―――ガンッ!!「――うぐッ!?」殴られた頬に鈍い痛みが走る。 先程胸を蹴られた時から胸にも痛みが走る。あばらの一、二本は既に折れているだろうと思う。 『おい。程々にしておけよ。そいつはまだ使う駒なんだ』 『解ってっけどよー。なんつーか、俺達が家を追い出されてる間に、こいつがのうのうと幸せに暮らしてたかと思うと腹立って仕方ねーんだよ、なっ!』ガスッ!…痛いなぁ。 殴られる経験って一般的にそうないと思うんだけど、男に殴られるってこんなに痛いんだ。 「…はぁ」 ゆっくりと息を吐いて痛みを逃す。 殴られると思う度に、昔佳織さんが言っていた事を思い出す。 【どうしようもない理由があって殴られそうになった時は全身に力を入れて耐えなさい。そして反撃のタイミングを待つ。相手は絶対に力を抜く瞬間があるから、そこを一気に一撃で仕留めなさい】 急所は狙う為にあるのよっ! と堂々と教えられた時、美鈴ちゃんと華菜ちゃんはうんうん!と真剣に頷いていたけれど、僕は正直どう言う顔をしたらいいか解らなかった、な。 何時使うのその知識と思ってはいたけれど、…うん。本当に役立つ時が来るんだからビックリだよね。 『ちっ、こんだけ殴ってんのに顔色一つ変えないって。相変わらず気持ち悪い奴だぜ』 『顔だけは女みたいな癖にな』 僕を殴るだけ殴って互いに笑い合っている二人を見ていると、この従弟共は全く変わってないんだなとしみじみ思う。 …昔の僕だったら。 美鈴ちゃんに助けられずにあのままお祖母様を刺してしまっていたとしたら。 僕はこいつらのこんな小さな言葉にも傷つき苦しみ、そしてもしかしたらこの命すらいらないとまで思ってしまっていただろう。 【そんなのは許さないからねっ!私の目が黒い内は絶対に許さないからっ!】 脳内の美鈴ちゃんが激を飛ばしてくれる。美鈴ちゃんの目の色は黒じゃないのにと突っ込みをいれたくなる。 美鈴ちゃん、心配してるだろうなぁ。 鴇兄達も絶対心配してくれてるだろうし…。 そろそろ脱出の為に動かないとなぁ。 腕と足は縛られてるけど、殴られて体が地面に擦れる度に縛られた縄を緩めてる。取れるまでもう少し。 体が自由になるまでもう少し。どちらかと言えば、問題はここが何処かって事だ。 意識を失わされた間に連れて来られたとは言え、【僕(FIコンツェル
Baca selengkapnya