All Chapters of こんなに好きなのに、伝わらないのなら――: Chapter 21 - Chapter 30

98 Chapters

兄貴の絶望12

*** 次の日、兄貴は微妙な表情で僕と顔を合わせ、ぎこちない挨拶をかわした。毛嫌いするように躰ごと僕を避けて挨拶されたことはショックだったが、いたしかたないだろう。 素っ気なさや嫌悪感が混じったそれを見た義母に「朝から喧嘩なんて早くやめなさい」と諭された途端に、兄貴は朝ごはんを食べずに家を出て行く。「辰之、ごめんなさいね。宏斗は頑固で素直じゃないから」「いいんだ。喧嘩の原因を作ったのは僕だし、そのうちいつものように仲良くなれると思う」 言いながらダイニングテーブルに着席して、あたたかい朝ごはんをいただいた。間違いなく今日一日忙しくなるのがわかっていたので、しっかりと食したのだが――。(予想より、早いお出ましだったな……) 一限目が終了するやいなや、馬鹿女が僕のクラスに顔を出した。険しい面持ちのまま眉根を寄せながら唇を突き出すという、見るからに怒った表情でこちらを睨む。「黒瀬くん、ちょっと来て!」 棘を含んだ声が教室中に響くと、クラスメートの視線が僕に集中した。馬鹿女と僕の接点はひとつしかないため、呼び出される理由がみんなにはバレバレだろう。「おい黒瀬、例のこと先輩に喋ったのか?」 黙ったまま腰をあげたら、教卓の傍の席にいる箱崎がわざわざ振り返り、心配そうに訊ねる。僕は肩を竦めながら首を横に振った。「僕が喋らなくても、他所から漏れるだろ。なるべくして別れたんだよ」 箱崎をしっかり安心させてから、弾んだ気持ちを隠して教室を出た。二時限目までの休憩は10分しかない。馬鹿女は僕の腕を強引に引っ張り、廊下の奥まった窪みに連れて行く。「朝逢ったら、黒瀬先輩に別れようって言われたの。理由は弟に聞いてくれの一点張りで全然教えてもらえなかったんだけど、どういうことかな?」 僕よりも小柄な馬鹿女が、逃げ場のない壁の窪みに追いやった相手を、呪い殺しそうな気持ちを目力に込めて見上げる。三股を平然とこなすだけあって、その迫力は満点だった。「やれやれ。兄貴ってば僕を使って、君と別れるなんて酷いことをしたんだね」 馬鹿女に気圧されないように胸を張りながら、淡々とした口調で話しかけた。「…………そんなこと聞いてないから」「僕はなにもしてないよ。だけど君の噂を知ってた。それがどういうことかわかる?」
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兄貴の絶望13

僕のセリフを聞いて、意味がわからないことを示すように小首を傾げる馬鹿女に、神妙な顔を作ってみせた。「兄貴のように部活で活躍している人気者じゃない、どちらかと言えば教室の隅っこで目立たないように生息している僕ですら、君が三股しているのを知っていること自体おかしいでしょ。つまり、誰かがこのことを言いふらしているっていう話」 低い声色で流暢に語った途端に、馬鹿女は目を見開きながら両手で口元を隠す。怒りの表情から一転、驚きと悲しみに支配されていく姿を目の当たりにして、お腹を抱えて笑いだしそうになった。「私のことを言いふらすって、それって――」「君には中学生のカレシがいるだけじゃなく、ウリもしていたから金回りがよかった。それを妬む友達がいるかもしれないね」(僕の兄貴を騙して、心を弄んだ罪は大きい。おまえには、落ちるところまで堕ちてもらうよ)「黒瀬くん、誰か知ってるの?」「悪いけど知らない。兄貴が僕に聞けって言った時点で、君の友達をかばっているのかも。兄貴は、結構優しい人だからさ」「嘘……。そんなの嘘…ちょっと待って、誰がいったい私のことをバラしたっていうの」 馬鹿女は顔を青ざめさせ、ぶるりと躰を震わせた。今ごろ頭の中では仲のいい友達の顔が、たくさん浮かんでいるんだろう。黒目が左右に小さく揺れ動く。「僕と違って君は友達が多いから、探すのも一苦労しそうだね。こんなところで僕にかまってないでまずは手始めに、自分のクラスメートから探したらどうだい?」 すべきことを提案したら、馬鹿女は力なく退いた。閉じ込められていた窪みから簡単に脱出することに成功し、唇に自然と笑みが浮かんでしまう。「兄貴とはもう戻れないだろうけど、この代償を友達に払ってもらいなよ。じゃあ頑張ってね」 すれ違いざまに優しく声をかけて、自分のクラスに戻った。喜びを隠すのに苦労したけど、徹底的に疑心暗鬼になって、どうか自滅してくださいという気持ちと一緒に、馬鹿女を応援する言葉をかけたのだった。
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弟の悦び

