All Chapters of 婚約者を寝取られた夜、財閥御曹司に溺愛されました: Chapter 201 - Chapter 210

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第201話 いったい、何が言いたいの?

第201話 いったい、何が言いたいの? 優香は深く息を吸い込み、胸の内で燻る怒りをどうにか押し殺した。 「書斎へ行きましょう」 そう言い放つと、彼女は真っ先に書斎へ向かった。 書斎は、彼女の寝室の隣にある部屋だ。もともとは寝室と続きになっているが、人を連れて寝室を通るわけにはいかない。 靖は、少しも驚いた様子はなかった。にこにことした笑みを浮かべたまま、従妹の後ろに続いて、彼女の書斎へと入ってきた。 「なかなかいい部屋じゃないか」 優香は、そんな他愛もない話に付き合うつもりなど、毛頭なかった。 冷ややかな表情で言った。 「で、いったい何が言いたいの?」 靖は彼女を見つめた。 「ひとつ聞かせろ。あの烏丸玉緒って女は、美月に何を盛ったんだ? それに、さっき洗面所のあたりで盗撮していた男――あれは、お前の差し金か?」 その二つを問い詰められた瞬間、優香の顔色が変わった。 そして、怒りを露わにして靖を睨みつけた。 「何をおっしゃるのやら。そんなこと、私が知っているわけがないでしょう」 「へえ、しらを切るか。証拠もなしに、俺がこんなところまで来ると思ってるのか?」 そんな言葉で怯む優香ではなかった。 彼女は冷笑を浮かべた。 「証拠があるなら、お見せになればいいでしょう。ここで根拠のない話に付き合わせないでくださいな。それに、私もあなたも白井家の人間ですもの。無実の罪を着せようというのなら、おじいさまの前で白黒つけてもらいましょう
last updateLast Updated : 2026-09-10
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第202話 女たらしが本気になるなんて

第202話 女たらしが本気になるなんて 靖は、ひょいと片眉を上げた。 「ふうん、そんなに平然としてるってことは、本当に図太いんだな。まあいい……それじゃあ、改めて聞くぞ。あの薬は、身体に害があるのか?」 優香は顔を上げた。 「まさか、あんた、あの女のことを好きになったっていうの?」 ——なかなかに鋭い問いだった。 靖は笑った。「あんなに綺麗で賢い女が、好かれないわけがないだろ?」 優香は、まさかこんなにあっさり認めてしまうとは思っていなかった。 彼女は冷笑した。 「はあ、女たらしのあんたが本気になるなんて。今度は純愛に目覚めるおつもり? あの女も、なかなかの手管ね」 そして、わずかに口元を吊り上げた。 「安心しなさい。私、法律に触れるようなことはしないから。あの薬は身体に何の害もないわ。明日になれば、すっかり元通りよ」 「……ああ、その言葉は信じてやろう。だが、ひとつ忠告しておく。今回の手口は、あまりに汚い。次に同じことをしたら――」 それまでふざけたような表情を浮かべていた靖の顔から、一瞬にして笑みが消えた。 冷たく、凶険な眼差しが優香を射抜く。 「一族の情けも顧みないと思えよ」 そう言い残すと、靖はそれ以上その場に留まることなく、さっさと立ち去っていった。 書斎には優香ひとりが残された。 その表情は、恐ろしいほどに歪んでいた。
last updateLast Updated : 2026-09-10
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第203話 突き止めた

