Semua Bab 乙女ゲームのヒロインに転生しました。でも私、男性恐怖症なんですけど…。外伝!: Bab 121 - Bab 130

157 Bab

第三十二話⑥ ※※※

あれから一ヶ月が経過した。私は今、華菜ちゃんと逢坂くんの三人でテレビの前に待機している。本当は空良くんの様子を見つつ、静かに田舎に帰ろうかとも思ってたんだけど、奏輔お兄ちゃんがしっかりと鴇お兄ちゃん達と情報共有をしてくれたおかげで私は今も尚ここでこうしている。そして、何で私達がテレビの前にいるかと言うと。奏輔お兄ちゃんが、『結構良い感じに仕上がった。空良があんなにやる気に満ちた姿はレアやで』って言うので、これは見なきゃとなりこうして待機している訳です。アイドル番組とかあんまり見ないけど、これは対抗戦らしいので普通のアイドル番組とはちょっと違うっぽい。男子の部、女子の部で別れていて、その中でも競う競技が別れている。ダンス、演技力、トーク力、あとは歌とか。他にも様々な部門があるらしい。アイドル個人の実力を魅せる場、って奴みたい。女子の部にはユメも出るらしくて、全力で応援する為にスピーカーを購入しましたっ!だってちゃんと聞きたいじゃないっ!もしも、ユメの番の時少しでも機材故障とかされたら私ユメのモンペになる自信がある!即クレーム出しちゃうっ!……いや、しないけどね。クレームの対応って本当大変なんだよ…、本当に大変で…。「美鈴ちゃん?」「クレーム対応って地獄だよね…」「いきなりどうした、白鳥。目が虚ろだぞ?」「うへへへへ…」「駄目だな、こりゃ」どう言う意味かしら、逢坂くん?すっかりこの前、白鳥財閥店舗に視察に行った時、クレームオジサンに遭遇してバイトの女子高生が責められて彼女の代わりにクレーム対応したのを思い出しちゃったよ。えっと、なんだっけ。そうそうアイドルの対抗番組の話だよね。あー、っと?誰が何に出場するんだっけ?確か、ユメと空良くん、それからあの女子アイドル二人は歌の部。陸実くんはダンス、それから海里くんは演技の部、だったかな?そういえば審査の方法をちゃんと見てなかったっけ?テレビを見ると番組が始まり、審査員の紹介と審査の説明をしている。審査員には各十点ずつ持ち票があるのか。で投票点数が一番多い人が優勝。審査員には有名事務所の社長とか番組のスポンサー、後はアイドルでデビューして今はマルチタレントとして活躍している人とかがいるみたい。勿論その道のプロ的な人も一人いて、更には視聴者も得票数に入るようだ。視聴者票が一番多い
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外伝小話 年下組ルート編 赤猿は気付く

今日の収録は、山の八合目にある茶屋へ行っての食レポ収録。 アイドルの大会での宣言通り、オレは糸目と垂れ目…じゃなくってシュンとムクの三人で良く同じ番組に出演するようになった。 「………ぜー…はー…おま、マジかよ…」 「なんで、よりにも、よって、この番組選ぶ、んだよ」 「えっ?だってハイキングだぞっ?楽しいだろっ?」 「それはお前だけだってのっ、この体力バカっ」 「しかも、これは、ハイキングじゃなくて山登りって言うんだよ、馬鹿っ」 滅茶苦茶バカバカ言われた。 いや、オレが馬鹿だって事はちゃんと自覚はしてるんだぜ? けど、そんなに連呼しなくても良くね? 「ちょ、っと、マジで、休憩させろ」 「もう少し行けば、休憩茶屋あるらしいからそこまで頑張れっ」 「マジかー…」 二人のアイドルの先輩の背中を押して、山道を歩く。 オレ的にはまだ、何なら走れるくらいには体力残ってるんだけどな。 休憩茶屋に何とか辿り着いて、二人は店の中の座敷席に真っ直ぐ向かって行って、倒れた。 「陸実。ほら、茶と団子。あいつらに持ってってやれー」 「師匠。サンキュー」 師匠がお茶と団子をお盆に乗せてくれたから、それを持ってオレも座敷席に上がった。 テーブルの上にお盆を置いて、どっかりと座りこむ。 「ほら、シュンもムクも。ぐったりしてないで食えって」 「食えるかっ」 「シュン。今更遅いかも知れないけど、一応サブカメラ回ってる事思い出せ」 「いや、マジでもう無理だって。陸実と一緒にするな」 「まぁ、どうせここは使われないだろうけどな」 とか言いながらも二人はもそもそと動き出し、壁に背を預けてお茶を持った。 「食レポだけはしとかないとな」 「おら、陸実も笑え」 「おうっ」 メインカメラが動いた途端、アイドルな笑顔を使うこいつらは本当にプロだと思う。 そして、食った団子。みたらし団子だったんだけど、滅茶苦茶美味かった。 食レポ、収録終わり、二人からまた力が抜けきった。 「陸実。ほら、これ」 「え?何ですか?」 「姫ちゃんから差し入れのお握り」 「やったっ!」 ぽいぽいっと投げられた三個のお握りをしっかりキャッチして、さっき渡されたお茶をお代わりして美鈴センパイ手作りのお握りを早速食べる。 「お前、良く食えるな」 「ふぉーふぇふか?」 「
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外伝小話 年下組ルート編 青猿は知る

