昼休み。弘人は一人で社長室にいた。午後の会議までは少し時間がある。本来なら別の資料に目を通すべきなのだろう。だが気付けば、またパソコンの画面にはMayの記事が表示されていた。我ながら馬鹿げていると思う。それでも画面を閉じる気にはなれなかった。開いていたのは数年前のインタビュー記事だった。今より少し若いMayが写真に写っている。笑顔は今と変わらない。だが、どこか印象が違った。弘人は画面を見つめる。何が違うのか。すぐには分からなかった。記事を読み進める。好きな仕事のこと。今後の目標。一緒に活動している仲間の話。文章の端々から熱量が伝わってくる。画面の向こうのMayは楽しそうだった。自分の世界を持ち、その世界について語ることを心から楽しんでいるように見える。ふと別の写真を開く。イベント会場で撮影されたものらしい。周囲には大勢の人がいる。その中心で笑っているMayを見た瞬間、弘人の手が止まった。見覚えがあったからだ。麻衣子だった。いや。正確には違う。顔は同じだ。だが雰囲気が違う。もっと明るい。もっと自由だった。弘人が知っている麻衣子よりも、ずっと楽しそうに笑っている。胸の奥に妙な違和感が広がる。結婚前。麻衣子はよく出掛けていた。友人も多かった。予定も入っていた。楽しそうに話をしていた記憶もある。だが、いつからだろう。そんな話を聞かなくなったのは。いや。違う。聞かなくなったのではない。自分が聞いていなかっただけかもしれない。その考えが浮かんだ瞬間、
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