第203話 突き止めた 美月が目を覚ました時、部屋の中はまだ暗かった。 分厚いカーテンが、外から差し込む光をすっかり遮っていた。 寝返りを打ち、スマホで時間を確認しようとした、その瞬間――美月は思わず顔を歪めた。 まるで全身の骨を一度砕かれ、もう一度組み直されたかのように、身体中が痛んだ。 昨夜の記憶が、一気に蘇ってきた。 頬が、じわじわと熱くなった。 ――ああ……昨夜、あれほど狼のように貪欲だった女が、本当に自分だったのだろうか。 思い出すだけで恐ろしい。 こんな顔で、いったいどうやって蓮と顔を合わせればいいのだろう…… ちょうどその時、部屋の扉が開いた。 蓮が外から入ってきて、その視線がベッドの上に落ちると、ちょうど美月と目が合った。 「起きたのか? 腹は減ってないか? よかったら、飯をここまで運ばせて、ベッドの上で食うか?」 「……」美月は言葉に詰まった。 ――まだ身体が動かないわけではない。ベッドの上で食事をするなんて 必死に声を落ち着けて言った。「すぐ階下に降りるから」 「本当にいいのか? この部屋のままで構わないぞ。俺が食べさせてやってもいいしな」 「……ありがとう。でも、本当に大丈夫だから。悪いけど、先に出て行ってもらえる?」 布団の下は、とても人には見せられない状態だった。&n
last updateLast Updated : 2026-09-11
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第204話 恋愛なら、蓮様はお手の物

第204話 恋愛なら、蓮様はお手の物 大切な妻の腕から、血を二本も採られたのを見て、蓮はたまらなく胸を痛めた。 「これ、採りすぎじゃないか?」 「……」森川は言葉に詰まった。 ――採りすぎ? たかが二本だろうに。 「しっかり栄養を補えば問題ありません。私はこれから病院に持ち帰って検査します。結果が出次第、ご連絡しますので」 実のところ、森川には、もう問題があるとは思えなかった。 目の前の美月は、先ほどまでのような症状も見せず、いたって元気そうだからだ。 つまり、もう薬の効果は抜けているのだろう。 だが、安全のためにも、そして何より安心するためにも、検査しておくに越したことはない。 森川が帰ると、蓮はすぐに美月のそばへ擦り寄った。 「今日から数日、台所に血を補う滋養食をたっぷり作らせるから、早くこの血を返してもらおうな」 「……」美月は言葉を失った。 「いいえ、そんなに採ってないから。ご飯にしましょう。お腹が空いたわ」 蓮の関心は、すぐにそちらへ移った。 ――空腹になるのも当然だ。 昨夜は夕食も食べていない。 しかも昨夜は、運動のしすぎで消耗も激しかった…… それに加えて、朝食も昼食も抜きで、血まで二本も採られたのだ。 これでは、たまったものではない。 「
last updateLast Updated : 2026-09-11
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第205話 無事なのに、なぜ許さないの?

第205話 無事なのに、なぜ許さないの? これは彼女のプライベート用の番号だ。信頼できるごく少数の人間にしか教えていない。 「橘さん、申し訳ありません。この番号は、大学の先生に無理を言って教えていただきました。橘さん、うちの玉緒が、とんでもないことをしでかしてしまって……直接、お詫びを申し上げたくて」 女の声には、哀願するような響きがあった。 美月は淡々と言った。 「あなたからでも、娘さんからでも、お詫びを受けるつもりはありません。間違ったことをした人間が、謝ったからといって済む話ではないんです。誰であろうと、自分の行いの代償は払わなければならない。それに、もうこの番号にはかけてこないでください」 相手は、美月が通話を切ろうとしていることを察したのか、慌てて言った。 「待ってください、橘さん、切らないで! お願いです、どうかお手柔らかに……うちの玉緒はまだ二十二歳で、若いんです。この先、長い人生が待っているのに、こんなことで人生を台無しにされてはたまりません!」 「橘さん、本当にお願いします……」 ひとりの母親として、彼女は電話の向こうで声を限りに泣き訴えていた。 痛々しく、哀れな有様だった。 聞く者の心まで痛くなるような泣き声だった。 だが、美月は、そんな泣き言を聞いて同情するような女ではない。 「若いとか可哀想とか、そういう理由で、法律の裁きを免れるわけじゃないの。だから、私に頼んでも無駄よ。あの娘さんは、私に手をかける時、少しのためらいもなかったんだから」 「で、でも…&helli
last updateLast Updated : 2026-09-12
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第206話 そんな恥ずかしい話を、よくも口に出せるわね