「お前がッ、いつまでもそんなんだからッ、アイツが傷つくんだろうがっ!」 「分かってるよっ!……教えてくれよ。そこまで言うんだったら、教えてくれよッ。どうしたらアイツを守ってやれる?何をしたら…アイツを笑わせてやれるんだよっ!」 「言えば良いだろうがっ!好きだってッ!」 「言ってるんだよっ!何度も何度もっ!それこそアイツを好きだと気付いたランドセル背負ったガキの頃からっ!」 「なっ!?……マジかよ」「ハイ、カーット!!」監督の声が聞こえてボクとカンさん、二人で肩の力を抜く。 「これで今日の俺達の出番は終わりか?」 「恐らく?」 視線を監督のずっと後方にいる透馬兄に送ると、手でOKを作っている。 うん、あがって大丈夫そう。 「大丈夫そうだな。で?今日の読み合わせはお前の部屋でいいか?」 「はいっ」 ボク達は着替える為に楽屋へと戻った。 「俺は電話してから行くから先帰って待ってろ」 「解りました」 カンさんは帰る前にいつも娘さん達と奥さんに電話をしてから帰る。 それを知っているからボクは素直に先に家に帰る事にした。 勿論、透馬兄の送迎でだけど。 寮に到着して、自室へ帰る。陸は、SFの二人の所か。いつの間にあんなに意気投合したんだろう? アイドル対抗戦前にはバチバチ火花散らしてたのに。空は…確か今日は泊まりの収録だっけ? 手早く部屋着に着替えて、えっと台本と、あと簡単なおつまみ作っておこう。 カンさん、多分飲むだろうし。…見た目に騙されがちだけど、お酒飲んでる姿みたりすると…。 「立派なおっさん」 「……誰が立派なおっさんだ、こら」 「あれ?カンさん。もうお帰りに?」 「笑って誤魔化してんじゃねーぞ…おっ?今日のつまみも旨そうだな」 「鈴先輩直伝簡単おつまみなんで。絶対美味しいですっ!」 ミネラルウォーターを冷蔵庫から取り出して。 ボクはそれを飲みながら、カンさんはお酒を飲みながら。 次の収録の為の打ち合わせをする。読み合わせを続けていくと、カンさんが少し休憩と言うのでボクも作ったおつまみを食べた。 「おい、海里。テレビつけるぞ」 「いいですよー」 ボクが許可を出そうが出すまいがテレビをつけるカンさん。『では次のニュースです』時間的にニュースが流れる時間だったみたいだ。 ボク達はぼーっとニュースを眺め
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外伝小話 年下組ルート編 緑猿は叫ぶ

