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Lahat ng Kabanata ng 冷たい唇に紅と熱: Kabanata 1 - Kabanata 10

15 Kabanata

1話

 穏やかな昼下がり。城下町にはゆったりとした時間が流れる。それは死化粧師のトキも同じで、彼の自宅兼職場も、和やかな空気が漂っていた。「暇ってのは、いいねぇ。何もしてない時間が、1番落ち着く……」 ぽつりと呟き、あくびをひとつする。外から聞こえるのは鳥のさえずりと、風で揺れる木々の音。そして商人達の声。「トキさん、良かったらどうぞ」 恋人のサクが、ちゃぶ台に湯呑みをふたつ並べてくれる。彼女は仕立て屋のひとり娘だ。サクの母親が病死した際、トキが母親に死化粧を施した。 遺された者が泣いていたら、死者はあの世にいけないという考えのトキは、サクに寄り添い、慰め続けた。何度も会っているうちに惹かれ合い、今に至る。 サクは実家の仕立て屋がそう忙しくない日にトキの元に訪れ、家事や仕事を手伝ってくれる。といっても、サクに遺体を触らせることはないが。 彼女は無地の白装束で旅立たせるのは忍びないというトキの考えを理解し、白装束に故人の好きなものを刺繍してくれる。 修行中だからと、刺繍の代金を受け取ろうとしないところを除けば、サクは理想的な女性だ。「お茶を淹れてくれたのか、ありがとう」 猫舌のトキは、何度もお茶に息を吹きかけ、冷ましていく。ひと口飲むと、頬が緩む。「ふぅ……。ほっとする味だ……」 強く逞しい男が持て囃されているが、サクはそういった力強い男性よりも、トキのゆるやかな笑みと雰囲気が好きだ。死化粧師の彼がこうして和やかに過ごしているのは、平和の象徴のような気がする。何より、見ていて癒やされるのだ。「平和ね。ずっとこうだったらいいのに」 遺体が運ばれた日のトキは、遺族やその友人の前ではしっかりしているが、いつもつらそうにしている。だから、こんな日がずっと続いてほしい。そう思って、言葉にすると、トキは目を丸くする。「バカ!平和とか暇とか口走るな。そういうこと言うとな……」 勢いよく戸が開かれ、トキの言葉が遮られてしまう。そちらを見ると、中年男性が焦った様子で入ってくる。大工の男だ。口は聞いたことないが、仕事をしたり、仲間と呑みに行っているのを、何度か見かけたことがある。「おい、トキはいるか?」 いきなりのことに驚いて、気づくのに遅れたが、彼は何故か全身びしょ濡れだった。サクはちょうど近くにあった手ぬぐいを、大工に渡す。「すまねぇな、嬢ちゃん」
last updateHuling Na-update : 2026-04-29
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2話

「ほら、言わんこっちゃない……。死人に関する仕事してる奴が、平和とか暇とか言うと、死体が運ばれてくるって相場で決まってるんだよ」 トキはため息をつき、立ち上がる。謝罪しようとするサクだったが、その前に彼は大工の元へ行く。「今行く」 何かできることはないかと一緒に外に出ると、台車の上にござでくるまれた遺体がある。分かるのは、大きさからして大人ということくらい。現時点で誰かは分からないが、ひとりの生涯が幕を閉じたことが悲しくて、胸が締め付けられる。 トキの手伝いをするようになって、こうした場面は10回以上経験している。時には遺体を包むござが赤く染まっていることもあった。だが、未だに遺体を運ばれた時の苦しみには慣れない。「ご苦労。誰か分かってるのか?」 先ほどまでのゆるやかな表情は消え、トキは神妙な顔で大工に聞く。「あぁ、風車売りの嬢ちゃんだよ」「風車……。おゆきか……」「おゆきちゃんって、あの……?」 鈍器で頭を殴られたような気分だ。おゆきはサクと歳が近く、顔を合わせるとちょっとした世間話をする。彼女は風車を売り、早くに亡くなった父の代わりに生計を立てていた。「過労でぶったおれて、そのまま川に落ちちまったんだ……。メシから戻る途中、川から着物が見え隠れしたんで、引っ張り上げたらおゆきちゃんだったんだよ」「そんな……」「医者のところに連れてったが、手遅れでな……。せめて、綺麗にしてもらおうと思って、ここに連れてきたんだ。病弱のかーちゃんと、育ち盛りのちび共のために、毎日必死で働いてたってのに、これはないぜ……」 大工はうつむき、首を横に振る。やるせなさが伝わり、胸が苦しい。「そうだな……。未練が残らないように、綺麗にしてやる。部屋に運ぶのを手伝ってくれ」「おう、頼んだぜ。持ち上げるぞ。せーのっ!」 ふたりはござの両端を持ち、大工の掛け声で遺体を持ち上げる。サクはふたりが運びやすいように、先回りをして作業場の戸を開けた。「ありがとう、サク。こっちだ」 トキは大工を誘導し、作業台の隣に行く。「ここにおろすぞ」「おう」 サクは作業部屋の戸の前で待つ。遺体を置く重々しい音が命の音のように思えた。 トキはサクが遺体を見るのを良しとしない。それはトキなりの気遣いだ。分かってはいるが、トキの技術に魅入られたサクは、トキが死化粧を施すのを見
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3話

