第81話 これでこの義姉は、さぞかし激怒したことだろう 「なに、私に会わないですって?」志織は警備員の言葉を聞いて、信じられないとばかりに目を見開き、声まで数段高くなった。 「まず門を開けて」 警備員は微動だにしなかった。「奥様がお会いにならないとおっしゃっています」 志織は怒りで顔を真っ赤にした。 彼女は生きてきて、こんな仕打ちを受けるとは思わなかった……まさか自分の義妹に門前払いされるとは。 これがもし外に漏れたら……自分はもう人前に立てない。 深く息を吸い、彼女はスマホを取り出して夫の番号にかけた。 向こうの声が聞こえるや否や、彼女は直接怒鳴りつけた。「弘、あんたのその素敵な妹は本当に大したものね。さっきはデパートでうちの茜をいじめて、今度は私を門前払いだなんて……あの女はうちと絶縁したいの?」 三枝弘(さえぐさ ひろし)は頭が痛かった。さっきから妻がこの件で何度も電話をかけてきていたのだ。 今度はまさか神崎家にまで押しかけたのか。 「神崎家に行って何をするんだ? まず家に帰れ。二、三日経ってからだ……それに、お前だって俺の妹が少し気性が激しいのは知ってるだろう。今は会いたくないから、会わないんだ……あっちでうろうろするな……」 志織はこの言葉にカッとなった。 「私はあんたの妻じゃないの? それとも……あんたの妹だけがお姫様だって言うの? あの女がいじめておいて腹を立てるなんて、いじめられた私たち母娘が、あの女に謝れとでも?」
最終更新日 : 2026-07-12 続きを読む