「兄貴が好きなんだ」 大きな瞳を潤ませ、必死な形相で告白された瞬間、まさかこんなことになるとは夢にも思わなかった。 硬く熱くなった辰之の下半身を俺の股間にぐりぐりと押しつけられた途端、頭の中が真っ白になった。得体の知れない薬を盛られ、両手両足を紐でベッドに縛り上げられ、強引に唇を奪われた……全部が悪夢であってほしいと、何度願ったかわからない。 でも今、俺が目を背けたかった本当の理由は別にある。(くそ……辰之のナカが、気持ちよすぎる……) 弟に導かれるまま、右手で辰之の胸の突起を摘んだ。コリコリとした小さな粒を指先で転がすと、熱く窄まった腸壁がぎゅううっと俺の肉棒を締め付けてきた。さっき大量に中に出したばかりだというのに、俺のものはまた完全に硬さを取り戻し、血管が浮き上がるほど脈打っている。「ねぇ、反対の乳首も……ぺろぺろしてみて」 甘く蕩けた声で強請られ、俺は歯を食いしばった。早くこの状況から逃れたかったのに、身体は正直に反応してしまう。顔を寄せ、熱くなった舌で辰之の乳首をねっとりと舐め回した。舌先で弾き、軽く歯を立てて吸い上げると——。「あっ、ああっ……! いい……兄貴の手も、口も……すごく気持ちいいよ……」 辰之の腰がびくんびくんと跳ね、窄まりが俺の肉棒をリズミカルに締め付ける。射精後のぬるぬるした精液が結合部から溢れ、太ももを伝って滴り落ちる卑猥な感触が、俺の理性をさらに削っていく。「…………っ」 俺は無言で腰を振り始めた。ずんっ、ずんっ、と深く突き上げるたび、辰之の最奥を俺の亀頭が抉る。精液でぐちゃぐちゃになった腸内は滑りが良すぎて、かえって感度が上がり、締め付けが強烈だった。「宏斗兄さん……あぁんっ! 大好き……兄貴のち〇ぽ、もっとごしごし擦って……!」 「気持ちいいとこ……あるのか?」 掠れた声で聞くと、辰之は涙目で頷いた。「あるぅっ……! そこ、ごしごしすると……おかしくなるくらい……ンンっ、いいよぉ……!」 弟のいやらしい喘ぎ声に、俺の腰が勝手に加速する。パンパンパンッという激しい肉音と、ぐちゅぐちゅという淫らな水音が部屋中に響き渡った。俺は両手で辰之の乳首を摘みながら、容赦なく最奥を突き上げ続けた。 締まりすぎるナカが、俺の肉棒を根元から搾り取ろうとしてくる。すると辰之は小さく笑い、自ら腰を引いて俺のものをずるり
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弟の悦び2

