第201話 いったい、何が言いたいの? 優香は深く息を吸い込み、胸の内で燻る怒りをどうにか押し殺した。 「書斎へ行きましょう」 そう言い放つと、彼女は真っ先に書斎へ向かった。 書斎は、彼女の寝室の隣にある部屋だ。もともとは寝室と続きになっているが、人を連れて寝室を通るわけにはいかない。 靖は、少しも驚いた様子はなかった。にこにことした笑みを浮かべたまま、従妹の後ろに続いて、彼女の書斎へと入ってきた。 「なかなかいい部屋じゃないか」 優香は、そんな他愛もない話に付き合うつもりなど、毛頭なかった。 冷ややかな表情で言った。 「で、いったい何が言いたいの?」 靖は彼女を見つめた。 「ひとつ聞かせろ。あの烏丸玉緒って女は、美月に何を盛ったんだ? それに、さっき洗面所のあたりで盗撮していた男――あれは、お前の差し金か?」 その二つを問い詰められた瞬間、優香の顔色が変わった。 そして、怒りを露わにして靖を睨みつけた。 「何をおっしゃるのやら。そんなこと、私が知っているわけがないでしょう」 「へえ、しらを切るか。証拠もなしに、俺がこんなところまで来ると思ってるのか?」 そんな言葉で怯む優香ではなかった。 彼女は冷笑を浮かべた。 「証拠があるなら、お見せになればいいでしょう。ここで根拠のない話に付き合わせないでくださいな。それに、私もあなたも白井家の人間ですもの。無実の罪を着せようというのなら、おじいさまの前で白黒つけてもらいましょう
Last Updated : 2026-09-10 Read more