第一志望の学校に合格し、波瑠は父からも母からも「おめでとう! よく頑張ったね!」と言ってもらえ、頑張ってよかったと心から思った。 小さい妹と弟がいるから外食は難しく、出前をとってお祝いしようということで、お寿司をとることになった。 みんなで食卓を囲むなんて久しぶりだと波瑠は嬉しさでいっぱいになりながら、お寿司を食べた。途中から、母は妹の真珠や弟の琥珀の相手をするために席を立ったが、それでもやはり嬉しかった。 受験勉強、頑張ってよかった! 波瑠が穴子握りに箸を伸ばしたとき、父が言った。「波瑠、中学生になったら、おばあちゃんちに行きなさい」「うん、ちゃんと挨拶に行くよ。中学生になる前に行きたいな」「そうじゃなくて。……おばあちゃんちからの方が、学校に近いだろう?」「それは、そうだけど……」「それに、うちには小さい子もいるから、お前の勉強の邪魔になると思うんだよ。それに、おばあちゃんも一人暮らしでさみしいだろうから、波瑠が一緒に住んでくれると嬉しいと思う」「……それは、お父さんの考え?」「お父さんとお母さんで話し合って決めたことだ」 そうか、もう決まっていることなんだ、と波瑠は思った。 波瑠は、真珠と琥珀の相手をしている母を見た。 私はあの中に入れない、ということを改めて実感した。 波瑠は父親に視線を戻すと「うん、分かった。学校、おばあちゃんちからの方が近いもんね。私のためを思ってくれたんだよね。……ありがとう」と言った。 涙が出そうだったけれど、何とか堪えた。 その後食べたお寿司は何の味もしなかった。いや、砂の味がした。 黒い砂漠で食べるような、黒い砂の味。咀嚼して飲み込むだけ。 マグロもサーモンも甘エビも、そうして波瑠の闇の中に飲み込まれて行った。 山茶花の生け垣の祖母の家に行く。 その日も一人だった。 大きな荷物は後から届けられるの
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