小さいころ勉強をしていると決まって両親に怒られた。「女の子が賢くなっても何の得もない」「勉強する暇があったら可愛くなる努力をしろ」 二言目にはそれだった。 なぜ賢くなってはいけないのかと聞いても、まともな答えは返ってこない。 お前は考えなくていい、ただ言われたことだけしていろ。 私の考えは聞いてすらもらえなかった。 大学に行きたいと言った時はとくにひどかった。「女の子は結婚して家庭に入るから大学は意味がない」「お金の無駄」 特待生を狙える成績だったのに願書すら出させてもらえなかった。 必死に大学に行くメリットを説明したけど、理解する気すらないようでとにかく就職しろの一辺倒。 結局、高卒で就職したのが今の会社だ。 最初の上司は厳しい人だった。 ミスしていればさんざんに怒鳴るし理屈のおかしいことを言うとずっと追及される。 よく他の子から「最悪な人が上司になったね」と同情された。 でも私としてはそこまで悪い環境じゃなかった。 たしかに説明の矛盾点を追及されるのは大変だったし怒鳴られるのは嫌だった。 けど私の話を聞いて理解しようとしてくれた。 考えの間違いを指摘して、出来るようになるまで指導してくれた。 親のように「何も出来なくていい」と言って放り出すようなことはなかった。 怒鳴られることがなくなったころに上司が異動になった。 周りからは心配されたけどもう十分一人でやっていける。 それぐらい私はいろいろなことが出来るようになった。・・・ 数年後、同じ部署に新入社員が配属された。 井原君と言う男の子だった。 同じ部署の工藤さん(女性)が上司になるので立場的には同僚となる。 傍目で見る限り仲良く仕事をしているようで怒られている所を見たことがないぐらいだった。 そして井原君が入社して一年経った頃のことだ。「これ発注したいんですけど」「あの、発注書は?」「え?」 井原君が発注したいと言う部材は、発注書を書いて私経由で上長に提出するものだった。 発注書が必要なことも書き方も全て入社一か月以内に教わるものなので、なぜ発注書を持ってこずに頼みに来たのか不思議だった。「発注書が必要なので持ってきてもらえますか?」「あ、そうなんですか」 返事はするけど動かない。 持ってくるのを忘れたのかと思ったけどもしかして書く
최신 업데이트 : 2026-05-09 더 보기