アイドル対抗番組の出演者控室。 そこでおれ達は待機していた。 絶対負けられない対決。 「悔しいっ!」 「滅茶苦茶悔しいっ!」 負けられない対決なのに、二人が負けて帰って来た事におれはちょっと不機嫌になっていた。 「………負けられないのに」 「空?どうかした?」 「………なんでもない。…ちょっと気分転換してくる」 言っておれは控室を出た。 何か飲みものでも買ってこようかな。 そう言えば、奏輔様達、何処に行ったんだろう? さっき出番まで待機って言ってどっかに行っちゃったんだよね。 自販機はこの通路を右に曲がった所、だったはず。 と思って、角を曲がろうとしたけれど、話し声が聞こえておれは足を止めた。 「……いたか?」 「こっちにはおらへんかった」 「あっちも見て来たけどいなかったよー。透馬はー?」 「いなかった。…くそっ。折角鴇が寄越した情報だってのにっ」 「どこかのスタジオに入ってたら厄介やで」 「とにかくもう一度探ってこよー」 「だな。けど、奏輔。お前はもう一度控室に行ってあいつらの様子見て来い」 「……了解」 また急ぎ足で解散するのを見て、おれは戻るべきかと振り返る。 「……何をしてるんですー?」 「ッ!?!?」 思わず飛び跳ねた。 いつの間に背後に立ってたんだっ!? こんなに美形で金髪の男の人がいて誰も騒がない訳ないっ。怪し過ぎるっ。 おれは慌てて距離を取る。 だけど、そんな距離なんて何の意味もなさず、一気に距離は詰められて男はおれの真ん前に立って、二つ折の紙を渡して来た。 「…うん。パラメータはちゃんとMAXになってるね。これなら歌える筈だよ。流石美鈴だ」 「えっ?」 「この歌には、『力』が込められている。今の君になら歌いこなせる筈だ。この歌は『君』にしか歌えない歌だよ」 意味が解らないっ。 詳しく聞こうと声を出そうとしたけれど、おれはどんなに頑張っても声を発する事が出来ず、金髪の男性は姿を消した。 言葉の通り、姿を消したのだ。目の前で。 おれは幻でも見てたんだろうか…? 目を擦ってみたけれど、やっぱりそこに男はいなくて、でも手にはいた形跡があって。 …意味は解らないけど、楽譜を見てみるか。 そこには見
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外伝小話 四聖と四従士編 円と犬太のデート(高校時代)

おかしな所は…ないよな? 鏡の前で自分の姿を入念に確認する。 いつもならこんなに気にしたりはしないけど。今日は、ケンと正式に付き合ってから初めてのデートだから。 やっぱり、可愛いとは言われないまでも、ケンが喜ぶ恰好をしたい。 スカンツにスクエアネックのTシャツ。髪は三つ編みをして横に流す形でシュシュでくくる。ショルダーバックを持って…良し。準備オッケ。 「母さん。出掛けてくる」 「デート?」 自分の部屋を出ると、すぐにリビングになるのがマンションの嫌な所。母さんが煎餅をバリバリ食べながらにやりとこっちを見て笑っている。 「そうだよ。デートだよ」 「ふぅん。お土産よろしく」 「はいはい」 デートでお土産って何買って行ったらいいんだよ。毎回悩むんだよね、それ。 インヒールのスニーカーを履いて、行って来ますと家を出る。 待ち合わせ場所は、駅の東口。今の時間は…余裕はありそうだけど…待たせたくないし。少し急ごう。 どうせならケンより早くついて待っててあげたいし。 腕時計で時刻を確認して、少し早足で歩く。 アタシの家は駅までそんなに遠くないから、結構早くに到着した。 ざっと見る限りまだいないみたいだし…駅中のカフェでカフェオレでも買って来ようかな。 カフェに入って、定番のカフェオレを頼んで。お客もそういなかったから直ぐに出来上がったので受け取って待ち合わせ場所に戻る。 壁に背を預けてストローでカフェオレを飲みながら、スマホを取りだしてメールの確認。 王子がスマホを持ってから、毎日の様にグループメールのやりとりが続いている。なんてことのない日常の会話なんだけど…これが見ているだけでも楽しい。 前のアタシだったらこんなの馬鹿らしいって思っただろうな。王子って言う存在を知るまでは、自分にこんなに友達が出来るなんて、彼氏が出来るなんて思いもしなかった。 知らず笑みが浮かぶのはきっと今が滅茶苦茶楽しくて幸せだからだろうなぁ。 メールアプリに意識を戻す。『王子:今日は天気が良いよね~。洗濯物が良く乾くよ~』 『華菜:美鈴ちゃん。こう言う時はデート日和って言おうよ』 『王子:え?だってデートする相手いないし。必要もないし。これから家で勉強するし』 ワクワクしている白猫のスタンプ。 『桃:王子?今日は白鳥主催のパーティでは?』 『王
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外伝小話 四聖と四従士編 桃と巳華院のデート(高校時代)

