絢子の結婚式は、都内でも格式の高いホテルで開かれた。 当日、佳苗は淡いブルーのドレスに身を包み、雄吾とともに会場へ向かった。「変じゃないかな?」 車の中で、佳苗は膝の上に置いたバッグを持ち直した。「何が?」「このドレス。ちょっと地味だったかも」「似合ってる」「本当?」「ああ。綺麗だ」 雄吾があまりに自然に言うので、佳苗は頬を赤くした。「……ありがとう」「さっきから三回目だぞ」「だって、こういう結婚式って緊張するんだもの」「俺と一緒なんだから、気楽にしてろ」 そう言って、雄吾は佳苗の手を握った。 ホテルに到着すると、広々としたロビーには美しい花が飾られ、着飾った招待客たちが行き交っていた。 受付を済ませたところで、聞き慣れた声がした。「雄吾さん、佳苗さん」 振り向くと、美佐子が立っていた。「あら、佳苗さん。素敵なドレスね」「ありがとうございます。お義母さんも、とてもお綺麗です」「まあ、ありがとう。絢子さんの花嫁姿、楽しみね」 美佐子は嬉しそうだった。 絢子とは長い付き合いがあるのだから、結婚を喜ぶ気持ちも大きいのだろう。 やがて挙式が始まり、佳苗たちはチャペルへ案内された。 純白のウェディングドレスをまとった絢子は、息を呑むほど美しかった。 ゆっくりとバージンロードを歩く姿は堂々としていて、以前のような刺々しさは感じられない。 新郎の久世直哉は、背が高く、端正な顔立ちの男性だった。 柔らかな笑みを浮かべて絢子を迎える姿は、絵に描いたような新郎に見えた。 佳苗は小さく息をついた。 よかった。 絢子は本当に、新しい幸せを見つけたのかもしれない。 挙式が終わり、披露宴会場へ移動すると、絢子と直哉が招待客を迎えていた。「雄吾さん。今日は来てくださってありがとう」 絢子が微笑んだ。「結婚おめでとう」「ありがとう。佳苗さんも、来てくださって嬉しいわ」「ご結婚おめでとうございます。とても綺麗でした」「ありがとう」 絢子は少し照れたように笑った。 その表情は以前よりずっと穏やかで、佳苗はほっとした。 ところが、その隣にいた直哉が口を開いた。「榊原。まさか本当に来てくれるとは思わなかったよ」 親しげな口調だった。 けれど、雄吾は表情を変えない。「招待されたからな。結婚おめでとう」「ありがとう
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