บททั้งหมดของ 愛していると気づいたから、私はあなたを手放します: บทที่ 41 - บทที่ 50

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第41話 無力を知った──あの夜

——婚姻届を出す前の話。 ここで過ごすのも、今日で最後か。 騎士団に入団すると、強制的にこの寮に入れられる。 その寮生活も晴れて今日で終わる。 同期が俺の空いたグラスに酒を入れていく。 「ディートハルト~、酒が進んでないぞ~」 そいつは頬を赤らめて、笑っていた。 ――油断だった。 俺は気分が高揚していて、その酒を口に含み、喉を通過した。 同期はあちらこちらで、この寮の生活を振り返り、盛り上がっている。 レインもさっきまでいたが、付き合っていられないと部屋に戻っていった。 俺の相棒……。 あんな小さな体なのに、人一倍態度がでかくて、負けず嫌い。 俺はレインの顔を浮かべて笑った。 それに、これがあければ、頻繁にアーシュに会える。 きっとまた、魔道具のことしか考えてないんだろうな……。 少しは俺のことも考えてもらわないと……。 今週末実家に一緒に行くし、婚約してからだいぶたつ……。 俺がプロポーズしたら、アーシュは何ていうだろうか……。 断られたら……。 でも、アーシュは自覚してないけど、あの可愛くて綺麗な容姿じゃ誰かに迫られているかもしれない……。 同じ課にイヴェッタがいるから少しは安心だが……。 学園時代だって、アーシュを狙っている奴はたくさんいたんだ。 俺が昼休みに食堂でどれだけ牽制したか……。 アーシュはのんきだから、全く気付かないし……。 この前の夜会だって、みんなアーシュに見とれてた。 あ
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第42話 万年筆に託して

結婚するなら、アーシュレイ以外考えられなかった。魔道具のことを話している時の彼女は、目を輝かせていた。そんな無邪気なアーシュレイが大好きだった。どんな時も優しい彼女……。しかし……。――母が子供を急かした。追い詰められたアーシュレイは、あの手この手で俺を誘惑した。――甘い香り、ナイトドレス。あの夜が脳裏をよぎった。俺は、彼女を拒み続けた。それでも、その気になってしまうこの体が憎らしく、あの女たちのようにアーシュレイに欲情してしまう自分が許せなかった。俺は穢れてしまったから……。穢れのない、アーシュレイを汚したくなかった。『もう、女性を愛することはできない』そうアーシュレイに告白した。前のような関係に戻りたかった。そして――俺は。……彼女を、傷つけた。 母からの圧力にアーシュが選んだのが、『代理父親制度』だった。アーシュレイが、そう選択した。俺はイヴェッタに言われたあと、街の魔道具屋を何軒も回った。「妻がどこにいるのか、知りたいんだ」「ほっほっほ……。浮気調査ですか? 嫉妬する男は嫌われますよ……」亭主は笑いながら、奥から何か出してきた。「髪の毛をこの中に入れてください。その方の魔力から、場所を特定できます」二人のベッドから、アーシュレイの髪の毛を拾った。――赤く艶やかな髪の毛。それからは、彼女を追いかけた。俺は仕事が終わるとアーシュレイを迎えに行き、寝るときも抱きしめた。俺以外の誰かが、彼女に触れる。頭がおかしくなりそうだった。自分勝手だと……分かっている。分かっているのに、どうすることもできなかった。……そして
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第43話 新しい出会い

「熱いよ?」えっ……。彼は少し距離の取り方がおかしい……と思う。「えっ? ああ、そう?」私は体を後ろに反らせて、彼の手から離れた。「こら、アーシュレイちゃんを狙わないの!」向かいに座る女性職員が低い声を出した。何かと私の面倒を見てくれる年の離れた先輩だ。「エクリアさん、ひどいなぁ……。俺は純粋に心配で……」エクリアさんが下がった眼鏡の奥から、ルシアンを覗き込んだ。「いいかい? アーシュレイちゃんは、結婚しているんだからね? 変な気を起こすんじゃないよ?」「分かってますよ……。言われなくたって……」ルシアンがぼそっと言った。「アーシュレイちゃんは、こんな時に異動願を出してくれた貴重な人なんだからね。なかなか、できることじゃないよ、本当に……」エクリアさんがそのまっすぐな黒い瞳を私に向けた。ズキッと胸が痛んだ。そんなかっこいい人じゃないのに……。でも――本当のことなんて言えない。私はエクリアさんに笑顔を向けた。胃のあたりがキュッと締め付けられる。赴任して一か月半が経った。ここでの生活にはやっと慣れたところだ。「さぁ、お昼だね。アーシュレイちゃんはどうする? 食堂に行く?」私はバッグから、布の袋を出した。「お弁当かい?」「はい。母が最近作ってくれて……」「そうなのかい。じゃあ、私たちは行くね……」魔道具課のみんなが席を立ち、食堂に向かった。私は包みを開ける。お母様が作ってくれたサンドイッチ。お腹は空いているはずなのに――手が、出なかった。ここのところ、毎日こうだ。お母様の料理はおいしい……はずなのに。家でも、外でも食欲
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第44話 病院