「ハニー。すまない。折角のデートの日を…」 「いいえ。ダーリン。私はダーリンといられるだけで幸せですから…」 あぁっ、素敵ですわっ!綺麗様の横顔っ!そして、その美しい顔から続く首筋。素敵過ぎですわっ! 私達の今日の予定は本来ショッピングデートの筈でした。ですが、急遽お義母様からパーティへの出席を頼まれ、こうしてパーティ会場に来ている訳です。 「ダーリン。今日はダーリンに合わせて洋装にしてみたのですが…おかしくありませんか?」 「おかしくなんてっ。ハニーは和装でもまるで百合の花のような上品な美しさがあるけれど、今日の洋装はデイジーのような可愛さが溢れているよ」 「う、嬉しいですわっ!ダーリンもいつも以上に筋肉が美しくて、直視出来ませんわっ!きゃっ!」 「ハニーっ」 「ダーリンっ」 ひしっ。 抱きしめ合うって幸せですわっ! 特に腕の筋肉と胸の筋肉が…。 「………ねえ、樹先輩」 「俺に聞くな」 「聞ける人が今樹先輩しかいないんだから、覚悟決めて聞いて下さい。ねぇ、あの二人に話かけるタイミングっていつなのかな?」 「だから、俺に聞くなって。それが解るなら、俺達は今こうしてタイミングを見計らってないだろ」 あら?あらあらあら? 今、王子の声がしたような気が…? ちょっと名残惜しく感じながらもダーリンから目を離して、王子の姿を探す。 すると、王子は思いの外近くにいた。と言うより既に真横にいた。 「こんにちわ。王子」 「ふふっ。御機嫌よう。桃」 私以上にドレスを着こなした王子と、少しおふざけを込めつつドレスの裾を持って挨拶しあう。 「今日は樹先輩のエスコートですの?」 「あー…うん。不本意ながら。今日のパーティ主催者ってほら、桃も知ってるだろうけど」 王子が口ごもる。けれど私もその理由は理解しているから口元を手で隠しつつも苦笑する。 今日のパーティの主催者は、お見合いオバサンと言われている位、若者同士を問答無用でくっつけるのが大好きな金持ち道楽社長なのだ。 エスコートしてくれる仲の良い異性を連れて行かないと、自分の会社に関係する人間を連れて来てお見合いをさせたがる。 社長より権威が下の人間は、良くとればお見合いおばさん。社長より権威が上の人間は、悪くとって政略結婚ばら撒き女、って所でしょうか。本当に…。 「本当無駄に権力
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外伝小話 四聖と四従士編 愛奈と虎太郎のデート(高校時代)

お財布持ったし携帯もある。最悪何か忘れてたらコタに取りに来て貰えば良いし。 別に部屋に入られてもコタに見られて困るものはない…よね? よし。じゃあ、早速待ち合わせの場所に向かおう。 お父さんもお母さんももう仕事に行ってるから、しっかりと家の鍵を閉めて、マンションのエレベーターに乗りこんで到着を待つ。 3…2……1…ん。着いた。 ドアが開き、足早にマンションを出る。 時間は、十時。うん。待ち合わせ時間ぴったり。 「お待たせ」 私がそれだけを誰もいない目の前に呟くと、 「時間ピッタリでござる。待ってないでござるよ」 空からコタが降ってきた。 その姿に私は一瞬フリーズしてしまった。 「婿?その恰好は一体?」 「?、嫁に合わせたつもりでござったが…何処か可笑しいでござるか?」 おかしい所か…滅多にないカジュアル姿で…顔は流石に抵抗があるのかマスクと深い帽子で隠れてるけど…。 ジャケットにシャツ、細身スタイルのデニムパンツ。…そう言えばコタはイケメンの部類だった…忘れてたけど。 「嫁?」 「…大丈夫。おかしくない。…私は、どう?」 コタの隣に立っている自信がなくなってしまって思わず問いかけてしまう。 するとコタは唯一現れている顔の一部である目だけで優しく微笑んで、 「大丈夫。嫁はいつも綺麗でござるよ。綺麗で可愛い。誰が見てもそう言うでござる」 そう言ってくれた。ミニスカートなんて履いた事なかったけど、似合うって言って貰えたなら良かった。でも…。 「他の誰かに褒められても嬉しくない。私は婿に褒められればそれで良い。ありがと、婿。可愛いって言ってくれて」 真正面からは言えないから、ついつい俯いてしまうけど。伝えたい事は伝えないと。 「……」 何で黙るのよ。…ちょっとだけ、ちょっとだけコタの顔をちら見、ってあれ?コタ?どうしたの?顔を両手で隠してる? 「か」 「か?」 「可愛過ぎるでござるぅぅぅぅぅっ!!」 「む、婿?」 「耐え切れないでござるっ!!嫁ぇっ!!」 「わっ!?な、なにっ!?」 「い、一分だけ待ってて欲しいでござるっ!!」 「え?一分、って、えっ!?婿っ!?」 婿の姿が消えたっ!? ど、何処行ったのっ!? あ。戻って来た。肩で息してるんだけど。生きてる? 「嫁の可愛さに耐え切れなくなったんで走っ
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外伝小話 四聖と四従士編 夢子と未のデート(高校時代)