「俺はおゆきちゃんの家に行って、このこと知らせてくる」「あぁ、家で死んだんじゃないんなら、きっとまだ知らないだろう。行ってやってくれ。それと、金の心配はするなって伝えておくれ」 遺体を扱う仕事をしているわりに、町人からのトキへの信頼は厚い。だから今回のように、身内が知らぬ間に遺体を運ばれてくることもある。トキは遺族が貧しいと知ると、代金を請求しない。それどころか、「仏が持っていた」と嘘をつき、少額ではあるが、お金を渡すくらいにお人好し。 商売のいろはを父から学んでいるサクは、そのうちトキが借金をしないか気が気でない。「おゆきちゃんのことは頼んだぜ」「あぁ、任された」 トキの返事を聞くと、大工は絞った半被を羽織り直し、おゆきの家に走っていった。「あの、トキさん……」「ん?」「ごめんなさい……。私があんなこと言ったから……」「謝るな、サクは悪くない。あれは迷信だ。ただ、いい迷信じゃないから好かないだけ。さ、それより仕事だ。死装束に風車の刺繍、頼めるか?」「はい……!」「頼もしいな」 トキは大きな手でサクの頭をぐりぐり撫でる。 サクはトキに与えられた作業場に行く。といっても、白装束の保管庫のような場所に、机と座布団を置いただけの部屋だ。机の下にある箱には、サクが持ってきた裁縫道具と、色とりどりの刺繍糸が収まっている。 壁際の棚には、白装束が大きさで分けられ、2,3着ずつ入っている。「おゆきちゃん……」 目を閉じ、おゆきのことを思い出す。『赤い風車が好きなんだ。賑やかな色してるだろ? だから、見ていて元気になれるんだよ」 彼女はそう言って、赤い風車を指先で回し、笑っていた。いつもしゃきっとしているおゆきだが、その時だけは、年相応の可愛らしい顔をしていたのが印象に残っていた。「決めた、赤にしよう。それと、黄色」 サクは刺繍に必要な糸を選びながらトキを待つ。遺体を確認したトキが、遺体に合う大きさの白装束を見繕ってくれるのだ。サクはそれまで待機。「サク」 ちょうど糸を選び終えたところで、トキが来た。彼は白装束を1着手に取ると、机の上に置く。机に並べられた糸を見て、頬を緩める。「鮮やかだな」「おゆきちゃんは、赤い風車が好きだったの」「そうかい。サクが刺繍をしたと知ったら、おゆきもきっと喜ぶ」「そうだといいけど……」「前に、サ
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4話

