All Chapters of 【男の娘BL】ボクと彼の、はじめてだらけの恋物語!: Chapter 31 - Chapter 40

43 Chapters

エピソード31 ボクたちの初オトナ談義

 今日も今日とて、我が家で宿題したり、ポ○モン休憩したり。 そうして過ごしていると、不意にタケルくんが……。「なあ、オトナになりたくないか?」 と、身を乗り出してきて、真剣な表情で見つめてくる! え? えええー!?「あ、いやその。ボク的には、まだ、ちょっと早いかなーってゆーか。やっぱり、SRS済ましてからじゃないと、ちょっとあれかなあって……」 頬を熱くしてうつむき、人差し指同士をもじもじ。「待て待て待て待て! 何の話だと思った!? いやな。おじさんマネーも、思ったほど余ってないなあって」 色んな意味がこもっているであろう、ため息をつく彼。「あ、はい! あ、えーと。おいくらほど残ってるの? かなり乏しい感じ?」 恥ずかしい勘違いに気づき、さらに頬を熱くしながら尋ねる。「ざっくり、もう半分以下」「えー!? そんな使い込んだっけ!?」「そんなに使ったつもりは、なかったんだけどな。ふと思い立って、勘定してみたら」 むう。そんな使ってたかー。大きな出費というと、水族館とお祭りぐらいだけど。 お母さん、よく「お金に羽根が生えて飛んで行く」って言ってるけど、ほんとだね。「オレら小学生には、二万円なんて大金だけど、結構あっさり溶けるもんだなあ」 タケルくん、またため息。「こないださ、『名選手になったら、百万円ぐらい、ポーンと稼げるようになりたい』なんて言ったら、親父に、『百万円じゃ、一年も暮らせないよ』って苦笑されてさ。『大人って、そういう金銭感覚なんだなあ』って思って」 三たびため息。「でさ、じゃあその大人の世界でガッツリ稼いで、お前と色んなとこで、デートし倒したいなって」 あー。さっきの話が、やっと腑に落ちた。「大○翔○いるじゃん?」「うん」「将来、あれぐらい稼げるようになるかなあ?」 思案顔で、またため息。ため息つくと、幸せが逃げるというけれど。大丈夫かな、タケルくん。「そうだねー。ボクも、ホルモンだの手術だの、自分で稼げるようになるまで、お父さんたちに、随分負担かけちゃうだろうからなー」 ボクまでため息。 なんか、空気重いな。話題を変えよう。「タケルくんはさ。お金持ちになったら、どんなことするの?」「そりゃもー、お前と世界一周旅行とか」「おおー! スケールおっきいー!」「オレ、いろんな世界、観てみたくてさ」
last updateLast Updated : 2026-06-26
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エピソード32 ボクたちの初ママ体験

 今日は、タケルくんのおうちで宿題退治。 おやつとして、チョコを出してもらいました。 甘党のタケルくん。さぞかし甘~いことでしょう。ぱくっ。 ……? なんか、苦いな?「ねえ、タケルくん……このチョコ、ビターチョコとはまた違う、変な苦さなんだけど?」「ん?」 彼も一つつまみ、咀嚼。「あっ! これ、酒入りじゃねーか! 親父のだな!? あれほど、テキトーに冷蔵庫に入れるなって言ったのに……。悪い。片して別の……」「うふふ~」 あれ~? なんだか、すごく気持ちいいですよ~?「ちょっ、まっ! お前、顔真っ赤じゃん! これ一つで、そんななっちゃうのかよ!」「タケルくん!」 ふらふらしながら、ビシッとする。「お、おう? なんだよ、ほんと大丈夫か?」「ボク、タケルくんを育児したいです!」「はあっ!?」 あごが外れそうなぐらい、驚く彼。「具体的に言うと、赤ちゃんにしたいです!」「ええ……?」 ドン引きしてるー。あははー。「哺乳瓶と粉ミルクない?」「ないないないない!」「そっかー。ボクが、おっぱいあげられたらなー」 しょぼんと、平たい胸を絞りながら言うと、タケルくん、むっちゃ咳き込みます。「ちょっと水飲め! 持ってくるから! な?」「だめですー! タケルくんは、赤ちゃんになるまでこの部屋を出られません~」 素早く回り込むと、「ひいいいいい!」と悲鳴を上げられる。「タケルちゃーん。ママがなーんでも、ちてあげまちゅよ~。なにがいいでちゅか~?」「とりあえず、そのスター状態、解除してください! お願いします!」「それはできませーん。ママの言う事、聞かなきゃ駄目でちゅよー?」 イヤイヤするタケルちゃんに、人差し指を振り振り、愛の「めっ」をする。「タスケテタスケテ……」「どーちたのー? とりあえず、膝枕してあげまちゅねー」「アッハイ。そのぐらいなら……」 手をつないでベッドに向かうと、震えてる? エアコンが強いのかな?「タケルちゃん、ちゃむくないでちゅかー?」「ある意味、めっちゃ寒いです……」「あらあら。タオルケット、かけまちょーねー」 膝枕してあげながら、タオルケットをかけ、とんとんしてあげる。 なんか、タケルちゃんの目が虚ろなのは、気のせいかな?「いい子でちゅねー。ふわあ……。なんだか、ママも眠くな
last updateLast Updated : 2026-06-26
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エピソード33 ボクたちの初ボランティア