第206話 そんな恥ずかしい話を、よくも口に出せるわね 雪乃は、蓮のその野蛮な振る舞いを目の当たりにして、思わず心臓が跳ねた。 ――この男……よくも他人の家で、こんな無作法な真似ができるものだ。 叱りつけてやりたいところだった。 だが、その殺気を帯びた目と視線がぶつかった途端、喉まで出かかった言葉を、飲み込んでしまった。 ――とはいえ、白井家の奥様である自分が、年下の若造ごときに、こんな風に詰め寄られるなど、面目丸潰れもいいところだ。 「……お宅の奥様が、一体わが白井家でどんなつらい思いをされたと? 私は少々取り込み中でして、存じ上げませんでしたわ」 ――まさか蓮が、自分の妻が薬を盛られた話を、こんなにも堂々と口にするはずがない。 知る限り、あれは普通の薬ではない。外に漏れれば、聞こえのいい話ではないのだ。 もし彼がここで口にすれば、美月が帝都中の笑いものになるのではないか。 そう思うと、雪乃の口元に、わずかな笑みが浮かんだ。 蓮の目がどれほど鋭いか。その笑みが何を意味するのか、気づかないはずがない。 「得意げな様子だな? なんだ、俺がここへ来るのに、まだ隠し立てが必要だと思ってるのか? 俺の嫁は昨日、ここで開かれた宴に来て、あの烏丸玉緒とかいう女に薬を盛られたんだよ……」 「……」雪乃は言葉に詰まった。 ――この小僧、頭がおかしいんじゃないのか? まさか、こんな話をここで持ち出すなんて。 
last updateLast Updated : 2026-09-12
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第207話 横柄な奥様が、これで黙り込んだ

第207話 横柄な奥様が、これで黙り込んだ その言葉を聞いた雪乃は、表情を硬くした。そして、ゆっくりと視線を、そのスマホの動画へ落としていく……ものの数秒も経たないうちに、彼女の顔色は真っ青になった。 思わず手を伸ばして、スマホを奪い取ろうとした。 だが、恒は彼女の動きを読んでいた。 雪乃が手を伸ばした瞬間、一歩後ろへ下がり、スマホをズボンのポケットへしまい込んだ。 彼の表情には、何の変化もなかった 「お宅のお嬢様・白井優香は、帰国してからずっと、興信所に依頼してうちの若奥様を調査させています。これは、うちの若奥様のプライバシーに対する重大な侵害です。この二つの件については、警察にきちんと説明してもらいますよ……」 「や、やめて。そんなことは許さない」 雪乃の顔からは、すっかり血の気が引いていた。 ――優香が本当に警察に連れて行かれれば、この先の人生は、それこそ台無しになる。 この男の言うことを、絶対に認めるわけにはいかない。 彼女は声を尖らせた。「その動画は合成よ。消さないなら、白井家として、蓮を訴えるからね」 恒は慌てる様子もなく、淡々と言った。 「ご存じのように、動画に限らず、証拠として提出されれば、警察が必ず確認するものです」 「……」雪乃は言葉に詰まった。 恒は、すっかり打ちのめされた様子の雪乃を見て、静かにその場を立ち去ろうとした。 彼が帰ろうとするのを見て、雪乃は焦り、手を伸ばしてその行く手を遮った。
last updateLast Updated : 2026-09-13
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第208話 どうしてこんなに愚かなことを