 サクが自分の作業部屋で白装束に刺繍を施している間、トキは自分の作業部屋に戻る。 改めてござをめくると、着物を脱がせ、遺体に損傷がないか確認しながら丁寧に体についた泥を拭き取っていく。 おゆきの遺体は、水死体にしては綺麗な方だ。きっと、先程の大工がすぐに引き上げてくれたおかげだろう。時間が経った水死体は、ぶくぶく膨れているし、においもキツイ。「だからと言って、サクには見せられないな」 サクはおゆきと交流があったことを知っている。どんなに綺麗な状態の遺体でも、サクに知り合いの遺体を見せたくなかった。 まぁ、見ず知らずの他人でも、彼女に遺体は見せたくはないが。 それでもサクは、何故かトキの仕事を覗きに来る。体調を崩したり、気に病んだりしている様子がないので気づかないふりをしているが、あまり褒められたものではない。「でも、今回ばかりは見せたくないな」 サクが来ないことを祈りつつ、おゆきに向き合う。小さな傷を化粧で隠していく。白装束で隠れる部分でも、手は抜かない。「こんなになっちまって、可哀想に……。やりのこしたこと、たくさんあるだろう? それを叶えてやることはできないが、できる限り綺麗にしてやるからな」 もう一度顔を拭くと、そっと触って硬さを確認する。人は死ぬと死後硬直で固くなる。遺体の状態や経過時間で、その硬さは変わる。触れて確認することによって、死化粧を施す際の力加減を調整するのだ。 トキはおゆきが安らかにあの世へ旅立てることを祈りながら、死化粧を施していく。トキが手をくわえる度に、おゆきの顔は生者に近づいていく。 一通り化粧を終え、おかしなところがないか確認していると、控えめに戸が叩かれた。「トキさん。刺繍、できました」「今開ける」 持っていた化粧道具を置くと、戸を開ける。サクの手には、赤や黄色、橙の糸で風車の刺繍が施された白装束。襟の部分に施された刺繍はとても丁寧な仕上がりで、サクが心を込めて縫ったのが伝わってくる。「ありがとう、サク。流石だ。きっとおゆきも喜ぶ」「えぇ、そうね……」 サクのつらそうな顔は見たくない。できることなら今すぐ抱きしめて安心させてやりたいが、遺体を触れた手で、生きている人間に、それも恋人に触れるのは気が引ける。「あとは俺に任せてほしい。いつものところに財布があるから、まんじゅうでも買ってきておくれ」
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5話

 夕方、ふたりはサクが買ってきたまんじゅうを食べながら、お茶を飲む。こしあんの優しい甘さが、ふたりの疲れと悲しみを癒やしてくれる。「やっぱり、まんじゅうはこしあんに限る」「ふふ、トキさんったら、口元にあんこがついてる」「ん? どこだい?」「もう、しょうがない人」 サクは苦笑しながらも、トキの口元についたあんこを指先で拭い取る。トキはその手を掴むと、いたずらっぽく笑った。「トキさん?」 名前を呼ばれると、トキはあんこがついたサクの指をくわえ、あんこを舐め取る。「トキさん……!」「ん、こうやって食べると美味い」 目を細めながらあんこを味わうトキに、サクの頬はどんどん熱くなり、耳まで赤くなる。明るく振る舞うのは、ふたりの防衛手段だ。ふたりで笑い合えば、悲しみが薄らいでいく気がするから。「今日は泊まっていってくれるんだろう?」「えぇ、そのつもり。おまんじゅうを買いに行くついでに、一度家に帰って、父さんに言っておいたの」「そうかい、それはよかった」 トキは上機嫌になり、まんじゅうをもうひとつつまむ。 普段なら、サクは家に帰るが、遺体があがった日は、トキが不安定になることを知っている。だから少しでも支えになりたくて、彼の家に泊まる。サクの父もトキを信用しているため、快く見送ってくれるのがありがたい。「サク……」 トキは後ろからサクを抱きしめ、首筋に顔を埋めてくる。おゆきに死化粧を施してから、ずっとこうだ。食事の準備をしている時でさえ、べったりくっついていて離れない。 食事も風呂も終わると、トキは布団の上でサクを再び抱きしめる。力が強く、少し苦しい。サクは抗議することなく、トキの背に腕をまわして抱きしめ返す。「はぁ、あったかい……。お前を抱きしめてると、安心する……」 安心しきった声で甘え、頬を擦り寄せる。髪が当たってくすぐったい。「今日はお疲れ様。おゆきちゃん、綺麗にしてもらって、きっと喜んでる」 トキの背中を擦りながら、労る気持ちを込めて言う。もう少し気の利いた言葉をかけたいが、月並みの言葉しか出てこないのがもどかしい。「疲れてるのはお前もだろ? それにしてもあの風車の刺繍、見事だったな。流石は仕立て屋の娘だ」 刺繍を思い出しているのか、トキは嬉しそうに目を細める。「そんな、私なんてまだまだよ。母さんに比べれば遅いし」「そ
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6話