「児童館?」 タケルくんと夜に通話中、そんな単語が彼から飛び出ました。「おう。ボランティアで、たまにちびっこの相手するんだけどさ。お前もどう?」「子どもか~。どんな事するの?」「んー? そりゃま、遊び相手だな」 へー。「面白そう! 行く行く!」 かくして明日、児童館へ! ◆ ◆ ◆「館長さん、ちーす」 責任者らしきおじいちゃんに、ご挨拶するタケルくん。ボクも、「はじめまして」とご挨拶。「おお、こんにちは。そちらは?」「へへー。カノジョ!」 ビッとサムズアップする、タケルくん。「へえ。隅に置けないねえ。じゃ、今日もよろしくたのむよ」「あいあいさー。水飲んだら、行こーぜ」 給水機で喉を潤すと、「遊戯室」に向かう。「にーちゃん! 久しぶりじゃんかよー!」「そのおねーさん、コイビト?」 タケルくんを見ると、わらわらと集まってくる、小学校低学年ぐらいの子どもたち。 彼が、一人ひとりに気さくに挨拶していくので、ボクも「はじめまして」とご挨拶。「ねね、コイビト? コイビト?」 おませさんな女の子が、食い下がって質問する。「おーよ。もう、ラブラブだぜ」 サムズアップ。つい俯いて、頬が熱くなる。タケルくん、臆さないなー。 女の子たちが、「きゃー!」と騒ぐ。「今日は、何したい? 鬼ごっこやるか?」「やだー。タケルにーちゃん、無双すんだもん」 はは。ですよねー。「暑いから、中で遊ぼーよ」「そか。ところで」 ボクに、目配せする、タケルくん。「はいはーい。差し入れですよ~」 クッキーの入った袋を広げる。「ボクの、手作りなんだー。とりあえず、一人一個までね」 子どもたち、大喜び! さっそく、もぐもぐタイム。 うんうん。掴みはオッケー!「さて、室内遊びか」 人数をカウントするタケルくん。ちょうど十人。「どーすっかなー。ウ○もジェ○ガも、人数が多すぎるな」「ボクとの二班に、別れようか? 女子は、ボクが相手するよ」「そーすっか。助かる」 というわけで、男子チームと、女子チームに別れて遊び開始!「おねーちゃん、何して遊ぶ?」「んー? みんなは、何がいい?」 すると、ブロック遊びやトランプ、ウ○、ジェ○ガなど、見事にバラバラ。 困ったね。じゃんけんが公平ではあるけど、好きでもない遊びにつきあわされてもねー。 
last updateLast Updated : 2026-06-26
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エピソード34 ボクたちの初ピンチ!

