All Chapters of 【男の娘BL】ボクと彼の、はじめてだらけの恋物語!: Chapter 11 - Chapter 20

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エピソード11 ボクたちの初弱点披露会

 夏バテとか、デートで宿題をサボりすぎたので、タケルくんのおうちで宿題退治中! 「先行してるから、わからないところは教えてやるよ」と言うので、ありがたく、教えてもらってます。 タケルくん、ほんと教え上手で、ささいな弱点を除けばほんと完璧超人だなー。 弱点といえば。「ねー、タケルくんって、料理が苦手、長距離走れない以外に、苦手ってあるの?」 シャーペンで筆算しながら、ふとした疑問を尋ねる。「そこ、9じゃなくて7な。そうだなー。実は、球技がすっごい苦手」「え? スポーツ万能そうなのに?」 思わず顔を上げて、彼を不思議そうに見てしまう。「意外だろ。でも、サッカーもバスケもドリブルできない、シュート入らない、パス通らないの三重苦でな。野球はノーコンで三振王でエラーマンなんだよ」 そう言って、肩をすくめる。「ええ~! ほんと意外!」「だろ? ボールとだけは友達になれる気がしねーな。サッカーとかバスケは、バテちまうし」「その、タケルくんが長距離苦手なのさ、なにかこう、科学的な理由とかあるの?」 素朴な疑問、その二。「んーとさ、筋肉には二種類あって、遅筋と速筋てんだけどさ。遅筋は持久力に、速筋は瞬発力に優れてる」 頷きながら、聞き入る。「で、その割合ってのが、人によって違ってな。速筋は訓練で遅筋にできるけど、その逆は無理。だから、なるべく遅筋化しないように、気をつけてるんだ」「へー」 思わず感心。物知りだなー。あの十秒ダッシュ訓練には、そんな意味があったのか。「マグロっているじゃん? あれ、泳いでないと窒息死するんだけど、なんで死ぬまで泳ぎ続けられるかってーと、遅筋の塊だからなんだな。逆に猫は速筋が多くて持久力がないから、ほとんど寝て過ごしてるんだ」「ほえ~。タケルくん、頭良すぎでしょ~」 さらに感心。「お褒めに預かり、光栄だぜ。スポーツの本に書いてあってさ。それで知った」「ほんと、勉強家だねー。他には苦手ないの?」「おっと、今度はそっちの番だぜ。なにが苦手?」 ボクかー。とりあえず思いつくのは……。「やっぱり、虫、かなあ」「わかりやすいなー。そこがまた、女子力高い!」 サムズアップされる。「えへへ。ありがと。むしポ○モンもねー、あまりゲットしないんだー。いまいち、コンプリートとかも興味ない性格だし」「チョウチョとか
last updateLast Updated : 2026-06-26
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エピソード12 ボクたちの初ストレッチ

「お前の弁当、妙に少なくね?」 今日は、タケルくんちでお勉強会。で、お昼になったので、おなじみ手作り弁当を開封したのですが……。量の少なさに、心配顔の彼。「あー……。ダイエット、始めたんだ。一キロ増えちゃって」「そりゃ、成長期だからじゃないのか?」「まー、両親もそう言うんだけどね」 ちょこちょこ、箸をつけ始める。「うーん、正直、『食べないダイエット』はおすすめしないぜ。オレら、育ち盛りじゃん。将来にいい影響ないって」 ほんとに、心配そうだ。「去年さ、そーゆーダイエットにハマっちゃった女子がいてさ。最終的に、授業中に倒れて、救急車で運ばれる羽目になったんだよ」「あー! ひょっとして、三学期の!?」 頷く彼。 ボクのクラスでも、救急車が来た! って、騒ぎになったなー。授業中だったから、先生が無理やり収めたけど。「あれから、進級まで会わないままクラス別になったから、あれからどうしてるのか……。お前には、そんな不健康な痩せ方してほしくない」 至って、目が真剣だ。「わかったよ……。でも、ボクどうしたらいい?」「まず、病院で、体重増加の原因を調べてもらえ。んで、医者の指示に従うべきだな」「もし、太ってたらどうしよう?」 不安な視線で、控えめお弁当を見つめる。「きちんと食べて、きちんと運動! んで、よく寝る! これだな」「なんか、ありきたりだね」 ため息をつく。「効果的だから、ありきたりなんだよ」 そりゃま、そーなんだろーけど。「タケルくんさ、運動詳しいでしょ? いい美容運動とか知らない?」「そりゃさすがに、管轄外だなあ。でも、ストレッチなら教えられるぜ」「ストレッチって、そんなに痩せ効果あるの?」 身を乗り出す。「痩せ効果はわからんけど、そこそこいい運動になるぜ。飯食い終わったら、家から体操服取ってきてくれ。教えるからさ」 タケルくんが勢いよく食べ始めるので、ボクも頑張って追いつくのでした。  ◆ ◆ ◆ 「さて、まずクイズ。ストレッチの目的とは、なんぞや?」 ソファとテーブルをどかしたリビングで、距離を取って対面になるボクら。「えー……? 体をほぐすこと?」「当たり。だから、ヘトヘトになるまでやったり、体が痛いのに続けるってのは、逆効果。運動で怪我をしないためのストレッチで怪我したら、本末転倒だ」 うんうん
last updateLast Updated : 2026-06-26
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エピソード13 ボクたちの初甘えさせ