エクリアさんは席を立って、ミニキッチンのある部屋に私を通した。ここに座っていてと言われ、小さなテーブルについた。エクリアさんはお湯を沸かし、何かを迷いながら、ハーブティーの瓶を取り、ティーカップを出した。その中にハーブティーを入れて、お湯を注いだ。少し時間を置いてから、そのティーカップを私の前に差し出した。「え?」「まだ、休憩時間だから。少しお茶しましょ……」エクリアさんは向かいに座った。エクリアさんは簡素なカップにハーブティーを入れて、飲んでいた。ここのところ暖かいものは——飲んでない。香りを嗅ぐと、気持ちが悪くなるからだ。私の気持ちを察するかのように、エクリアさんが笑った。「大丈夫。まずは一口飲んでみて……。きっと、ホッとするから……」私はごくりと喉を鳴らした。ゆっくりとカップを持ち上げて、口元に持っていく。ハーブティーの香りが鼻孔をくすぐるも、不思議と胃がスッキリした。温かい飲み物が口に入り、喉を通過した。「えっ……美味しい……。お、美味しいです!」私は続けて、飲み込んだ。全く――気持ち悪くなかった。「私もね、昔好んで飲んだハーブティーなんだよ。今度買ってきてあげるよ」「あ、ありがとうございます!すごく、嬉しいです」香りも酸味があって、気持ちまでも落ち着いた。エクリアさんが胸ポケットからペンを出し、メモ紙に何か書いた。「今日は早退していいから、ここに行っておいで……。優しい先生だよ」「えっ? 先生……?」「そう、私も二人ね、その先生に取り上げてもらったんだ」「取り上げて……」私はその言葉に、息が止まった。 ◇ 「アーシュレイさ
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第45話 支えられた命

「エクリアさん、少しよろしいですか?」彼女の眼鏡が鼻のラインに沿って落ちる。私を見つめながら、眼鏡を直した。「もちろん。じゃあ、またお茶でもしますか」「え! 俺も行きたい」とルシアンが立ち上がった。「君はまだ仕事が残っているだろ?」エクリアさんの言葉にルシアンは眉を思いっきりさげて、渋々腰を下ろした。 やっぱり、この香り……。エクリアさんが花の絵が描かれたティーカップを差し出した。「熱いから、気を付けてね……」「はい、ありがとうございます」酸味の利いたハーブティを口に含むと、ムカムカしていた胸がスッとする。「このカップ、素敵な絵柄ですね……」エクリアさんのカップにも花の模様が描かれている。「あ、これ? ふふふ。魔道具課って、男性が多くて激務じゃない? だから休憩の時に、お気に入りのカップでハーブティーを飲むのが癒しなの……」「そうですね……。確かに……」私は魔道具課の面々を思い浮かべて、深く頷いた。「それで、私に話って?」「その……。赴任してきて、早々……申し訳ないのですが……」私の背中に冷汗が流れる。もし……嫌がられたら。困った顔をされたら……。「うん……」「――妊娠していました。今、3か月に入ったところです……」私は目をぎゅっと握りしめた。「えっ! やっぱり! 私ね、こういう勘は当たるのよ!」私は顔を上げ、エクリアさんを見た。エクリアさんは目尻に深いシワを作って、微笑んだ。強張った私の体がほどけていった。彼女は私の手を取って、優しく包み込んでくれた。「おめでとう! 赴任したばかりだし、特に今は忙しいから、遠慮する気持ちも分かるわ。でも、アーシュレイさんにとって、今いち
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第46話 花の香りに包まれて