 夜。ウキウキドキドキモードで、タケルくんのスマホにコール。 ……出た!「やったよー!!」 喜びのシャウト!「うお! 耳が痛えって! なんだよ、大声出して」「ふへへ~。ついにー……ドクターから、GIDの診断書をもらったのです!! 一歩前進!」「おお、やったな!」「うん! これからは、なんか変な疑い持たれたとき、お守りになってくれるんだよ~」 もう、顔も声も、緩みっぱなし。「あれか? トイレとか更衣室も、ちゃんと女子の方使えるようになるのか?」「んー……。今、先生たち学校休みだからね。正式な話し合いは、二学期になってからになると思う」「そか。もっと早くもらえてたら、女子生活、謳歌できたかもしれないのにな」「まーね。でも、こうして現物を見てるとね。じーん……ってきちゃうんだ。さっきから、何度も読み返してる」 夢にまで見たアイテムが、今、ボクの手の中にある。「タケルくんの方は、どう?」「んー? 可もなく、不可もなく。ただ、運動会では突っ走りまくるべく、鍛えてるぜー。活躍、楽しみにしててくれよな!」「うん! でさ、診断書もらった記念に、どっかでデートしない?」「喜んで! と言いたいけど、こないだ話したように、おじさんマネーもちと厳しいからな。その上で、どっか候補あるか?」 「んー……」と、しばらく悩む。 レジャープールは、たとえ更衣室問題がクリアできたとしても、やっぱり、パレオが外せないのがねえ……。 動物園とかでもいいけど、こう毎日暑いと、屋内型のレジャーの方がいいし。 あ!「タケルくん、恋愛映画ってイケるクチ?」「正直、アクションの方が好きだけど……。お前が観たいなら、付き合うよ」「いやいや! 嫌なら嫌って、言っていいから!」 気を遣わせないようにする。「嫌ではないな。恋人と一緒に恋愛映画なんて、それこそ定番シチュじゃん。むしろ、一度やってみたい」「本心?」「本心」「じゃあ、何見るか決めよ!」 ポケ○ン映画やってたら、それ一択だったかもだけど。「コ○」以来、相変わらず音沙汰ないんだからしょうがない。「じゃあ、明日うち来いよ。それとも、オレが行くか? 二人でスマホ使ってたら、調べらんねーし」「わかった! じゃあ、お昼ごはんと、デザートのリクエストして! ボクんちでごちそうするよ!」 ウキウキ乙女モードで提
last updateLast Updated : 2026-06-26
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エピソード35 ボクたちの初手当て

「あつっ!」「ごめん、痛かった?」「まあ、しこたま蹴られたからな……。気にせず、続けてくれ」 時間はちょっと遡って、不審者の逮捕・連行の直後。 タケルくんを家に上げ、戸締まりを再確認した後、怪我の手当て。 打撲には打ち身の薬を。切り傷、擦り傷は水できれいに洗って、防水の湿潤絆創膏を貼る。下手に消毒液とか塗るより、こっちの方が治りが早いんだって。「ボクも加勢するべきだったんだろうけど、足がすくんじゃって……」「もしお前になにかあったら、そっちの方が嫌だよ。気にすんな!」 本当に、素敵なナイト様だ。「ちゃんと、病院行ってね」「わかった。お前に心配かけたくないし、陸上界の明日を担う身だもんな!」 親指で、自分をビッと指差す。「それより、腹減ったぜ。まさか、不審者とリアルファイトする事になるとは、思ってなかったからさ」「うん。ボクも、お腹ペコペコ! すぐ作るから、ポ○モンでも見ながら、待ってて」「オレも手伝うよ」「怪我人は、安静にね。話のリクエストある?」 人差し指をピッと立て、上映準備。基本に帰ってミュ○ツーが見たいと言うので、セット。「リモコン、置いとくね。お茶も、持ってくる」 麦茶のポットと氷入りのグラスを置いてくると、調理開始! 揚げ物は室温が高いと美味しくならないので、冷房を効かせて……。手早く、要領よく、アジフライとイカリングのミックスフライ定食の出来上がり~。「できたよ~!」「おお、さすが早い! 今行く~」 テレビとプレーヤーの電源を落とし、ポットとグラスを手に、キッチンにやってきました。「ソースとドレッシング、どうする?」「あー。口の中切ったからな~。タルタルと、マヨにするかな」「りょうかーい」 ボクは、タルタルと、ノンオイルしそドレッシングの組み合わせ。「いただきます!」 怪我してるのに、もりもり食べるタケルくん。ふふ。作ったかいがあるなあ。「ご飯もお味噌汁も、おかわりあるからね」「じゃあ、それぞれもう一杯ずつ、おかわり!」 あんなことがあったばかりだけど、幸せだなあ。恋人が手料理を、美味しく食べてくれることに、喜びを噛みしめる。「デートの計画、病院で診てもらってから、改めて決めた方がいいよね」「だなあ。……ごっそさんでした!」「お粗末様でした」 すごい、もうおかわりまで食べ終わって完
last updateLast Updated : 2026-06-26
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エピソード36 ボクたちの初恋愛映画