「えっと…あっ、まーくんっ!あそこの店に入っても良いっ?」夢芽が嬉しそうに私の手を取り、立ち並ぶショッピングモールのテナントを一つ指さした。私は夢芽といられれば、それだけで幸せだからただ頷く。とは言え、あの店は少しハードルが高い…?ブティックや雑貨屋なら普通に入れるが、あそこは…。「あ、勿論、あそこは私だけで行ってくるよっ。ランジェリー専門店だもんね。ごめんね、直ぐ戻って来るからっ。…まーくんが好きそうなの選んでくるねっ」「なっ!?」にぃんまり…。夢芽。悪役の笑い方だ、それは。「まーくんが照れるの可愛いから私好き」…私が照れてるなんて解るのは夢芽くらいだろう。だが、一つ言わせて貰うなら。ぐいっ。「えっ?」引かれていた手を逆に引っ張って夢芽を自分の胸へと引き寄せて抱きしめる。「ま、まーくんっ?」「私も、私の腕の中で顔を真っ赤にして照れる夢芽が好きだよ」ぼんっ。ははっ、夢芽の顔真っ赤だ。可愛い。「も、もうっ、まーくんったら」ポスポスと夢芽が私の胸を叩くが全然痛くない。むしろ可愛い。夢芽の可愛さを堪能していると、横に人の気配がした。「…………道の真ん中で何してるんだ?夢姉…」「陸実くんっ!しっ!折角ユメが可愛い顔してるんだからっ!写真撮ってからにしてっ!」「いや。美鈴センパイ。オレに隠れてる風にしても無駄だと思うぞ。滅茶苦茶バレバレ」「大丈夫っ。さっと撮ってさっと立ち去るからっ」「いやいやいやっ、そもそも友達のデートを隠し撮りってっ」「だって、だって可愛いんだもんっ!私のユメ可愛いのーっ!」「白鳥。夢芽は白鳥のモノではなく私のモノだ」二人の言い合いに割り込み主張だけはしっかりとしておく。「うぅぅーっ…王子と彼氏に取り合われるとか、幸せー…」「夢姉。帰ってこい。弟として色々心配過ぎる」「……例え愚弟の声が聞こえても私幸せー」「おおーいっ!夢姉っ!さっくりディスってるぞーっ!」夢芽の弟が叫んでいる。それに対して夢芽はこっそりと笑っていた。多分、抱き締めてる私にしか解らないだろうが。「うんっ。堪能したっ。それで?どうして王子と陸がここにいるの?」「私が誘ったの。私の渡したテストで陸実くんだけがボーダーライン越せなかったので、これから参考書を買いに行くの。……ね?」キランッ。……成程。白鳥がご立腹なのは理
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外伝第七章 第三十三話① 兎の涙は報われる?彼の心を奪還せよっ!(花島優兎編)