――もう、妊娠8か月になった。 あのあと、所長に申請書を出して、時短勤務にしてもらうことができた。 つわりのひどい時は何日も休みをもらった。 もちろん、良く思わない人もいた。 でも、エクリアさんやルシアンが私の分の仕事を請け負ってくれた。 私は背伸びをして彼の頭をなでた。 「ルシアン……。あなたやエクリアさんのおかげで、ここまで働くことができたと思っているわ……。本当に感謝を……」 なでた手をルシアンに掴まれた。 「――そうじゃない! もっと大事にされるべきなんですよ! あなたは……! 赤ちゃんだって……」 ルシアンは知らないから……。 ――私のずるさを。 婚姻を保ったまま、逃げたのは——私だから。 こんな方法しか、思いつかなかった。 彼とつながっている紙きれだけのこの関係を……。 私が——望んだんだ。 「うん……。 ルシアンの気持ち、嬉しいよ……。ありがとう……。明日から、家でゆっくり過ごすわ」 「俺だったら、もっと大事にするのに……」 それはまるで吐息のような声だった。 「……? 今なんて……?」 ルシアンは顔に似合わない、大きなため息をつき、髪の毛を勢いよく掻いた。 「まあ、いいです。産休に入っても、連絡くださいね! 俺もエクリアさんも、いるんですからね!」 「うん。ありがとう。頼りにしてますよ! 魔道具課のエース君!」 「あ、また俺のこと子ども扱いして……」 「あはは。だって、弟みたいに大事だから」 彼は口を結んで、何とも言えない顔をした。
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第47話 手紙の行方

「副団長!お疲れ様です。 もう、お帰りになるのですか?」俺は騎士団本部で、帰りの支度をしていた。魔獣討伐に出て、――4年。やっと、帰ってこられた。俺は今回の討伐中に、副団長に就任した。アーシュは喜んでくれるだろうか。赤い髪をなびかせて、花のように笑う彼女が頭に浮かんだ。俺は口元が緩んだ。「副団長、にやけてますよ……。奥様、魅惑的ですもんね~!うらやましいですよ。奥様が食堂に来る時間は男性職員で混んでるって言いますからね!」「は……?」「ちょっと、副団長! 俺を睨まないでくださいよ。噂ですよ、噂……。今日は熱い夜になりそうですね~。では、失礼します!」そう言って、なかば逃げるように、若い団員は事務所を出ていった。食堂での様子を想像し、俺は奥歯に力が入った。あんなに清らかなアーシュに……。俺は頭を振る。――今日会えるんだから。俺は荷物をまとめ、足早に事務所を出た。手紙の返事がなかったことなど、忘れて……。 早く着きたくて、馬で伯爵邸に帰ってきた。夜も更け、屋敷も静かになっていた。扉を開けると誰かが立っていた。「おかえり……」さらに細くなった母の手が、俺の顔をなでた。「ディートハルト、またやせたんじゃない? 肌の色もこんなに焼けてしまって……。――体は? ケガはしていない?」母が俺の周りを回り、体を確認する。「また、一段と逞しくなったわね。でも、伯爵家当主になるんだから、そんなに鍛えなくても大丈夫よ?」――また、その話か。「でも、若い貴族女性には好ましいかもしれないわね……。何人かに声をかけてみようかしら……」母が何やら独り言を言った。「母さん、心配ありが
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第48話 君を諦めない