「ねえ、タケルくん」 ボクのおうちで宿題退治中、真剣な表情で、彼を見つめる。「どした? わからないところでも、あるか?」「ううん、違うの。あのね、ボク、今めっちゃタケルくんのこと、甘やかし倒したい!」 ぽかんとする彼。「えーと、スマン。順序立てて説明してくれ」「だって、突然そういう衝動に目覚めちゃったんだもん! 順序もなにもないよ!」「ええ……」 タケルくん、困惑。まあ、そうなるよね。「具体的には、なにするのさ」「んー……。定番の耳かきとか?」「ふむ」 考え込んだ後。「まー、休憩ってことで、そういうお遊びもアリか」「やったー! ヘラと綿棒、どっちがいい?」「オレ、耳垢カサついてるタイプだから、ヘラかな?」「りょーかーい!」 勉強机の引き出しから、さくっと取り出す。「勉強机に、そんなん入れてたのかよ」「んー? たまに自分でやると、気持ちいいからさ。ささ、膝枕どぞ~」 ベッドに腰掛け、スタンバイ。「お、おう。なんというか……。小っ恥ずかしいな……」 膝枕モード!「冷えるだろうから、タオルケットかけてあげるね」「おう」「じゃー、いきますよ~」 こしょこしょ、こしょこしょ……。「うは、くすぐったい」「頭動かさないで~。危ないよ~」 こしょこしょ、こしょこしょ……。「お客さん、結構溜まってますね~」「そういや、割と久しぶりだな、耳かき」 こしょこしょ、こしょこしょ……。「あ~……気持ちよくなってきた~……」 うとうとと、とろけるタケルくん。うふふ。 こしょこしょ、こしょこしょ……。「はーい、反対側~」 ……へんじがない。ただのタケルくんのようだ。「タケルく~ん?」 静かに囁くけど、返事なし。なんと、タケルくんは眠ってしまった! 疲れてたのかなー? どうしましょ。 よし、いつぞやのお返しだ! 寝顔観察タ~イム! ……。普段、精悍な感じだけど、こうして、無防備な姿を見ると、やっぱりまだ、小学生なんだなあって感じる。 ふふ。か~わい~。 タケルくんが、ボクを三十分見てても飽きなかったって気持ち、わかるなー。 ぷに。「ん……」 ふふ、ほっぺつついちゃった。よく寝てますねえ。 髪を撫でる。うふふ、赤ちゃんあやしてるみたい。 赤ちゃんかー。将来、せめて養子取りたいね。 自分の髪も撫でてみ
last updateLast Updated : 2026-06-26
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エピソード14 ボクたちの初メイク講座