「トキさん……」「弱音なんか吐いてすまない。こんな仕事をしてるんだから、人の死に慣れるか、人と関わらないようにするかしないといけないのに、俺はどっちもできねぇ甘ちゃんだ……」 愛しい人の自嘲は、胸が痛む。サクは抱きしめる腕に、更に力をこめた。「自分を責めないで……」「お前は優しいな。なぁ、その優しさに、もっと甘えていいか?」「許可なんて求めなくていいの。甘えたい時は、いつでも甘えて」「サク、お前は本当にいい女だ。俺にはもったいないくらい。このまま、お前を抱かせてくれ」「はい、トキさん」 彼を抱きしめる手に力を込める。少しでも気が紛れることを祈って。「理解ある恋人がいる俺は、幸せ者だな」トキは優しく微笑み、唇を重ねる。熱く柔らかな舌が唇に押し当てられ、口を薄く開けると、舌が入り込み、絡められる。「んぅ、んんっ……!」 トキからの口づけを、サクは必死に受け止める。経験が浅いせいなのか、それともこういったことに不器用なのか、サクは口づけが苦手だ。するのは好きだが、呼吸の仕方が分からなくなり、苦しくなる。 唇が離れ、銀色の糸がふたりを繋ぐ。熱のこもった目で見つめられ、胸が高鳴る。「お前の体温は、心地いい……」 囁くように言うと、トキは再びサクの唇を塞いでしまう。「はん、ふ……。んむ……」 口づけは激しさを増していき、くちゅくちゅと淫猥な音とふたりの息遣いが部屋に響く。「んぅ、ふーっ!」 限界が近づき、トキの胸板を叩いて抗議する。唇が離れると、肩で息をし、必死に酸素を取り込む。トキはそんなサクを見て、愛おしそうに笑う。「もう息があがったのか? 相変わらず、口づけが苦手だな」「笑わないで……」「可愛いお前が悪い。馬鹿にしてるわけじゃないんだから、いいだろ?」「もう……」 ぷくっとほっぺたを膨らませてむくれると、トキは微笑みながらその頬を両手で包む。「そうむくれるな。お前が可愛くてしかたないんだよ。浴衣、脱がせていいか? お前に直接触れたい」「……はい」 何度も肌を重ねてきたのだから、脱がされるのも初めてではない。だが、こうして面と向かって脱がせる許可を求めると、恥ずかしさと妙な居心地の悪さで、どんな顔をしていいのか分からなくなる。 そんなサクの心境を知ってか知らずか、トキは喉を鳴らすように笑う。「それじゃ、全部見せても
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7話

 ゆっくりはだけさせ、肩にかかった浴衣をずらせば、重力に従い、そのまま落ちる。サクの色白の肌が、薄桃色の小さな果実が、月明かりと蝋燭の明かりに照らされ、神秘的な妖艶さを放つ。 その美しさに見惚れ、ため息が零れる。陶器のような肌に指先を這わせれば、サクの体は小刻みに震え、甘く悩ましい声を上げる。「何度見ても綺麗だ……」「そんなに見ないで。恥ずかしい」 体を隠そうとするサクの細い腕を掴むと、彼女の後ろに腕をまわさせ、ひとまとめにする。恥じらい、体をもじもじさせる姿が、なんともいじらしい。「隠すな。こういうこと、何度もしてるのに、まだ恥ずかしいのか。可愛いヤツめ」「う、うるさい」 子供じみた精一杯の照れ隠しがあまりにも可愛くて、ニヤけてしまう。それに気づいたサクは、不満げにトキを睨む。そんな顔をしても、トキの劣情を煽るだけだというのに、彼女はそのことにまだ気づかない。「可愛い照れ隠しだこと。いつまで経っても小動物みたいだよな。俺も脱げば、羞恥心も少しはマシになるか?」 トキはサクの手を離すと、自分の浴衣の帯を解く。サクの視線に気づいて、見せつけるようにゆっくり脱いでいく。その光景はあまりにも耽美で、いけないものを見ている気分になる。「これでどうだ?」 妖しく笑いかけるトキと目が合い、どきっとして目をそらす。すかさず両手で頬を包まれ、トキの方に顔を向けられてしまう。 からかうように啄むような口づけをされ、一瞬、息が止まる。「自分の男の裸くらい、直視しろよ。おぼこいな」「またそうやってからかって……」 くすくす笑うトキに、経験の差を感じてしまい、寂しくなる。サクの初めての相手はトキだが、サクより4つ上のトキは違う。彼の経験人数などを知っているわけではないが、行為中の仕草や言葉の端々に、経験人数の多さがうかがえる。「からかいすぎたか?」「知りません」「機嫌直してくれ。何度も言ってるが、お前が可愛くて仕方ないんだよ」「本当にしょうがない人」 甘えるように囁やくと、サクは世話焼きの姉のように苦笑する。そこにつけ込むように抱きつくと、甘やかすように髪を撫でられる。 甘やかされる経験が乏しいからか、少し撫でられただけで、もっと甘えたくなってしまう。「サク……」「はいはい」 優しく撫でる手が心地よい。ずっとこうやって甘えていたいという気持
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8話