 タケルくんは大きな病院で診てもらい、大した怪我ではなかったとのことで、ひと安心。 ご両親には昨夜、愛のお説教をされたそうです。 で、これで安心してデートプランが練れると、彼のおうちにお邪魔中。「色々あるねー」 一緒に口コミサイトを見ながら、品定め中。 それにしても……。恋愛映画の主人公たちって、若くても高校生だねー。小学生カップルものとか、作らないのかなー?「これなんかどう? 星4.3」 実写だ。「へー、好評じゃん。どんなん?」「んーと? 末期がんに冒された彼女との、最後の三ヶ月を描いた作品だって」 特設サイトに移動して、あらすじを見る。「どう考えても悲恋だなー。うーん。お前は、どのぐらい観たい?」「正直、かなり観たい! 4.3とか、なかなかないよ!?」「ふむ。よっし! お前ファーストで行くか!」「ありがとー! タケルくん、そこが好き! 愛してる!」 隣り合ってソファに座ってるので、腕を絡めてもたれかかる。「お、おう。ありがとな」 ふふ。赤面しちゃって。かーわいー! ともかく、決まりだね! ◆ ◆ ◆「平日なのに、結構混んでるねー」「4.3だもんな。しかし……大人ばっかだなー」 映画館で着席。隣り合った席を取れたけど、たしかにボクら、浮いてるねえ……。 映画といえば、コーラとポップコーン! 手つなぎの邪魔にならないよう、互いに反対側の肘掛けにセットしてます。 それにしても、お高いね。まあ、雰囲気代ということで! 予告を見るけど、おしゃべりは控える。そして、来ました! 映画泥棒のCM! そして、上映開始! 物語は、ある夏、大学に通う男の人が女性の幼馴染から、末期がんと、余命三ヶ月のカムアウトをされるところから始まる。 男の人には、すでに別のカノジョ。それも、幼馴染の元同級生がいたけど、「最後だから言わせて」と、がんを患った幼馴染から、愛の告白をされてしまう。 悩みに悩んだ末に、今カノに、三ヶ月だけの浮気の許可を願う彼。 今カノも知らない人ではないので、悩んだ末にOKする。 QOLを重視して、自宅で死を迎えようとする幼馴染と、付き合い始める彼。 あ、だめ。もう涙が……! 最後の思い出づくりに、日々弱っていく幼馴染とデートを重ねる。 やがて、ついに外に出る体力もなくなってしまった彼女の、ファーストキス
last updateLast Updated : 2026-06-26
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エピソード37 ボクたちの初おままごと

「ねえ、タケルくん」「ん?」 今日も今日とて、タケルくんのおうちでジュースをいただきながら、宿題バスターズなボクたち。「んっとね。ちょっと、変なお願いしていいかな?」 もじもじしながら、問いかける。「うん、言ってみ」「あのね、おままごとしたい」 タケルくん、少し考えた後。「お前がそういう突飛なお願いをするってのは、なにか大事なことなんだな。ただまあ、さすがに唐突すぎるんで、差し支えなければ理由を訊いていいか?」「うん。あのね……」 保育園の頃、おままごとでお母さん役を演らせてもらえず、妥協点で赤ちゃん役ばっかりだったことを話す。「なるほど。今から、それを叶えたいと」「理解早いねー。ていうか、嗤ったりしないんだね」「そりゃまあ、今までお前の深刻な悩み、山ほど聞いてるからな」 肩をすくめる彼。「やっぱり、そういうとこ大好き! 愛してる!」 飛びついて抱きしめたいけど、机が邪魔なので満面の笑顔を浮かべ、彼の両手をぎゅっと握る。「お、おう。とはいっても……。どこまでリアルにやるんだ?」 少し照れつつ、尋ねてくる。「そうだねー。ボク的には、おままごとっていうのが重要で。あえて、泥団子とかでやりたいんだよね」「ふーむ。じゃあ、実際の調理器具や、食器は使えんわなあ。それにうちの庭は一面芝生だし、勝手にほじったら怒られるよな……。お前んちは、庭ないし。……公園行くか?」 まさかの、野外プレイ!?「え、でも子どもとか見てるでしょ? さすがにそれは、恥ずいっていうか……」「おいおい、今更だろ。恥なら、オレが半分持ってやるからさ」「うん……わかった!」 ああ、やっぱりこういう度量の広さ。タケルくんの、こういうところが大好きなんだ。 改めて、惚れ直すボクでした。 ◆ ◆ ◆ タケルくんは半分出すと言ってくれたけど、ボクが言い出しっぺなので、ボクがもらった金一封から、シンプルなおままごとセットを購入! かくして、ワクワク半分、ドキドキ半分で、近所の児童公園に向かいます。 お父さんが言うには、少子化で児童公園も減ってるそうで。「近所にあるのは、運がよかったねえ」とのこと。 子どもたちや親御さんがたくさんいて、怖気づいてしまうけど、「大丈夫、大丈夫」とボクの肩をぽんぽん叩いて、促すタケルくん。心強い。 ブルーシートを敷い
last updateLast Updated : 2026-06-26
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エピソード38 ボクたちの初健康トーク

