最終的に恵美が彼らを追い払い、庭はようやく静けさを取り戻した。月明かりが地面を白く照らし出す。恵美が食器を片付けながら、ふと言った。「澪ちゃんのお母さんの墓、ちゃんと毎年掃除してあるからね」澪は恵美の方を見る。「裏山にあるんだよ。澪ちゃんが子供の頃、牛の世話でよく行ってたあの場所」恵美は澪を見ず、うつむいたまま食器を洗い続けた。「明日、顔を見せに行ってあげな。きっと澪ちゃんを待ってるから」翌朝早く、澪は裏山へと向かった。山道は昔のままで、でこぼこしており、野草が生い茂っていた。運動靴を履いてゆっくりと歩き、中腹に差し掛かる頃には、ズボンの裾にオナモミの実がびっしりとくっついていた。子供の頃を思い出す。学校の帰り道、オナモミを摘んでは同級生に投げつけ、母に追いかけ回されて怒られたことを。あの頃の母はどれほど若かったことか。怒鳴り声は町の半分まで響き渡るほどだった。今では、墓石の周りに生えた草が、人の膝の高さにまで伸びている。澪はしゃがみ込み、草むしりを始めた。一本一本、ゆっくりと引き抜いていく。草の根は深く張っており、力を込めて引っ張るたびに手のひらに赤い跡がついたが、澪は手を止めなかった。草むしりを終えた澪は、しばらく地面に座り込んだ。太陽が昇り始め、体に当たる日差しがぽかぽかと温かい。「お母さん」澪は口を開いた。声が少し掠れる。「帰ってきたよ」返事は返ってこない。風が吹き抜け、草の葉がカサカサと音を立てるだけ。「私、弁護士になったんだよ」澪は言葉を続ける。「たくさん裁判に勝って、テレビにも出て、少しはお金も稼げるようになった。だから、そのお金は恵美さんに渡して、家を直してもらうよう頼んだの。これからは、こっちに戻ってきて住むから。私……」澪は言葉を詰まらせた。「離婚したの。お母さんは彼と会ったことがなかったよね。本当は連れてきて紹介したかったんだけど、ずっと機会がなくて。でも、もうその必要はなくなっちゃった」澪はうつむき、地面の土を見つめる。「お母さんには、ずっと前から分かってたのかな?無理に手に入れようとしても、どうにもならない人がいるってこと」風が止み、辺りは静寂に包まれた。澪は長い間座り込んでいたが、立ち上がり、ズボンの泥を払い落とす。「今
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