それきり、私は二度と何もねだらなかった。――結局、私は自分の貯金箱の小銭をかき集めて、あのシールを買ったのだ。シールの裏側の台紙には、鉛筆でこう書かれていた。【おかあさんが もう おこらなくなったら、りあんの おくすりばこに はってあげる。そうしたら、もう かせいふさんも まちがえないから】父はドア枠にしがみつくようにして、ゆっくりと床にしゃがみ込んだ。母が這うようにして父に近づき、その手から星のシールをもぎ取る。透明なパッケージが、強く握りしめられてクシャクシャと音を立てた。彼女は立ち上がり、ふらつく足取りで玄関へ向かって走り出した。父が慌てて追いかける。「どこへ行くんだ!」母は私のピンクのノートと星のシールを胸に抱えたまま、裸足のまま冷たい廊下のタイルを踏みしめ、エレベーターホールへと駆け出した。「病院よ!」母は叫んだ。「お医者様に言いに行くの!星那はちゃんと理安の背中を叩けたし、薬箱にシールも貼ろうとしてた!あの子は……あの子は、悪い子なんかじゃないって……!」エレベーターの扉が開いた。中には、同じマンションに住む二人の住人が乗っていた。彼らは母の異様な姿を見ると、無言のままサッと隅へ避け、道を譲った。だが、母はエレベーターには乗り込まず、不意に振り返って誰もいないリビングに向かって声をかけた。「星那。さあ、お母さんと一緒に行きましょう」私は玄関に立ったまま、一歩も動かなかった。どれだけ待っても、私が母の元へ行くことはもうない。やがて、エレベーターの扉がゆっくりと閉まった。母が胸に抱きしめていた星のシールのパッケージは、強く握り潰すように抱えられ、角が不自然に折れ曲がっていた。結局、母が病院へ行くことはなかった。エレベーターが一階に着いた途端、母は床にしゃがみ込み、星のシールを抱え込んで一歩も動かなくなってしまったのだ。「病院の廊下は明るすぎるわ」母はうわ言のように繰り返した。「もし星那がその光を見たら、家に帰る道がわからなくなってしまうかもしれない……」父がうずくまった母の肩を抱え上げるようにして支え、家まで連れ帰った。その道中、母はずっと私の名前を呼び続けていた。近所の住人たちがドアの隙間からその様子を窺っていた。事情を知らない小さな子どもが「どうし
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