 今日も今日とて、我が家でタケルくんと宿題退治中。現在、手作りみかんゼリーを食べながら休憩中。「うまいうまい」と褒めてもらって、嬉しさひとしおだけれど……。「ボク、顔にゼリーついちゃってる?」 タケルくんが、ボクの顔をなにやらチラチラ、ときにはまじまじと見るものだから、気になって尋ねる。「あー……いや、お前、もしかして、今日化粧してる?」「気付いた!? やっと気づいてくれたー! うれしー!!」 ハイテンション!「お、おう。しかし、なんでまた今日だけ?」「あ、それ違う。ボクね、小三ぐらいからかな? 学校ない日は、たいてい薄ーくメイクしてるんだ」「えー! じゃあ、オレとこうやって会ってる時、いっつもメイクしてたのか!?」 彼、驚愕。「ピンポンピンポーン! ただね、薄すぎたのかなーって、少しずーつ、濃くしてたんだ。で、今やっと、気づいてもらえたってワケ!」「はー……。今まで、気づかなくてゴメンな」「いいよ。タケルくん、化粧濃いの苦手かなって、どこまでオッケーか、少しずつ試してたんだから。で、これは平気?」「うん。逆に、お前の基準でケバくない程度にメイクしたら、どうなるのか見てみたい」 おっと、意外なリクエスト!「じゃあ、ちょっと今のメイク落としてくるね」 そう言って、洗面所に向かい、メイクを落としてくる。「ただいまー」「それがお前の、すっぴんってわけか。メイク要らないぐらい、十分かわいいじゃん」「ありがと。正確には、再スキンケア済みだけどね。なんていうかね。メイクは、オンナの身だしなみなのですよ。男の人の、ひげ剃りと同じ。さて……」 化粧道具とミラーを、テーブルにセット!「いきますよ~」「なんか、わくわくするな」「まず、日焼け止めを最初に塗るんだけど、今日は外出の予定ないから、今回は省くね」 ふんふんと、頷かれる。「続いて、化粧下地。文字通りのものね」 チューブから適量絞り、塗り塗り。「お次は、ファンデーション。これ、場所によって、薄くしないと駄目なんだ」 これまた、濃淡に気をつけて、塗っていく。「次は、目にクマなんかできてたら、コンシーラーっての使うんだけど、今日はおハダバッチリだからね。これも省略。で、フェイスパウダー」 ぱたぱたと、つけていく。少しずつ仕上がっていくボクを、真剣に見つめるタ
last updateLast Updated : 2026-06-26
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エピソード15 ボクたちの初サイクリング

 今日も今日とて、タケルくんとデート! 比較的気温が低めとのことで、今回のプランは河川敷までサイクリングして、ピクニック! 空模様は……怪しくない。屋根なんかない場所に遠出するのに、公園デートの時みたいに、土砂降りになったら、困るものね! ボクの装備は、電動アシストのママチャリと、保冷バッグに入ったお弁当、あーんど、ストレッチの時教えてもらった、はちみつ漬けレモン少々と、同じく薄味スポドリ! あとは、ピクニックシートと、重し! タケルくんの家に行ってから、川に向かった方が早いので、タケルくんちに寄って行くよ! しゅっぱーつ!  ◆ ◆ ◆  とうちゃーく! チャイムを鳴らすと、「どなたですかー?」と、愛する人の声が!「ボクだよー! 行こー!」「お、ちょっとまっててな」 しばらくすると、タケルくんがロードサイクルを引きながら、出てきました。「こんにちはー! 今日は、いい感じだね!」 なんせ、風があるのがありがたい。これだけでも、若干暑さが和らぐというもの。「おー。今日もかわいいな! さすがに、今日はズボンか」「これ、ズボンじゃないよ。キュロットスカートっていう、立派なスカートなのです。ふふふん」「あー、たしかに、スカートって言われりゃ、そう見えなくもないな」 今日のボクは、白のキュロットスカートに、水色のノースリーブ。そして、白い自転車用ヘルメット! ほんとは、麦わら帽子が良かったんだけどね。最近こういうの、色々うるさいから。「このキュロットスカートがねー。風が強い日の、妥協点なの。女物のパンツってね、当たり前だけど股にアレがないのが前提だから、履くと具合悪いし、なにより、似合わないからね」「パンツ? ズボンじゃなくて?」 ちょっと、首を傾げる彼。「女物の世界ではズボンじゃなくて、基本的にパンツって呼ぶよ。男の人でいうパンツにあたるのは、ショーツって呼ぶの」「へー」 無駄知識が増えた、タケルくんでした。 タケルくんは公園デートのときと同じ格好だけど、帽子だけ緑の自転車用ヘルメット。肩に、ドリンクボトルをかけている。 お気に入りなのかな、この上下。「すまんなー。ほんとは、荷物運んでやりたいところだけど」 ロードサイクルじゃ、仕方ないね。「ボクはヘーキ! 電動アシストは伊達じゃないよ! 暑
last updateLast Updated : 2026-06-26
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エピソード16 ボクたちの初幸せおかわり