イヴェッタに会議室に通される。「なんか飲む?」その声に感情が見えなかった。「いや、大丈夫だ」「……」イヴェッタが自分の紅茶をカップに入れて、飲みながらテーブルの椅子に座った。俺も彼女の向かいに座った。「で、今さら、何しに来たの?」「は? それは、どういうことだ……? 討伐が終わったから帰ってきたんだ。」彼女の言葉にはいつも、棘がある。「そうね。副団長様だもんね。就任おめでとうございます」祝う気のない顔で、イヴェッタはそう言った。「ありがとう……」「昨日、家に帰った。アーシュがいた痕跡がなかった。よく着ていたワンピースもなかった。俺からの手紙も……」「魔道具課にはもう、アーシュはいないわよ。あなたが討伐に出発して、すぐに辺境の地に異動になったのよ」――異動?あんな時期に?イヴェッタが口元を歪めた。「自分で異動願いを出してね……」「アーシュが自分で!? いったいなぜ……。彼女は今どこにいるんだ!」イヴェッタの眉に深い皺ができる。「言うわけないじゃない。アーシュがあなたに手紙の一つも残さないで行ったのよ。それって、――分かるわよね?自分のことばかり考えているから、こうなるのよ。ま、一つ言えることは、アーシュは今、幸せに暮らしているわ……」「幸せ……?」俺のいないところで……?丸眼鏡の奥の瞳がいたずらに、微笑む。「そうよ。とーってもね」「4年別居なら、片方だけの署名で離婚できるわね」――離婚。イヴェッタが優雅に紅茶を飲む。「ま、婚姻を結んだまま、その――レインって子と一緒になるでもいいし。どこかの、貴族女性と再婚するでもいいんじゃない? きっと熱心なあなたのお母様が見つけてくれるわよ。なんたって、―
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第49話 君の痕跡を辿って

――退団届。「どうしても、見つけないといけない人がいます」「地位も名誉もよりもか……。今までの努力が……」俺は爪が食い込むほど、手を握った。「構いません。俺には、その人の方が大事だからです」「はあ……。お前も頑固だからな……。でも、退団だけはするな」「――しかし」団長が机に置いた封筒を持って、俺の胸に押し付けた。「落ち着いたら、手紙をくれ。俺がその地域の騎士団に異動させてやるから……」俺は退団届をクシャッと握り込む。団長の大きな手が、俺の頭を撫でて髪が乱れる。その手はとても重かった。「――はい。感謝します、団長」団長は白い歯を見せて笑った。 ◇◇◇ 騎士団の荷物は意外と少なかった。まぁ、ほとんど討伐でこの事務所にはいなかったから……。訓練場を見渡す。青い空に緑の芝が揺れる。息を吸いこめば、青々とした香りが胸に広がる。俺は前を向いて、出口を急いだ。——その時。後ろから芝を駆ける音がした。振り向く間もなく、お腹に手を回された。その手はひどく震えて、冷たかった。子どもみたいに小さな手。その手に俺は幾度も助けられてきた。「なんでだよ! なんで……。ひどいよ、ディー……」――レイン。「すまない。急いでいたんだ。お前にはたくさん世話になったのに……」「そうだよ! 相棒だったじゃん。それなのに、何の相談もなく、休団するなんて!」「……」胸が痛かった。「あの、アーシュレイって女が原因なんだろう? あんなひどいことされたのに、なんで? もう、離婚だってできるじゃないか!」
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第50話 魔道具店、開店です

「アルディ、何か変わったことはなかった?」「うん、何もなかったよ!」私と同じ色の髪が揺れ、翡翠色の瞳が私を見た。「いつも、警備ご苦労様。何か飲む?」「うん! 冷たいの!」「はーい」私はカウンターに座る我が子を見て、目を細めた。髪は私に似たけど、幼い頃の彼にそっくりだわ。カランコロン。「いらっしゃい……、あっエクリアさん、ルシアンも!」「アルディ~! また、大きくなったな~」ルシアンが親戚の伯父のように優しく声をかける。アルディが二人にお辞儀をした。私が道具課を辞めて、この店を開いた。二人は常連さんだ。「何か飲みますか? いつものでいい?」「じゃあ、お言葉に甘えて……」ルシアンが笑った。その頭を、容赦なくはたかれる。「いたっ」「ちょっと、ルシアン。ここはカフェじゃないのよ? 魔道具店!」「分かってますよ~」二人のいつものやり取りに、私の頬が緩む。「ふふふ。いいんですよ、ちょうどアルディの分も作るところですし……。それに、お客さんのは魔道具を作っている間、お茶をしてのんびり待っていてほしかったんです……」アルディにフルーツジュースを置く。「そうだったんだね。うん、いいねぇ。お客さんはどう? やっていけそう?」「はい……。少しずつ、街の人も増えてきて、なんとかなりそうです……」エクリアさんがホッと息を吐いた。「そう……。良かった……」エクリアさんは目尻に優しいシワを作る。「忙しくなったら、俺がいつでも手伝いに来ますからね! なんなら、雇ってもらっても……」エクリアさんが、ルシアンの耳をひっぱった……。「いてててて……。最近、エクリアさんひ
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