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黒瀬部長は部下を溺愛したい のすべてのチャプター: チャプター 11 - チャプター 12

12 チャプター

CASE:11 お前が可愛くて仕方ない

 夜中の1時。 静まり返った部屋の中で、莉央は眠れずにベッドの上でゴロゴロしていた。(……ねむれない)「辛いのか?」 隣で眠っていると思っていた慧が、ふいに目を開ける。「っ、すみません。起こしちゃいましたか?」「いや、起きてた。眠れないのか?」 コクリと頷く莉央を見て、慧は体を起こし彼女の頭をそっと自分の膝にのせた。「じゃ、こっちおいで」「……え?」「眠れない夜は、眠くなるまで甘やかそうって決めてるから」 そう言って、慧は莉央の髪をゆっくり撫でる。「まだしんどいか?」「いえ、大丈夫です。慧さんの看病のおかげです」「そっか。そうだと嬉しい。寝すぎて寝れないか?」「ううん……なんだか……そわそわして寝つけなくて」「じゃあ……」 慧は莉央の手を取り、指を絡める。「莉央が寝るまでこうしていよう」「それは、だめです……」「なぜ?」「………たぶん、ずっとドキドキして寝れないから……」 うっすらと赤い莉央の首筋。 それを見て慧の口角が上がる。「そういうことを言われると、もっとしたくなるなぁ」「え……慧、さん?」 驚いた莉央が慧を見上げると、慧の唇が耳元に触れて……。「……好きだよ」「っ、慧さん!?」「お前が可愛くて仕方ない」 優しくて甘い言葉がぽつぽつ落ちてくる。「す、す、す、ストップ!」「…………」 莉央は両手で慧の口を塞ぐ。 これ以上は恥ずかしすぎて顔が見れない。「もう、わかりましたから……」「………そう? でも俺は……」 慧が優しく莉央の両手首を掴んで。「まだ足りないな……」「っ!?」 柔らかな舌の感触が莉央の手に伝わる。 慧に掴まれた手首のせいで、逃げることはできなかった。「あ、あの……待って……」「クスッ……」 甘い甘い、世界でいちばん心地いい時間は莉央を夢の入口から遠ざけるだけだった。◆ 莉央の風邪が治って数日後の金曜日。 その日は社内の軽い飲み会があった。 部署も役職もバラバラ、他愛もない話題で盛り上がっていたとき……。「そういえば、白石さんって、最近めっちゃ可愛くなったよな~」「わかる! 雰囲気も柔らかいし、あの笑顔……あれは可愛いって」「俺、けっこう気になってるんだよね~。あのタイプ、めちゃ好み」 軽いノリの、男同士の会話。 誰もいないと思っていた背後に男
last update最終更新日 : 2026-06-14
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CASE:12 せっかく我慢してたのに

 会社の飲み会で、二次会が解散になった頃。 帰ろうとした慧の腕を引っ張ったのは……酔ってふにゃふにゃの莉央だった。「えへ……慧さんっ……次はバー……いきましょ〜ぉ?」「……莉央、もう飲みすぎだ。今日はもう帰ろ……」「んー、まだいけます……!」 そうして向かったバーに到着して10分後。 莉央はソファ席でぐったり、完全に潰れていた。「……はぁ、やっぱりこうなったか」 困った顔をしながらも、慧は莉央を優しく抱き上げる。「……ったく、酔っても可愛いとかずるいだろ」 仕方なく近くのホテルの一室にチェックインし、莉央をベッドに寝かせて、額に冷えたタオルを置いた。 1時間ほどして、莉央がゆっくりと目を覚ます。「……ん、ここ……どこ……」「起きたか?」 ベッドの傍に腰をかけた慧が、静かに言う。 莉央はぼんやりした顔のまま、ふと慧を見上げた。「……私、なにか、やらかしました……?」「いや、飲みすぎて潰れただけ。送ろうと思ったけど、無理そうだったからここに」「ここ……?」 ぐるりとあたりを見渡して、そこがホテルだってことに気付く。「!!?? すみません! ほんと……すみません……」 顔を覆いながら、うつむく莉央。 「謝るな。明日は休みだしゆっくり休んでから帰ろう」「………はい」 どんな時でも優しい慧に莉緒の目がじんわりと熱くなる。(慧さん……普通だなぁ。私だけかな……こんなに意識してるの……) ぽつりと湧き出た不安が莉央の口から溢れ出す。「慧さん……」「どうした?」「…………やっぱり、私って……魅力ない、ですか?」「……は?」 慧は鳩が豆鉄砲を食ったような目で莉央を見た。「それは……どういうことだ?」「だって慧さん……全然その気配ないし。私が酔ってても、手ぇ出さないし。優しいけど、なんか、私って……女として、全然だめ……ですか?」 慧の目が、すっと細くなった。「……莉央、それ、酔って言ってる?」「……よく、わかんない、ですけど……ちょっとだけ、本音」 一瞬の沈黙。 次の瞬間、慧はそっと莉央の頬をつかんで、顔を近づけた。「言わなかったか? 俺、酔ってる女には手ぇ出さないって」「……はい」「でも、それが魅力ないっていう話になるなら……」 吐息が触れる距離で、目を伏せずに言った。「責任取ってもらうけど、
last update最終更新日 : 2026-06-15
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