「ねえねえ、タケルくん。白骨死体って、見つかることあるじゃない?」 タケルくんちのリビングで、ジュースを二人で飲んでいると、ボクの突飛すぎる話題に、彼がむせてしまいます。「なんなんだ、どうした急に」 咳き込みながら、ツッコむ。「ボクがさ、そんな状態で見つかったら、ちゃんと、女性の死体と思ってもらえるのかなあって」「おいおい、縁起でもないこと言うなよ」 肩をすくめ、首を横に振られる。「んー、でもさ。男性の死体って判断されたら、ショックだなあって。腰幅もまだ広くないし、女の人ってね、頭蓋骨の頭頂部が、ちょっと尖ってるんだって。あと、大腿骨に、男性にはない筋があるらしくて。ボクのそのへんって、どうなんだろうなあって」「ミョーなことに詳しいなあ、お前……」「人体に興味持って調べてるうちに、なんかこう、色々とね」 ジュースをいただいて、喉を潤す。「でも、肩幅なんかはこのとおり狭いでしょう? 警察も、首を傾げるんじゃないかなーって」「だから、縁起でもないこと言うなって。せめて、レントゲンで例えようぜ」「あー、その発想はなかった」 ポンと、手を打つ。「でも、なんだな。刑事ドラマなんか見てると、歯の治療記録が、身元判明の決め手になるらしいぜ?」「あー。ボク、歯医者さん、かかったことないんだよね」「へえ。大の甘党なのに?」 彼も、ジュースを飲む。「うん。ミュータンス菌っていうのが、いわゆる虫歯菌らしいんだけど、これ、親とのキスとか、スプーンの共有とかで感染しちゃうんだって。ただ、一歳まで気をつければ、もうその心配はなくなるらしくてね。お母さんたちそれ知ってたから、すごく気をつけたらしいよ。あとボク、普通に歯もよく磨くし」「ほー……。オレには、ミュータンス菌ってのがいるかどうか知らんけど、歯はめっちゃ念入りに磨くから、虫歯なったことないな。スポーツ選手は、歯が命だからな」「さっすが~」 互いに感心。「あー……。ただ、親知らずが生えたことがあってなー。そんときゃさすがに、歯医者のお世話になったわ。もう、引っこ抜くのが、いてーのなんの! ギャン泣きするレベルだったぜ……」「タケルくんでも!?」 苦々しい顔で、頷く彼。「はー……。タケルくんのギャン泣きとか、想像できないや」「恥ずかしいから、しないでくれ。こればっかはなー。歯磨きじゃ、予
last updateLast Updated : 2026-06-26
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エピソード39 ボクたちの初アスリート弁当

