強いので、プロジェクトにかかる経費や生み出される利益の試算などでお役に立てると思いますのでよろしくお願いします」  ひと通りの自己紹介を終えて頭を下げると、全員からの拍手の後に一人の女性がわたしのところへやってきた。出るところは出まくり、ウエストはくびれ、これでもかと色香をまき散らしているこの女性こそ野田美咲さんだろう。近づいてくるとセクシー系の香水の
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新天地と試練の日々 Page5

 わたしが野田さんから言われたセリフをそのまま伝えると、寛斗さんは「はぁー……」と大きなため息をついた。 「別に君は調子に乗ってなんかいないのにな。彼女の言うことはいちいち気にしない方がいい。あまりにも気に障るようだったら俺に相談して。直接、彼女に話すから。『新人さんをいじめるようなことはやめてくれ。これは部長命令だ』って」 「はい。ありがとうございます。あと、彼女のあのキツい香水の匂いもどうにかならないんですかね? あれ、ホントに気分悪くて」 「分かるよ、あれは立派なスメハラだよなぁ。そのことも合わせて彼女に注意しておくから。職場に香水をつけてくるなとは言わないけど、あくまで常識の範囲内にしてほしいよな」 「はい……」  スメハラ、つまりスメルハラスメントって本当にあるんだなぁ。何でもかんでもハラスメントと言ってしまうのも違う気がするけれど、あれだけ匂うと立派な嫌がらせのレベルだ。多分、この部署にいる他の人たち(美緒も含めて)も迷惑しているんじゃないだろうか。     * * * *  「――そういえば、佐々本さんって四月が誕生日だったよな。確か四月六日」 「はい、そうですけど……」  お昼休みにお弁当を持って、美緒と一緒に社食へ行こうとしていたわたしは寛斗さんに呼び留められた。それも、いきなりわたしの誕生日の話なんて。これはどういう展開なんだろう? わたしは美緒に「ごめん、先に行ってて」と彼女と一旦別れ、ご自身のカバンから何かを取り出そ
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新天地と試練の日々 Page6

「――お待たせ、美緒」  社員食堂へ入ると、彼女は先に来て豚の冷しゃぶ定食を食べていた。向かいの席に腰を下ろし、お弁当を開いていると、美緒が何やら鼻をクンクンしている。 「……若菜、あんたコロンなんかつけてたっけ? なんかいい香りするけど」 「あー。さっきね、寛斗さんからプレゼントされたの。遅くなったけど、誕生日プレゼントだって。柑橘系のいい香りでしょ?」  わたしは彼女に答え、お弁当を食べ始めた。今日はオムライスと、おかずには唐揚げやミートボール、そしてスパゲティサラダが入っている。 「うん、確かにいい香り。でもさぁ、あんた香水とかの匂いって苦手じゃなかった? 朝だって野田さんの香水がキツいってしかめっ面してたじゃん」 「それはそれ、これはこれ、よ。寛斗さんがプレゼントをくれただけでも、わたしは嬉しかったんだから」 「……ふーん? っていうかさ、若菜って連城部長から恋愛レッスン受けてるんだよね? じゃあ、これも試されたんじゃないの?」 「試されたって、何を?」 「もらって迷惑なプレゼントをした時のリアクション、とか。部長はあんたが突っ返すかどうかを見たかったんじゃない?」 「……う〜ん、違うと思うなぁ。っていうか、寛斗さんはわたしが香水が苦手だって知らなかったと思うよ。だからきっと偶然だよ、偶然」  彼はプレゼントのコロンを前もって用意していたみたいだった。そして、わたしが香水の匂いを苦手だと知ったのは今朝のことだ。だから偶然を利用して、とっさの思いつきでわたしを試すのはちょっとムリがあると思う。 「うー……、そっか。でも、迷惑がられると思って
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カミングアウトと初めての大きな仕事 Page1

 ――お昼休みが終わる少し前にオフィスに戻ると、何とも間の悪いことに先に戻っていた野田さんと出くわしてしまった。 「……お、つかれさまです、野田さん」 「あら、美咲でいいわよ。……ん? 佐々本さん、あなた香水なんてつけてた? 苦手だって言ってたよねぇ?」  わたしのコロンの匂いを敏感に嗅ぎつけた美咲さんは、イヤミったらしく指摘してきた。やっぱり、こっちがこの人の本性みたいだ。 お昼ゴハンを食べ終わった後、わたしは美緒からコロンの使い方を女子トイレでレクチャーされた。耳の裏や胸元にも少しつけるといいよ、と。 「これは寛斗さ……じゃなかった、連城部長からお昼休みに入ってすぐ頂いたんです。少し遅くなったけど誕生日プレゼントだ、って。それに、この香りなら職場でつけてても迷惑にならないから、って香りの種類まで選んで下さってたんです」 「へぇ~、『寛斗さん』ねぇ。……佐々本さん、あなたは連城部長にとってどういう存在なの?」  わたしの言い間違いをあげつらい、彼女は揚げ足を取ってくる。でも、原因はきっとそれだけじゃないはずだ。きっと自分は寛斗さんからプレゼントなんてもらったことがないのに、わたしにはくれたという事実が気に入らないのだろう。 「……ええと、それは……」  この二週間くらい、わたしはともかく寛斗さんは社内で散々わたしと『付き合ってますオーラ』を垂れ流してきていたはずなのに、美咲さんはまるで気づいていない。そんな彼女に、わたしの口からいっそ「彼とお付き合いしています」とカミングアウトしてしまってはいけないだろうか? いや、その後に彼女から何をされるか分か
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カミングアウトと初めての大きな仕事 Page2

「…………」  それって本当だろうか。どこかに公私混同の気持ちはないですかと、わたしまでついつい疑ってしまう。それが思いっきり顔に出てしまっていたのか、寛斗さんはわたしに苦笑いする。 「ホントだって! 仕事とプライベートは別だから! 俺は仕事にプライベートを持ち込むような人間じゃないって。信じてほしい」 「……分かりました。信じましょう」 「…………それにしても意外ですね。連城部長ともあろうお方が、こんな地味な子とお付き合いしてるなんて。絶対に私の方が部長と釣り合うはずなのに」  美咲さんってどこまで自信過剰なんだろう。これだけ相手にされていないのに、まだ自分の方が寛斗さんと釣り合うとか言えてしまうなんて。その自信はどこから湧いてくるの? というか、余っているなら少しはわたしに分けてほしい……。 「佐々本さんは地味なんかじゃないよ。まぁ、君みたいに派手でもないけど。今、自分を変えようって努力してるところなんだ。服装だってメイクだって、前よりずっと大人っぽくなってるし。何よりキラキラしてる。内面から磨かれてる証拠だよ」 「え……、そうですか? ありがとうございます」  彼がわたしの努力を認めてくれるから、わたしも「頑張ろう」と思えるのだ。それは多分、恋愛面だけじゃなくて仕事にも言えること。ここでの仕事でも、寛斗さんから認めてもらえるようになりたいなぁ。     * * * *  「えー、ではみんな揃ったところで、佐々本さんにもこのプロジェクトの
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