 爽やかな風に吹かれながら、タケルくんちにとーちゃーく!「はー。今日も幸せを満喫したよ~。名残惜しいけど、それじゃあ……」「ちょい待ち。うち、両親帰って来るまでだいぶ時間あるし、良かったら寄ってかね?」 自宅に向かおうとするボクを、呼び止めるタケルくん。 なんと! 今日は、幸せのおかわりがいただけてしまうのですか!「いいの?」「いいから誘ってる。逆に、そっちの都合は?」「んー。暗くなると、危ないけど……」 空を見上げると、まだまだ陽が高い。腕時計を見れば、意外にもまだ三時手前。結構、河川敷でまったりしてた気がするんだけどな。「うん。お言葉に甘えちゃおっかな!」「そうこなくちゃな! 一緒に、アイス食おうぜ」 お庭に自転車を駐めさせてもらい、彼氏に誘われて、そのままうちへ……という、なんだか素敵なシチュエーションに突入しました。うきうき、どきどきしちゃうね! リビングに入ると、エアコンを入れるタケルくん。家の中が、まだ暑い。「じゃ、アイスよそってくるな。テキトーに、くつろいでてくれ」 そう言い残して、キッチンに行ってしまいました。 そういえば、この家のリビングって、あんまり入ったことないな。ついこないだ、ストレッチしたけど。ボクら、いつも互いの自室で過ごすことが多いもんね。「おまっとさーん」 コーラのグラスと、ガラスの小鉢に入ったチョコアイスをトレイに載せて、戻ってきました。「悪いな。カ○ピスソーダとバニラアイスは、切らしてて」「ううん。ありがとう」 配膳後、彼も着席して、いただきます!「んー! おいしー!」 暑い中、結構な距離を自転車漕いできたから、アイスがバツグンに美味しい!「タケルくんって、チョコ好きなの? 公園でも、チョコソフトだったよね」「そうだな。アイスのフレーバーでは一番好きだし、板チョコなんかも好物だ。なんてのかな。チョコ独特の、コクが好きなのかな?」「へー。ボクは、アイスならバニラかなあ。なんか、基本! って気がして。あ、禁断の質問していい?」 身を乗り出す。「ん? なんぞなんぞ?」 向こうも、身を乗り出してくる。「チョコミント、あり、なし?」「あり!」「ボクもー! 気が合うねー!」 「いえーい!」と、手の平を、ぺしーんと打ち合わせる。歯磨き粉なんて言われたら、泣くところだったよ!「ね
last updateLast Updated : 2026-06-26
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エピソード17 ボクたちの初先輩

「おーす!」「いらっしゃーい」 今日はタケルくんが、うちに来ました。「ちょっと、キッチンに寄っていいか?」「いいけど……」 はて、珍しい。また、おそうめんでも作ろうってのかな?「よっと」 彼がリュックを下ろし、ジッパーを開けると、ラッピングされた大きな箱が出現!「なにこれ、どしたの?」「バウムクーヘン。ほら、いつもお前がオレに弁当とか用意してくれるじゃん。だから、オレのぶんの昼食代・おやつ代がだいぶ浮いてな。それじゃ申し訳ないってんで、せめてものお返しにって」 テーブルの上に、バウムクーヘンが置かれる。「えー! ボクが好きで作ってるんだから、気にしなくていいのに~」「まー、おふくろの厚意だから、無下にせんでやってくれ。やっぱり小学生から、もらいっぱなしってのはな」 「どっちの気持ちも、わかるのがな」と、自分の後頭部を、撫でる彼。「うーん、じゃあお言葉に甘えて。夜になったら、お礼の電話しなきゃ。あ、タケルくんも一緒に食べようよ!」「そりゃ駄目だろ。厚意の贈り物なんだから。オレが食っちゃ、意味ないよ」「あー、そだね。じゃあ、お父さんたちが帰ってきたら、いただくね」 冷蔵庫にしまう。「ところで、今度はキウイゼリー作ってみたんだけど、これは食べてくれるよね?」「お、サンキュ。ほんと、お前には、もらってばかりだなあ」「それこそ、気にしないでよ。ボクだって、タケルくんには守られっぱなしだし、手作りの料理やお菓子を、美味しい美味しいって食べてもらえるの、すごく嬉しいんだよ」 入れ替えに、ゼリーと飲み物を取り出し、トレイに載せる。「じゃあ、上に行こうか」 おやつを持って、自室に向かうのでした。  ◆ ◆ ◆ 「さて、一つ目の用事が終わったわけだけど……」「まだなにかあるの?」 首を傾げる。「ああ。これ、親戚のおじさんが、自由に使いなさいって」 そう言って、渋沢さんを二枚、テーブルに出す彼。思わずむせてしまう。「大丈夫か!?」「二万円って……! ちょっと、どういうアレ!?」 呼吸を整えると、我ながら意味不明な問いかけをしてしまう。「んーと。最初に、謝っておくことがある。おじさんに、お前との仲と、お前の秘密を話した」「な……! それはひどいよ!」 さすがのボクも、怒る。タケルくんに怒ったの、これが初めてかも知れない
last updateLast Updated : 2026-06-26
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エピソード18 ボクたちの初水族館・前編