(辰之がイけば……これ以上、この馬鹿げたことを続ける必要はない。早く終わらせて、全部忘れなければ……) 俺は覚悟を決めて、弟の充血した尻穴に自身の先端を押し当てた。熱く濡れた窄まりに亀頭をぐっと沈め、腰を一気に押し進める。 ずぶっ……ずずずずっ……!「んんっ……! あぁっ……っぁあ……! はやく……もっと深く挿れてっ……んっ……はぁ……ぁっ……!」 弟の甘く蕩けた声が耳に絡みつく。挿入した瞬間、辰之の腸壁が絶妙なタイミングでぎゅううっと俺の肉棒を締め上げてきた。熱くぬるぬるした内壁が、血管の一本一本を舐め回すように蠢く。「ふ……くぅっ……!」 額から汗がだらだらと流れ落ち、敏感になりすぎた肌を伝う。さっき出したばかりだというのに、弟の中はあまりにも気持ちよすぎて、俺は歯を食いしばって必死に射精を堪えていた。 腰を動かすたび、ぐちょぐちょ、じゅぷじゅぷという卑猥な水音が激しく響く。俺が先ほど注ぎ込んだ精液が掻き回され、結合部から白く泡立って溢れ出てくる。「あ……兄貴……っは……ぁ、ん……っ! も……だめっ! イクぅっ……!」 辰之が背中を大きく仰け反らせて絶頂した。腸壁が小刻みに激しく痙攣し、俺の肉棒を根元から締め上げながら搾り取ろうとしてくる。(くそ……こんな弟と、こんなことをしちゃダメだって……頭ではわかってるのに……!) 罪悪感と快楽が混じり合い、脳みそが蕩けていく。ブレーキが利かない。俺は華奢な弟の腰を両手で強く掴み、獣のように腰を前後に振り始めた。肌が激しくぶつかる音と、ぐちゃぐちゃに濡れた淫らな水音が混じり合う。 責めれば責めるほど、弟のナカが俺をきつく包み込んで離さない。「辰之っ……もう、出るっ……!」 「きて……! 奥にいっぱい出してっ……兄貴のせぇしで、僕のお腹いっぱいにしてぇっ!」 パンパンという激しい音が数回響いたあと、俺は限界を迎えた。 どくっ! どくどくどくっ! びゅるるるっ、びゅっ……!! 二度目とは思えないほどの大量の精液が、弟の最奥に勢いよく叩きつけられた。熱い快感が脊髄を駆け上がり、身体の芯まで痺れる。射精が長く続き、弟の腸内を俺の白濁で満たしていく。「兄貴の熱い……っ! 僕のナカを、いっぱいに満たしてる……すごくいいよ……」 辰之が嬉しそうに腰をくねらせた瞬間、俺の肉棒がずるりと抜け落ちた。赤く
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弟の悦び3

*** あの日以来、弟はバレー部の練習を時々見に来るようになった。現れる時間帯はバラバラだったが、いつも小一時間ほど体育館の隅っこで練習風景を眺めてから、ひとりで帰っていく。 学年が違うため個人的にまったく接点はないし、家でも俺が避けているから会話はほとんどない。ゆえに俺を観察できる部活の時間を狙って、顔を出しているようだった。(ただ隅っこでコッチを見てるだけだから邪魔にならないし、出て行けと怒鳴りたいがそれをすると、チームメイトに心配をかけることにつながる。あの大きな瞳で見られるだけで、嫌なことを思い出して気が散ってしょうがない――) 大会前の大事な時期だというのに、弟のせいで集中力が続かなかった。やりきれない気持ちを隠して練習している最中、それは起こった。「黒瀬っ、危ない!!」 学年別対抗戦をおこなっていた。1年を相手に試合をしているとき、大きな声をかけられた。よそ見をしていたわけじゃなかったが、気がついたらバレーボールが目の前に飛んできていた。 そのボールをアタックしたのは、レギュラー入り確実と言われた1年のもので、それなりに勢いがある。 顔面にボールを受けた俺は、無様に尻もちをつき、そのままコートに倒れた。「兄貴っ!」 横たわった俺を心配する声があちこちから聞こえてくるのに、なぜだか弟のものだけが耳について離れない。「兄貴、大丈夫? 返事をして、兄貴っ」「……辰之うるさい、恥ずかしいだろ」 ボールを受けた眉間に触れながら起き上がったら、小さな塊が横から俺に抱きつく。抱きしめられた感触で弟なのがわかり、すぐさま振りほどきたかったが皆の手前、それはできなかった。「黒瀬、大丈夫か?」「監督すみません。少しだけ気分が悪いです」 そんなやりとりを経て、今日の練習を早めにあがることになった。 体調のすぐれない俺は、そのまま保健室に向かう。部室に置いてある制服やカバンを持ってきてくれと弟に頼んだ。「兄貴の荷物、すぐに保健室に持ってくるね。早く家に帰って休まなきゃ」 まくし立てるように喋った弟は、血相を変えて部室に駆けて行く。俺は黙ったまま、その背中を見送ったのだった。
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弟の悦び4