 抱きたい気持ちが押さえきれなくなり、サクを押し倒す。「あ……」「おしゃべりもじゃれあいも、ここまでにしよう。余計なこと考えなくなるくらい、愛させてくれ」 トキの唇が、耳に寄せられる。彼の舌先が耳たぶに触れた。「んっ」 彼の舌は、耳の溝をなぞるようにゆっくり動き、徐々に穴に近づいてくる。大きくなってくる水音に、ぞわっとしてしまい、更なる快楽を期待する。「はぅ、んんっ♡」 「耳舐められるの、好きだろ? 口ん中も指で犯してやるから、口開けろよ」 トキの指が2本、口内にねじ込まれていく。2本の指はばらばらに動いて唾液の分泌を促したかと思えば、サクの舌をはさみ、扱くように上下に動かされる。その間、耳も舌で同時に責められ、水音で頭がぼーっとしてくる。「んぅ、ふ……♡ むぅ……」 サクは無意識に、トキの指を舐めていた。 「おぼこいクセに、やらしー舌使いだ。歯、立てるなよ」 耳をねっとり舐められたかと思えば、息を吹きかけられる。 「ひゃうっ!?」「耳から、口から、水音が響いて、頭ん中犯されてるみたいで興奮するだろ? お前、こうされんの好きだもんな」  ねっとり舐められ、時折歯を立てられ、息を吹きかけられる。サクの体はその度に反応してしまう。 「過度な痛みはよくないが、軽い痛みは快楽に変わる。感じるお前が愛おしいよ……」 執拗に耳と口内を責められ続けたせいで、サクの体は火照っていた。はやく触ってほしくて仕方ない。普段ならそんなこと恥ずかしくて言えないのに、焦らされ続けたせいで、懇願してしまいたくなる。だが、口にはトキの指が2本も押し込まれ、サクの舌を刺激しているせいで、言葉を発するのは不可能だ。(うぅ、じれったい……。なんで触ってくれないの?) あまりにも長い焦らし時間に、瞳が涙で潤んでくる。「そろそろ体に触れてほしくなったんじゃないか? 今日はこれ以上、焦らすつもりはない。お前が触ってほしい場所に触れてやる。ほら、口を開けて、指をはなすんだ」「んむ、ぷはっ……」 指を抜かれ、空気を吸う。酸素が体内に入る度に、ぼんやりしていた頭が鮮明になってくる。 「物欲しそうに乳首おったてやがって」「んあぁっ」 サクの唾液がたっぷりついた指が、サクの乳首を転がす。トキのねっとりした指使いと唾液のぬめりで、滑られているような錯覚に陥る。 「あ、
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9話

