「……ええっと。とりあえず、状況を整理しようか」 まどろみの天空庭園。 美しい花々に囲まれた純白のガゼボの中で。『白銀の魔女』シルヴィアが、銀縁の眼鏡を指で押し上げながら、ひどく疲れたような深いため息をついた。「二十四年前。 私たちはこの場で、『男なんて非効率的だ』『自分の研究や魔術の探求に比べれば、恋愛など無価値だ』と、全員で確認し合ったはずだな?」「ええ、そうね。アタシも『酒と気ままな旅以上の快楽なんて、男には作れない』って言った覚えがあるよ」『荒野の魔女』ザハが、すでに空けかけた酒瓶を揺らしながら同意する。 彼女たちの視線の先には。 顔を真っ赤にして、テーブルに突っ伏している『炎の魔女』エヴリンと。 自慢げに胸を張り、ドヤ顔を浮かべている私の姿があった。「……星が、狂っておる」『星詠みの魔女』ステラが、大きな帽子の下でブルブルと震えている。「なんで……なんで、お前たち二人が、あんな『規格外のバケモノ』を連れ込んでいるんじゃ……。 あのオスたちのオーラを間近で浴びて、わらわは寿命が縮むかと思ったわい……っ」 ステラの言葉に、私は首を傾げた。「バケモノって失礼ね。私の可愛いアシュをそんな風に言わないでちょうだい。 それに、今は別室で大人しく待機してるじゃないの」 そう。 数分前、エララお姉様の提案により。『さあ、ここからは魔女(わたしたち)だけの女子会よ。 男性陣と従者の方々は、あちらの別館で男同士の交流を深めてちょうだいな』 と、アシュやイグニスたちは、庭園の奥にある洋館へと隔離されたのだ。 もちろん、アシュは猛反発した。『ヴェラ様を俺の視界から外すなど、断じて不可能です。 この空間に、俺の知らない毒や罠が仕掛けられていないという保証がどこにありますか? そもそも、この女たちの放つ魔力は、ヴェラ様にとって不快なノイズでしか――』
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