弟とはこれまで、本気で喧嘩をしたことがない。一人っ子だった俺に突然できた義弟だからこそ、仲良くしなければという思いが強かった。辰之のワガママにも、目をつぶってきた。だが今回ばかりは、そうはいかない。 辰之に本気で嫌われるため、徹底的に汚い男になってやる。そうすれば、きっとこの歪んだ恋愛感情も消えるはずだ。「兄貴、荷物を持ってきたよ。あれ、保健の先生いないんだ?」 保健室の仕切りから顔を出した辰之は、ベッドに横たわる俺を見て首を傾げた。「ああ、誰もいない。悪いが着替えを手伝ってくれ。まだ少しふらつくんだ」 ゆっくりと上半身を起こすと、辰之が慌てて手を添えて支えてくれた。その心配そうな瞳が、俺の胸をちくりと刺す。 ジャージの上を脱ぎ捨て、意味ありげな目で弟をじっと見つめた。「兄貴……?」 「なぁ、辰之。しゃぶれよ」 「えっ……?」 脱いだジャージを弟の手に押しつけ、俺は低く続けた。「お前とヤってから、オナニーもしてない。かなり溜まってるんだ」 弟の顔が一瞬で真っ青になった。信じられないという表情で俺の視線を振り切り、しゃがみ込んでジャージを鞄に詰め込み始める。「兄貴……何言ってんだよ。ここ、学校だぞ……そんなこと、絶対ダメだって……」 声が震えている。動揺が丸わかりだった。それが妙に俺の嗜虐心を刺激する。「鍵はかけた。誰も来ない。言っただろ、溜まってるって」(……変な声が漏れたら職員室に丸聞こえかもしれないが、そんなことは言わない)「でも……ここじゃ……」 「俺を好きなら、とっとと言うこと聞けよ! 早くしろ!!」 俺はベッドの端に腰を下ろし、ジャージのズボンと下着を一気に膝まで下ろした。すでに半勃起状態の肉棒が、弟の目の前にぶらりと飛び出す。血管が浮き、先端が少し濡れていた。 辰之は床に片膝をついたまま、固まってしまった。視線を逸らそうとするのを、俺は顎を掴んで無理やりこちらに向けさせた。「見ろよ。さっきからずっと硬くなってる。お前が欲しがるから、こうなったんだろ?」「……兄貴、怖いよ……」 涙目で訴える弟の顔が、妙に可愛くて苛立つ。俺は片手で自分の肉棒を根元から握り、辰之の唇に先端を押しつけた。
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弟の悦び5

「とっとと口を開けろって言ってるだろ! 舌をしっかり絡めて、奥まで咥えろ。ちゃんと吸いながらしゃぶれよ!」 今まで溜め込んできたイライラを全部怒声に変えて、辰之を怒鳴りつけた。弟は肩をびくっと震わせたが、頰を赤く染めながらも、俺の熱く脈打つ肉棒に両手でそっと触れてきた。そして、ゆっくりと唇を開く。 熱く湿った口内に、俺の太い肉棒が沈み込んでいく。柔らかい舌と頰の内側が、敏感なカリ首を包み込む感触に、思わず声が漏れた。「あぁっ……くっ……」 「んっ……ぐ……っ! んぐっ……」 辰之の喉が鳴り、不器用に舌が絡みついてくる。ちゅっ、じゅるっ……と先端を吸われながら、頭を前後に動かされる。じゅぽじゅぽという卑猥な水音が、静まり返った保健室に響き渡り、学校でこんなことをしているという背徳感が俺の興奮をさらに煽った。「舌をもっと動かせ。そんなんじゃ全然足りねえよ」 俺は辰之の後頭部に手を置き、腰を軽く押しつけた。肉棒が喉の奥に当たる感触に、弟が喉を鳴らしてえずく。「もっと深く……そう、いい……喉の奥まで咥えろ。くっ……締まる……」 目尻に涙を浮かべ、必死に耐える辰之の顔がたまらなく淫らだった。えずきながらも舌を懸命に絡め、俺のものを咥え続ける姿に、嗜虐心が疼く。 だが弟の動きはまだ小さく、根元まで咥えきれていない。もどかしくなった俺は意を決し、辰之の頭を両手で鷲掴みにした。そしてベッドから立ち上がり、腰を激しく前後に振り始めた。「うぐっ! んぐうっ! ふぐっ……!」 「ここまでしっかり咥えろ! やればできるだろ!」 喉奥を容赦なく突くたび、弟の喉がひくひくと痙攣する。涙がぼろぼろと溢れ、唾液が口の端から垂れて俺の肉棒をさらにぬるぬるにしていく。それでも辰之は俺の動きを拒まず、一生懸命に舌を動かしながら吸い続けた。「俺が好きなんだろ? だったらその気持ちを込めてやれよ! そんな中途半端じゃ全然伝わってこねえぞ!」 頭を掴んだまま激しく喉を犯す。じゅるじゅるという激しい水音と、弟の苦しげな喘ぎが混じり合う。限界が近づいてきた。「あぁっ……はあっ……イクっ、イクぞ……!」 俺は左手で辰之の髪を強く引っ張り、肉棒を引き抜くと、右手で激しく扱きながら弟の顔に向かって射精した。 熱く濃厚な白濁が、辰之の顔面に勢いよくぶちまけられた。頰、鼻、唇、睫毛に
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弟の悦び6

