千颯のいる部屋と波瑠の寝室の間の部屋は、最初波瑠の居住スペースだった。 しかし、千颯と一緒に住むようになり、そこを共有の居間として使うようになっていた。 つまり、こたつがありテレビがあり、二人でまったりする空間なのである。食事は台所の食卓でとっていたけれど、お節は居間でのんびり食べましょうということになり、二人はこたつに入りながら映画を観つつお節を食べていた。「波瑠さん、お休みいつまでですか?」 「五日までなの。六日から仕事なんて、悲しいわ。千颯くん、大学はもっとお休みでしょう?」 「授業は六日からですよ。でも、その後、入試の関係で休みの日があります」 「いいなあ。まだ一年生だから、気楽でいい時期よね」 「そうですね、就職活動もまだですし」 「あ! 映画終わっちゃった。次、何観る?」 「波瑠さん、お出かけしなくていいんですか?」 「うん! おうちがいい。こうして、千颯くんと一緒に、こたつに入ってお節を食べたり映画を観たりしながら、まったりしているの、幸せ」 波瑠はそう言って、お重から黒豆をとって自分のお皿に乗せた。 むろん取り箸を使っているけれど、千颯は、ほんとうは、こうして一つの入れ物から食べ物をシェアするのもあまり得意じゃないはずだ、と波瑠は思っていた。だけど、千颯は自分からお節作りましょうと言ってくれた。そのことで波瑠は安堵するような気持ちで満たされていた。「あ、僕これ観ていいですか?」 千颯がリモコンに手を伸ばし、映画をスタートさせた。それは何年か前に流行ったアニメ映画で、波瑠も好きなものだった。 「私、これ好きだよ」 「僕も好きなんです。久しぶりに観てみたくて」 そのとき、こたつの中にいたキャンディがもぞもぞとこたつから出て来た。そして、その拍子に波瑠も千颯も少し動き、互いの足が触れ合った。 「ごめんなさい!」 「いや、僕のほうこそすみません」 波瑠は、少し赤くなった千颯の顔を見ていたら、もしかして一緒にこたつに入れること自体も、特別なことなのかもしれないと思い、また嬉しさが込み上げてきた。 キャンディはこたつから出ると、千颯と波瑠にすり寄り、二人の間に丸まって眠った。 幸せだなあ、と波瑠は思う。 ここ数年の間で、これほど安心して寛げた日々があっただろうかと。 毎
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