月曜日。須藤グループ本社。午前。弘人は取引先との打ち合わせに出席していた。監査対応は続いている。問題が解決したわけではない。だが少しずつ落ち着き始めていた。会議室では新商品の販促企画について話し合いが進んでいる。担当者が資料を切り替えた。「こちらが候補になります」画面に資料が映し出される。弘人は何気なく目を向けた。「最近ですと、Mayさんとのタイアップが好調でして」担当者が説明する。「May?」弘人は聞き返した。「はい」担当者が頷く。「美容・ライフスタイル系のインフルエンサーです」「女性向け商品の販促効果が高いんですよ」画面には実績資料が表示されている。数字も悪くない。むしろかなり良い。「そんなに有名なんですか」役員の一人が尋ねる。担当者が笑った。「かなり有名ですね」「企業案件の評判も良いですし」「最近はイベント出演も増えています」弘人は黙って資料を見る。正直なところ。そういう分野には詳しくない。だが。担当者の反応を見る限り、業界では相当知られた存在らしい。 ◇◆◇ 会議終了後。弘人は一人で資料を見返していた。そこに小さく名前が載っている。May。聞き覚えのある名前だった。麻衣子が以前そんな名前を口にしていた気がする。詳しく聞いたことはない。聞こうと思ったこともなかった。仕事の話だと思っていたからだ。だが。取引先がここまで高く評価するほどの存在だったとは思わなかった。弘人は資
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