「辰之、なんて顔してんだ……」 「あ、兄貴……?」 俺の精液でべっとりと汚れた弟の顔は、目がとろけ、唇を半開きにして息を荒げていた。完全に物欲しそうな、牝のような表情だ。「物欲しそうな顔しやがって。ナカに出してほしかったんだろ?」 言った途端、辰之は俺の太ももにぎゅっと縋りつき、熱い吐息を吐いた。「兄貴の、こんなに太くて硬いの……欲しくなるに決まってるでしょ。僕だって……気持ちよくなりたい……」 「なに言ってんだ。お前、好きでもないヤツとそんなことやるわけないだろ」 俺は冷たく言い放ち、縋りつく両腕を手荒く振りほどいた。そしてそのまま弟の胸を押し倒し、保健室の床に強引に仰向けにさせた。「俺のが欲しけりゃ、ちゃんと奉仕してから頭を下げて『お願いします』って言ってみろ。気が向いたら、相手をしてやるよ」 無様に横たわる辰之の下半身を、俺は容赦なく足で踏みつけた。すでに硬く勃起して先走りで濡れた肉棒と玉袋を、足裏でぐりぐりと押し潰す。「いっ……! いたぁっ!」 辰之が悲鳴を上げたが、俺はさらに荷重をかけ、足の裏をゆっくり左右に擦り回した。敏感な亀頭が足の裏で潰され、尿道口から我慢汁がにじみ出るのがはっきりと感じられる。「痛っ……はぁっ、兄貴……っ!」 痛がっているはずなのに、弟は震える両手で俺の足首にすがりつきながら、小刻みに腰を上下させて足裏に自ら擦りつけてくる。口の端からはよだれを垂らし、目が完全に蕩けていた。「お前、こんなことされて感じてるのかよ。この変態……!」 吐き捨てるように言って、さらに体重をかけ、肉棒を足でぐちゃぐちゃに踏み潰した。辰之の腰がびくびくと痙攣し、苦痛と快感が入り混じった喘ぎが漏れる。 その淫らな姿に苛立ちながらも、俺は脇腹を思い切り蹴り上げた。「ぐっ……!」 弟はくの字に身体を折り曲げ、痛みに耐えている。俺は素早く下着と制服を身につけ、乱れた息を整えた。(苦痛を与えたはずなのに……なぜか悦ばせてしまっている。これじゃ嫌われるどころか、ますます興奮させてしまうじゃないか……)「兄貴……もうおしまいなの?」 脇腹を押さえながら上半身を起こした辰之の顔は、まだ俺の精液とよだれで汚れたままだった。それをわざと拭かずに俺を見つめる姿に、背筋がぞわっとした。「辰之とはしないって言っただろ。しつこいな!」 俺は
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弟の悦び7