 その夜。「タケルくんのおじさまのご厚意だし、うちが口を挟むものではないかしらね。自由になさい」といった感じで、お母さんが、まずマル。で、お父さんも。「お母さんがそう言うなら」と、同意してくれました。 ちなみに、お母さんはわりと初期から、ボクらの恋を応援してくれてるけど、お父さんはボクを「娘」として見る事に決めたようで、大事な一人娘に男が! と、当初やきもきしてました。 そこで、実際会わせてみたら、優しくて誠実な、タケルくんの人柄を理解してもらえたようで、現在両親公認の仲です。 ボクはボクでタケルくんのご両親にご挨拶し、例のおじさんを兄に持つ身なので、大変親身になってくれて、ボクもすごく気に入ってもらえたみたいです。双方、両親公認! それはさておき、じゃあどこでデートする? という話に。 ボクは最初、サンリオピューロランドを推したけど、タケルくんが難色を示しました。まあたしかに、タケルくん、サンリオってガラじゃないね。 「ほんとに小さい頃は、シナモンとか好きだったんだけどな」とは、彼の弁。 それじゃあってんで、続いてサンシャイン水族館を提案したら、こちらは快くOKをもらえました。 東京だと、しながわ水族館との二択で迷ったんだけどね。両方行けばいいや! って。あとは、多摩動物公園なんかも、魅力的だったけど。 少しでも空いてる日にということで、平日を狙って、行く事になりました。  ◆ ◆ ◆  当日。朝早くから準備して、池袋にGO! 平日の通勤ラッシュを外しても、結構な乗車率の電車内で、紳士的にタケルくんが席を譲ってくれたけど、それに甘えちゃうと良くないなってんで、交互に座る事に。 途中、ヘルプマークをつけた方が乗ってきたので、席を譲り、タケルくんはつり革、ボクは手すりに掴まって、小声でおしゃべり。「そういえば、タケルくんご一家のキャラだと、あの二万円、断りそうなものだけど、よく受け取ったね。変な言い方だけど」「あー。最初は、こんなにいただけませんって、三人で断ったんだよ。で、善意の押し合いの末に、おじさん、『頼む、受け取ってくれ!』って、涙流しながら、頭下げてきちゃって。さすがに、断れない空気だなって」「おじさん、ほんと情に厚いんだねー」 そして、愛する人との別れが、すごく深い、心の傷になってるんだ。 池袋にとーちゃーく! で、サ
last updateLast Updated : 2026-06-26
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エピソード19 ボクたちの初水族館・後編