 今朝は四人分のお弁当を作ったら、自転車漕ぎ漕ぎ、いつもの公園に向かいます。まだ朝だっていうのに、すでに暑いねー。 タケルくんにLI○Eすると、「カルガモ池のベンチでQK中」とのことで、駐輪場からは徒歩でてくてく。 カルガモ池の方に歩いて行くと……。いた! タケルくんが、肩で息してる。ダッシュ後の休憩かな?「たーけーるくーん!」 声をかけると、疲れ切っているのか、顔だけ向けて、軽く片手を上げて応える。 更に近づき、「おべんと持ってきたよ!」と言うと、少し息が整ったのか、汗を拭きながら、「サンキュ」と返す彼。 保冷ボトルを取り出すと、少しずーつ、ゆっくり飲む。「それは?」「例のスポドリ」 飲み終えると、はー……と、深呼吸。「ごはん、入る?」「おう。ちょうどいい。今日は、これで上がろう」 ボクもベンチの隣に、ちょこんと腰掛ける。「色々考えて、作ってきたよ~」 保冷バッグから、二つのお弁当箱と、お手拭きを取り出し、肩から麦茶のボトルを下ろす。「開けてみて~」「おう。お、こりゃまた、バリエーション豊かだな」「ふふふ~」 まずは、先鋒! ささみとアスパラの、からし醤油マヨ和え! ささみもアスパラも高タンパク! からしマヨは小パック入りで、お醤油は、お魚の小さい容器に入れてます。「いっただっきまーす!」 ごはんは、とろろ麦ごはん。こちらも、とろろはパックで絞るタイプ。 カロリー的には、マ○ナンごはんとかがいいんだろうけど、そこは量を控えめにして、カバー。「うめー! マジうめえ!」「ありがと」 次鋒は、アジのざんが焼き。ここで、青魚というのがポイント! 青魚は、頭にも利くからね! もぐもぐ食みながら、サムズアップをいただく。 さして中堅、枝豆、おから、にんじん、ひじき、油揚げのうの花。これまた、タンパク質もビタミンもたっぷり! スポドリを飲もうとする彼に、「こっちの方が合うでしょう?」と、麦茶を差し出す。今更、間接キスを気にする仲でもないしね!「サンキュ」と受け取り呷ると、一息つく。「ふ~……」「締めに、どーぞ」 タッパー入りの、はちみつ漬けレモンを取り出す。「おー……。んー、すっぱー!」「ふふ。効くよね、それ」「ごっそさんでした! あーもう、サイコーだな! 文字通り、朝飯前のトレーニングはキツかったけど、耐え
last updateLast Updated : 2026-06-26
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エピソード40 ボクたちの初ノープランデート ―前編―

「よっしゃー! 終わったああああ!!」 ガッツポーズで叫んだかと思うと、大きく息を吐いて、だらんと椅子の背もたれに体重を預けるタケルくん。 今日は、彼の家で宿題のラストスパート中! 夏休みもそろそろ終わり。早いものです。「待ってね。ボクももうすぐ追いつくから」 こちらもせっせと、追走中。「手伝おうか?」「ううん。ボクの手でやらないとだから」「じゃー、せめて、わからないとこあったら教えるから」「うん、ありがとう!」 ああ、サイコーの彼氏さんだ~。「それにしても、ノンシュガーコーヒーゼリー、イケるなあ! さすがだぜ」 今日のおやつは、人工甘味料で作ったコーヒーゼリー。それを、どどん! と、タッパーで出してます。 ボクもタケルくんも、ミルクかける派。気が合うね! それはさておき、ところどころ教えてもらい……。「でーきたー!」 うーんと伸びをして、だらーん。「おつかれー。これで、あとはずっと遊べるな!」「だねー」 二人で手つなぎ、ウキウキるんるん。 まあ、楽しい夏休みも、そろそろ終わっちゃうけど……。「なあ、明日はおじさんマネーと金一封の使って、パーッとデートしねえ!? お前の好きなとこで!」「え、いいの!? でも、タケルくんの好みは?」「オレはいつだって、お前ファーストだぜ!」 いやん、何このパーフェクト彼氏!「じゃあ、ピュー○ランドいいかな!?」「おう! と言いたいところだが、ちょっと待ってな……。 スマホを操作する彼。「うっ! 悪ぃ、完全に資金不足だ……」 しょぼん。たしかに、遊園地って、どこもお金かかるもんねえ……。「じゃあさ、完全ノープランデートとかどう!?」「行き当たりばったりデートか。面白いな!」「でしょ! とりあえず、タケルくんちに集まって、それから考える!」 ト○ピーみたく、人差し指をふりふり。「チャリ使うか?」「うーん。自転車は、とりあえずなしで!」「よっし! 十時集合でいいか?」「うん!」 ああ、明日が楽しみすぎるよー! ◆ ◆ ◆「おー、またイメチェンしたんだな!」「うん! せっかくのデートだからね! どう? どう?」 集合時刻。せっかくのデートなので、またイメチェンしてみました! 今日は、右側にサイドテールを垂らしています。「いいね! 似合ってるぜ。いやー、ほ
last updateLast Updated : 2026-06-26
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