※ 外伝第二章 御曹司ルートの第三十二話から続くお話です。ルート割れしておりますのでお気をつけてお読みください。「これっ、絶対に死ぬ奴じゃなああああああいっ!!」 全力で叫んだ所で状況は変わらないのよーっ!! 落下してますっ!落下してるんですよーっ! 一先ず気味の悪いクローンは体から引きはがして、蹴り飛ばす。 私が離れてもあっちが離れても問題はない。恐怖から離れられるならそれでいい。 発狂する前に離れられてホッとしつつ考える。 何を考えてるかって?勿論、生存方法である。 そもそもさぁー。ヘリから落ちるなんて体験普通にする人いなくなーい?いたとしても少数派だよねー。 「私落下経験多いよねー。その度に皆に助けて貰ってるけどさー。そろそろ自力でどうにかする術を覚えるべき?」 落下中だけど、空中で正座しつつ考える。 「美鈴ちゃんっ!!」 「へっ!?」 頭上から声が響いた。 ちょっと待ってっ!なんでっ!? 「優兎くんっ!?」 「美鈴ちゃんっ!手をっ!って、何で正座してるのっ!?落ち着き過ぎでしょうっ!?」 手を伸ばせと再度言われたので私は手を伸ばす。 すると優兎くんは私の手を取り、ぐっと自分を私の側に寄せて来た。 先に下に落ちてるのは私だからね。そこは優兎くんの方が体を寄せなきゃ追い付けない。 「何で優兎くんまで落ちて来てんの?」 「何でってっ、ほらっ」 優兎くんが指さした場所を見上げると、そこには落下しているヘリと落下している樹先輩と猪塚先輩が。 「もしかしてあっちもクローンが?」 「そう言う事。ただあっちは僕達三人しか乗ってなかったから、争った上でこうなったよ」 こう?とは、どう言う事? と問う前に、優兎くんが答えをくれた。 私の腰に手を回して、がっちりと捕まえてくれると、バンッと布の開く音が聞こえて体が上へと引っ張られた。 「もしかして、パラシュート?」 「その通り。暫く風に流されるだろうけど」 「それはまぁ仕方ないよ。命があるだけ恩の字ってね。ゆらゆら流されようよ」 「美鈴ちゃんってそう言うとこ、変に肝が据わってるよね」 「ふみー?」 「…まぁ、美鈴ちゃんだもんね。美鈴ちゃんも僕にちゃんと捕まっといてね。僕も離すつもりはないけど」 「了
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第三十三話② ※※※

船の中。 シャワーを手早く浴びて 落下してからの一連の流れを説明したら。ヒョオオオオオオ…。羅刹の風が吹き荒れていた。 何故って?「…うちの可愛い子を誘拐した罪は重いわ」 「…そうだね。私の旦那さんの親友を誘拐して、何より私の親友を銃で撃って蹴り飛ばした…?万死に値するわ」 「まぁ、花崎さんったら。…でも、私もお付き合いしますわ」 「「「ほほほほほほ…」」」と言う事である。 後ろでお兄ちゃん達も怒っている。 樹先輩と猪塚先輩もどうやら攫われたらしいけど、そっちは…まぁ、あの二人だ。どうにかなる。 でも、優兎くんは違う。 優兎くんは、弱い所があるから。 「それで?美鈴。どうするつもりだ?」 「どうするって、当然取り返しに行くよ」 「犯人は仮面を付けていると言っていたが、お前の事だ。目星は付いているんだろ?」 「付いてると言うか、もう解ってる。自分でそれを言っていたからね。…売られた喧嘩は買うのよ」 「…成程?ならその喧嘩に絶対勝てるように、武器を持つ必要があるな。……必要か?」 言って鴇お兄ちゃんが取り出したのは、スマホである。しかもそれは…。 「必要だね」 「なら直ぐに名義を変更してやろう」 「ありがとう」 そのスマホは鴇お兄ちゃんが管理している私の【仕事用】のスマホ。 鴇お兄ちゃんはそれを手早く操作して、電話で指示を出した。 それに気付いた双子のお兄ちゃん達も動き出す。 そっちに関してはお兄ちゃん達に任せ、私達は優兎くんの居場所を捜索する事にする。 「華菜ちゃん。これを」 「……んんー?」 華菜ちゃんの手に私はもう一方のイヤリングを乗せた。 何も知りません、みたいな顔をしているけど…バレバレだからね? そして今はその事を詮索するつもりはないよ? 「もう一つを優兎くんの服に忍ばせたの。急いでGPSで探索して。服を脱がされたり感知器か何か使われたらバレてしまうから」 「っ!、分かったっ!」 取りだした愛用のノートパソコンを華菜ちゃんは手早く操作する。 逢坂くんも直ぐに華菜ちゃんに手を貸して二人がかりで探索を始めた。 「桃、巳華院くんも。悪いんだけど、今すぐ日本に帰ってくれるかな」 「何故ですの?私達もお手伝い出来ますわ」 「勿論、手伝って貰う為だよ。ごめんね、今はどんな手でも借りたいの」
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