 アマゾン、東南アジア、アフリカ、マングローブ河川といった、エキゾチックな川々を模した水槽を巡っていく。 マングローブって不思議だなー。なんで、根腐れ起こさないんだろ? ポトフの先代を育ててた頃、謎に枯れちゃって、小さかったボクは混乱して悲しんで、両親に相談してみた。 でも、ふたりとも園芸に詳しいわけではないから、必死に調べてくれて。どうやら、お水をあげすぎてしまったらしい。 当時のボクは、お水はあげるほどいいと思ってたから、それは衝撃的で。尊い犠牲の上に、今の元気なポトフくんがすくすく育ってるわけです。「おーい、どした? 進まないと」「あ、ごめん」 つい、考え事を。移動~。 続いては、両生類と爬虫類の水槽。う~ん、け○っぴはかわいいのになあ。どうにも、リアルカエルは……。 次に移動すると……アザラシ! や~ん、かわいい~! パシャリ!「お前って、興味が態度と顔によく出るよね」 タケルくん、苦笑。「えー? そう?」「さっき二つの水槽とここで、全然キラキラ度違うぜ」「あう~」「さ、後がつかえてる。進もう」 アザラシくんとお別れ。しょんぼり。 続いて南海! おお~、鮮やか~!「なんで、南の魚って、こんなカラフルなんだろうね?」 タケルくんに訊いてみると、さすがのタケルくんも、「さあ~? 言われてみれば、不思議だな」と、首を傾げてました。 続いて、日本の川。おお、ヤマメにイワナに鮎! どれも、塩焼きが美味しいんだよね~。 養殖の鮎以外は、スーパーで手に入りにくいのが難点だね。昨日の夕食も、ちょうど鮎だったな。「食べる事、考えてるだろ」「うっ。わかる?」「ほんと、顔に出やすいよな」 むう。パンフを見ると一周してたようで、自販機とかトイレのエリアに戻ってきました。「上に、タ○ーズがあるらしいぜ。給水はいいかな」「トイレだけ行っとこ」 女子トイレって、ほんと混むんだよ……。それでも、絶対男子トイレは使いたくない。 ……ふう。 では、屋上へ~!  ◆ ◆ ◆ 「アシカだ! ショーやってるよ!」 タケルくんの手を引いて、アシカショーの観覧席に着席! かわいい~! すごい! 算数解いてる! 頭いい~! ご褒美に、お魚もらってますよ。 あとは、アシカといえばこれ! な玉突き。「かわいい! かわいいよ
last updateLast Updated : 2026-06-26
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エピソード20 ボクたちの初めてで、一旦最後の……

 今日は、タケルくんちで宿題退治。 持参したパインゼリーを食べていると、タケルくんがやたら真剣な顔つきで、ボクを見ていることに気づきました。「顔、ゼリーでもついてる?」「あー、いや……。これ、訊いていいものかどうかって思って」「なに? 気になるじゃない。とりあえず言ってみてよ」 ゼリーとスプーンを、一旦置く。「んーとさ。興味本位な感じの質問で、アレなんだけどさ。お前って、いつから、どういうきっかけで、自分の心が女だって気付いたのかなって」「……タケルくんになら、話してもいいかな。ボクね、保育園でよく泣く子だったらしいんだ。で、何が悲しいのか言語化できないから、保育士さんも、両親も困っちゃってね。そんなのが続いたある日、お母さんと一緒にお風呂入ってる時、『いつ、ママみたいな体になれるの?』って訊いたんだって。で、これでさすがにピンときて、必死にジェンクリ探して、今に至るってわけ」「はー……」 もはや、言葉が出ない感じみたい。「でもね。ボク、そろそろ限界で」「え、おい、自殺とか考えんなよ!?」 慌てて、立ち上がりかける彼。「しないよ、そんなこと。ただ、二十万円弱出せば、問答無用で玉を取ってくれるクリニックがあるらしくてね。そこで取っちゃえば、今の主治医の先生も、ボクの覚悟っていうのかな。本気度が伝わって、女性化を進めてくれるのかなって」 二十万円。タケルくんのおじさんがくれた、お金の十倍。そんな大金、両親が出してくれるだろうか。そのためなら、土下座だって、なんだってする。 すると、タケルくんが立ち上がって、背後から抱きしめてきた。「お前、ほんとに覚悟決まってるよな。この小さな体に、でっかい悩み抱えてさ。なのに、オレはなにもしてやれない」 慰めるように、そして、無力を嘆くように、ぎゅっと力を入れてくる。「ううん。タケルくんと恋人になれただけで、ボク、幸せだよ」「強がりだ」「だね。でも、今言ったことは、本当だよ」 手に手を重ねる。「キス、したい」「ボクも」 唇を重ね合わせると、タケルくんが、舌で唇の間をつついてきた。意図を理解し、唇を緩めると、彼の舌が、入ってくるので、ボクも舌を合わせる。 そして、絡め合うと、いつもの軽いキスとは違う、なんとも言えない感覚が、舌を伝う。 さらに、互いに口の中をまさぐり合う。 心臓が、爆
last updateLast Updated : 2026-06-26
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