第208話 どうしてこんなに愚かなことを 三十分後、優香は家に戻った。 リビングで怒りをあらわにしている母の姿を目にすると、一瞬足を止めたが、そのまま歩み寄っていった。 「お母さま」 雪乃は、すかさず娘を鋭く睨みつけた。 「書斎へ来なさい」 優香は何も言わず、母の後に続いた。 書斎へ入り、扉が閉まると、優香が尋ねた。 「お母さま、蓮は、何をしに来たの?」 「私が今になって一番後悔しているのは、あんたを海外へやったことよ。この数年で、あんたがどれだけ愚かになったのか、よく分かったわ」 雪乃は怒りが込み上げ、歯がゆくて仕方がないという様子だった。 「どうしてあんたが自分で動いたの? 痕跡ひとつ残さずにやり遂げるだけの腕がないなら、最初から何もしなければよかったのよ」 優香は母に厳しく責め立てられ、心臓が縮み上がるような思いがした。 ――母さんがここまで怒りをあらわにして自分を叱るのは、これが初めてだ。 蓮が一体、母さんに何を言ったのだろう。 「お母さま……何を言ってるの……? 私、何をしたっていうの?」 雪乃は娘を睨みつけた。 「こんな状況になっても、まだ私に本当のことを話さないつもり? それとも、警察署へ行って、警察官たちに話すつもりなの?」 「警察」を聞いた瞬間、優香の心臓が跳ねた。 「お母さま、そ、それはどういう意味? 
last updateLast Updated : 2026-09-13
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第209話 ろくな策じゃない、あの女に頼んでこい

第209話 ろくな策じゃない、あの女に頼んでこい 雪乃は、素早く表情を戻すと、扉を開けに行った。 そこに立っていたのが自分の息子だと分かり、ほっと息をついた。 「悠真か、どうだった?」 悠真は書斎へ入ってきた。 「向こうが吹っかけてきた金額は、十六億だ」 雪乃は愕然とした。 「十六億? どうして強盗みたいな真似をするの? それに、あんたの知り合いなんでしょう? いくらなんでも、そんな大金を要求するはずがないじゃない」 ――まったく、ろくでもない知り合いだ。 悠真は、露骨に呆れた顔をした。 「母さん、俺がいつ、あの人が友達だなんて言った? ただ、ツテがあって連絡を取れるって言っただけだ。向こうはうちの家のことも知ってるし、相手が蓮だぞ。そりゃ、ふっかけてもくるさ。俺の手元にそんな現金はない。だから、俺に送金してくれ」 悠真が手元に置いている資金は、株やその他の投資に回していた。 すぐに動かせる現金は、十億しかない。 しかも、その十億には別の使い道があった。 雪乃は顔色を変えた。 「お父さんに頼んでみなさいよ」 悠真はきょとんとした。 「父さんも母さんも同じだろ。それに、俺はちょうど家に帰ってきたところなんだ。母さん、早くしてくれよ。遅くなったら、意味がなくなる……」 「母さんがさっき電話をくれた時、俺はわざわざ人に頼んで、蓮を少し引き止めてもらったんだ。これ以上遅れたら、蓮は間違いなく警察署へ
last updateLast Updated : 2026-09-14
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第210話 俺の嫁を貶める奴は、一人たりとも許さない

第210話 俺の嫁を貶める奴は、一人たりとも許さない 優香はその案を聞いた途端、顔色がみるみる悪くなった。 ――白井家の令嬢である自分が、あの卑しい女に謝る? 冗談じゃない。 「私はただ車の中に座っていただけよ。あの男に渡した薬が私から出たっていう、直接的な証拠になる? 私は何も知らないって言い張ればいい。興信所の件だって、誰かが私の名前を騙って依頼したって言えばいい……振り込みだって、私の口座から直接送ったわけじゃないし……」 「本当にあの女に謝りに行ったら、それこそ私が彼女を害した証拠を、自分から残すようなものじゃない。」 これまで妹を不憫に思い、何かと庇ってきた悠真も、さすがにこの言葉には腹を立てた。 珍しく、妹に向ける顔から優しさが消えた。 「行きたくないなら、警察署に入ってから泣くなよ」 「……」優香は言葉に詰まった。 ――白井家と神崎家の付き合いを考えれば、神崎家が白井家の顔を潰すような真似をするはずがない。 優香は、そう高を括っていた。 悠真は、そんな頑なな表情を見て、怒りと悔しさでいっぱいになった。 「警察署に入るか、面子を取るか……自分でよく考えろ」 そう言い捨てると、悠真は怒りに任せて書斎を出ていった。 雪乃は、息子が怒って出ていくのを見て、慌ててその背中に声をかけた。 「悠真、悠真、どこへ行くの……」 
last updateLast Updated : 2026-09-14
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