「こっちの乳首も吸ってほしいだろ?」「ふぇ? きゃふっ……♡」 指で弄ばれ続けた乳首を吸われ、甲高い声が出てしまう。「はぁ、お前の感じてる声、興奮する……。もっといい声で鳴いてくれ」 乳首を舐められ、吸われ、甘咬みされる度に、小さく体が跳ねてしまう。それぞれの乳首に先程までとは違う刺激を与えられ、感度がどんどん上がってしまう。(焦らさないって言ってたのに、トキさんの嘘つき……) 焦らす気はないと言ったわりには、あまりにも丁寧な愛撫に、下腹部が切なくうずく。触らなくても、蜜が溢れているのが分かるほどに濡れてしまっている。「なぁ、下の方、触って欲しい?」 言葉にするのが恥ずかしくてうなずくと、トキは意地悪な笑みを浮かべる。「自分で足を開いてくれるか?」「そんな、恥ずかしいこと……」「恥ずかしがるからこそ、自分で開いてほしいんだよ。できるよな?」「うぅ……」 サクはゆっくり足を開く。だが、拳ひとつ分ほどの幅しかなく、交わるにはあまりにも狭い。「それだけじゃ触れないだろ?」 トキはサクの太ももに手を添え、大きく開かせる。「これくらい開いてくれないとな」「こんなの、恥ずかしい……」「恥じらうお前は可愛いけど、そろそろ慣れてくれないとな。自分で足持って」 言われるがままに足を持つが、自分から見せつけているような格好になってしまい、羞恥心が高まる。だが、見られて興奮している自分もいるのも事実。「ひゃううぅ♡ あ、あ、ああっ♡」 最も敏感な赤真珠を吸われ、1番大きな嬌声が出る。強すぎる快感に、もう恥ずかしいと思う余裕すらない。「恥ずかしい恥ずかしい言いながら、こんなに濡れてるじゃねぇか。吸っても吸っても、蜜が溢れてくる……」「あ、あああっ♡ らめぇ♡」 蜜壺に舌を入れられ、じゅるじゅるとわざとらしく音を立てられる。その音も興奮を煽り、さらなる快楽へ突き落とされていく。「おっと、いけねぇ。蜜に夢中になって、ほぐすのを忘れるところだった。指、入れるぞ」「は、はい……。んうぅっ♡」 指が入り、サクの感じやすい場所を撫で回す。赤真珠も吸われ、腰ががくがく震える。「んひぃ♡ あ、ああっ♡ これ以上は、もう……」「今にも果てちまいそうだな……。1回果てて、楽になれ」 トキの指も舌使いも激しくなり、サクを絶頂へ駆り立てる。暴力的な快楽
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10話

「そうか。なぁ、今度は俺を満足させてくれよ。俺の上に乗って、動いてくれるか?」「うん、いいよ……」「ありがとう、好きだ」 今度は頬に口づけを落とされる。 積極的になるのは恥ずかしいが、今はトキのわがままを叶えてあげたい。遺体があがった日にトキが意地悪になるのは、サクの反応を見て、生を実感したがるから。だから、どんなに恥ずかしくても、すべて叶えてあげたくなる。 演技なんかではなく、本物の反応を見てほしいと思ってしまう。その想いには愛と敬意が込められていた。「さ、おいで」 トキはサクの上から退くと、あぐらをかいて歓迎するように両手を伸ばす。サクはトキの上に跨ると、彼の陰茎に片手を添え、蜜壺にあてがう。小さく息を吸って覚悟を決めると、ゆっくり腰を落として挿入していく。「はぁ、んんっ♡ あぁ……♡」 自分の穴が、トキの熱くて硬い陰茎に押し広げられていく感覚に、背筋が震える。陰茎が自分の中に入ってくるのを感じながら、自分の体がどれほどこの瞬間を待ちわびていたのか自覚する。「きゃふっ♡」 途中、体の力が抜けてしまい、一気に奥まで押し込まれる。亀頭が子宮口をぐいっと押し上げるのが分かってしまう。「よしよし、奥まで入れられたな。しがみついた方が楽なら、そうしてくれていい。というか、そうしてほしい」「ん、こう?」 トキの背中に腕をまわしてしがみつくと、肌が密着する。見上げると、すぐそこにトキの顔があった。「ありがとな。こうやって肌を密着させると、落ち着くんだよ」 少しでも安心してほしくて頭を撫でると、トキは気持ちよさそうに目を細める。「はは、お前は本当に優しいな。けど、もう我慢できない。動けるか?」「自信ないけど、やってみる……」 トキにしがみついたまま、腰を振る。不慣れなせいか、あまり気持ちよくなれない。「んぅ、ふ、はぁ……。難しい、かも……」「気持ちよくなれるところ、分かってるだろ? そこに擦り付けるように動いてごらん」「あふ、ん、ああっ♡」 言われた通り、感じる場所を意識しながら腰をくねらせると、先程とは比べ物にならない快感が押し寄せてくる。 ただ上下に動くよりも、円を描くように動いたほうが気持ちいい。自分で動くことが興奮材料となり、締め付けて感じてしまう。「いいな、これ。お前の顔が近いし、こうやってお前を抱きしめられる……」
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