*** 知人を選別した結果、バレー部の先輩をチョイスすることにした。一番の要因はバイセクシャルのだというのと、性格が単純で操りやすいからだった。 先輩が現役のころは同じアタッカーということで、レギュラー争いをしている関係上、あまり仲は良くなかったが、引退してからは程よい距離感で接していた。 保健室を出たあと家に帰ってからLINEで連絡し、次の日の昼休みに屋上で顔を会わせる約束をした。目に映る抜けるような青空を前にして、心が重く沈みこむ。 これから先輩に頼むことは、弟から逃げるための手段にすぎない。それが成功するかはわからないが、自分の手を汚すことなく他人にまかせることに、どうしても良心がチクチク痛んだ。「黒瀬~っ、元気そうだな。あーあ、腹が立つくらいに天気がいい」「若林先輩も元気そうですね」「あまり元気じゃねぇよ。模試が終わったら学校の試験、それが終わったらまた模試の連続だし、その結果を見て気分が落ち込むからさ。元気でもストレスたまりまくり」 隣に並んだ先輩は、うんざりした表情で俺の顔を見つめる。背の高さが同じくらいなので直視される視線にちょっとだけ慄き、顎を引きながら口を開く。「そのストレスを発散するコトを提供しようと思って、ここに呼び出しました」 先輩の瞳に映った俺の顔は、見るからに意地の悪い面持ちだった。「おまえからそんな話が出てくるとか意外。そういうの嫌いそうなのに」 普段は見せない顔をしていたので、先輩はそこからなにかを察したらしく、親しげに肩をぶつけながら指摘した。「ちょっと困ったことがあって。若林先輩の手を借りたいなと」「え~っ、受験生に汚れ仕事を頼むのかよ」「汚れ仕事ですが、気持ちのいいコトですよ」「なになに、おまえと別れた彼女をヤれってこと?」 耳元で囁かれた言葉に、黙ったまま首を横に振る。彼女と別れたのを知っていることに、どうにも驚きを隠せない。目を瞬かせながら、横目で先輩の顔を眺めた。「黒瀬と言えばこのネタだと思ったのに、外してしまったか」「よく知ってますね。受験生で忙しいはずなのに」「いろんなことで暇つぶししなきゃ、学校ではやってけないだろ。それで本題はなんだ?」 くすくす笑いながら問いかけた先輩に、弟のことを語った。
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弟の悦び8

恋愛感情を振りかざしながら強引に迫られて困っている現状や、俺を諦めてほしいことを含めて丁寧に説明する。「なるほどねぇ。それでバイである俺に頼んでみたというところか」「はい、正直弟のことは持て余しています」「ところでその弟くん、どんな感じなんだよ。クソ真面目を極めたお堅い感じでぽっちゃり系とかなら、俺でも無理だからな」 俺は制服のポケットからスマホを取り出し、弟の写真を画面に表示させてから先輩に見せた。「……いいじゃん、タイプだ」「そうですか」「本当にいいのかよ。こんな可愛い弟を俺がヤっちゃって」 いやらしく瞳を細めて俺を見つめる先輩に、俺は気持ちをしっかり固めた。この話を第三者にした時点で、もうあとはない。(勇気を出せ、これは辰之のため。兄である俺を諦めてもらって、違うヤツを好きになったほうが、アイツは幸せになるに決まってる。そうに違いない!)「若林先輩、お願いします……。詳しいことはLINEで連絡しますが、今日の放課後は塾に行くとか、なにか用事はありますか?」「確かに塾はあるけど、黒瀬の頼みを優先するに決まってるだろ。今から楽しみすぎて、ヤりたくてたまらない」 先輩は目の前にある金網に両手を差し込み、ガチャガチャ前後に揺らした。「ありがとうございます。では今日の放課後、音楽室までご足労ください」 バレーボールを顔面でキャッチした昨日のことで、俺は大手を振って部活を休める。だからこそ、この機会を逃すつもりはない。少しでも早く決着をつけたかったのもあった。「音楽室っておまえ。どんなに大声で叫んでも、声が漏れないところに弟を呼びだすとか、徹底してるじゃねぇか。好きにしちまうぞ」「どうぞ、先輩におまかせにします。音楽室での流れをあとで送りますので、絶対に目を通してくださいね」 先輩に念を押して踵を返し、屋上をあとにした。 来たときよりも足が重いのは、どうしてだかわからない。好きだと言って傍若無人に迫る弟から逃げることができるはずなのに、気分が晴れないのは、どうしてなんだろう――。
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