「まあ! エヴリンもステラも一緒に行けるなんて、最高じゃない!」 ノクス邸のリビングで、私は届けられた三通の豪奢な招待状をテーブルに並べ、嬉しそうに手を叩いた。 王家から届いた、建国祭特別夜会への招待状。 それは私とアシュだけでなく、ノクス領に滞在しているエヴリンとステラの分まで、丁寧な金文字で記されていたのだ。「あの王家も、なかなか粋な計らいをしてくれるじゃない。 伝説の魔女が三人同時に社交界へ降臨するだなんて、間違いなく王国史上初の歴史的イベントよ! ふふっ、みんなでおめかしして、パーッと華やかに楽しみましょう!」 私が無邪気に胸を躍らせている一方。 背後に立つアシュは、極上の微笑みを崩さぬまま、その赤い瞳の奥に絶対零度の冷気を宿していた。(……王家の羽虫どもめ。 ヴェラ様お一人を呼び出すだけでも万死に値するというのに、他の魔女とその厄介な同居人どもまで巻き込んで、俺たちの聖域を乱す気か……?) アシュにとっては、王家の「少しでもノクス領の化け物たちのご機嫌を取りたい」という必死の平伏など知ったことではない。 ただただ、愛しい妻との甘美な時間を邪魔されたことへの、ドス黒い苛立ちだけが渦巻いていた。 しかし、ヴェラ様がこれほど嬉しそうにしているのだ。 主の笑顔を曇らせるわけにはいかない。「ええ、ヴェラ様。素晴らしい機会ですね。 ……ですから、夜会に向けて最高のドレスをご用意いたしました」 アシュが優雅に指を鳴らすと、空間の歪みから一体のトルソーが現れた。 そこに飾られていたのは、息を呑むほどに美しい、清楚な純白のドレスだった。 月の光をそのまま紡いだような極上の絹地は、露出を極限まで抑えた長袖のハイネック仕立て。 肌を見せる面積は最小限であるにもかかわらず、ヴェラ様のたおやかな身体のラインを極限まで美しく際立たせる、神業のようなカッティングが施さ
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