Semua Bab 五角関係が世界を滅ぼす!? 恋愛経験ゼロの私、エセ占い師になって恋愛を正す!: Bab 31 - Bab 40

121 Bab

30話 ゲームの語り手

 パン屋へ着けば賑わいを見せておりケイティが慌ただしく接客している。私は、パン屋に入る前に、少し遠くからそれを観察した。「入らないのか?」「忙しそうなのでどうしようかと……」 仕事帰りにパン屋へ寄る人が多いみたいだ。ケイティはひとりひとりに笑顔で接客している。そこを邪魔して相談する時間をもらうのは気が引ける。 私が迷っていると、見たことのある男性がパン屋の方へ歩いてくるのを見つけた。「あの人ってラルフさんじゃ?」「そうだな。あいつはよく街をふらふらして物を買ってくるぞ。そういえば美味しいパン屋が行きつけとか言っていたか」 ライオネル殿下の話の通り、ラルフさんはケイティがいるパン屋までやってくる。新しく出来上がったメニュー表を表に出しに来たケイティと会って、笑いあいながら立ち話を始める。 私は、その光景を見たことがあった。追加DLCでやったゲーム画面だ。左下に語り手の顔グラがあった。曖昧に笑う大魔法使い。「ゲームの語り手だ……」 過去の話を語ってくれた人物は大魔法使いだ。すべての属性が使えるチートに近いキャラクターで、仲間にするにはそれなりの苦労があった。彼女が、自分の過去を主人公に話して聞かせるのがサブストーリーの内容だ。 彼女は年老いた老婆で名前は――「――ケイティ」 ケイティの曖昧に笑う顔。そうだ、大魔法使いになったケイティの標準の表情だ。「おいっ。何をぶつぶつ言ってるんだ?」 ライオネル殿下の声ではっとする。思いだしたことで思考の海に呑まれていた。ケイティとラルフさんはすでに店内に移動したようで、店の前にはいない。「……すみません、ちょっと驚いてしまって」 ライオネル殿下に謝ると、顔を覗き込まれてびくっとする。「お前……顔色が悪いが大丈夫か?」「……慣れない土地で疲れが出ただけです。今日は挨拶とパンを買って帰るだけにします」「……解った」 私
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-07-08
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31話 婚約者役をこなすため

カランカランと鈴を鳴らしてパン屋へ入れば、私に気づいたケイティがぱっと顔を綻ばせて私の方へやってくる。「来てくださったんですね! ミシェ――」「ミラでお願い」 ライオネル殿下も「レオだ」と短くケイティに言うので、ケイティはこくこくと何度か頷いた。「素敵なお店ね。美味しそうな匂いがするわ」「ふふ、自慢のパンですからね! ミラさんは何か好きなものはありますか?」「クルミとか好きよ」 私がケイティと話していると、ライオネル殿下がラルフさんを見つけて話しかけにいく。「ラルフ」「レオさん、来てたんですね~。このお店どのパンもおいしいですよ」 にこにこしながら応えるラルフさんにライオネル殿下はパンをお勧めされているようだ。私とライオネル殿下は勧められたパンを買い、ケイティにまた来ると告げてパン屋を後にした。 ライオネル殿下がラルフさんをそのまま連れて来て、私の後を歩いている。「ケイティちゃん可愛いですよね~。看板娘なんですよ。彼女目当てのお客さんも多くって」「よく行くのか?」「結構な頻度で行きますよ。あそこのパンは美味しいですから」 仲が良いのがよくわかる。たしかラルフさんは魔法が使えるケイティを気づかって警備がてらにパン屋へ行っており、エピソードの中にもケイティが危ない時に助けてくれたという話があったはずだ。「ミラ、止まれ」 名前を呼ばれて私は足を止める。ライオネル殿下がこっちだ、と学校とは別の方に手を引かれる。少し歩いた先には馬車が止まっており、紋章から王家のものだとわかる。え、何?「具合悪かっただろ、迎えを呼んでおいたからこれに乗って帰れ」「…………」 ライオネル殿下の言葉に何度か目を瞬く。「ライオネル殿下、女性にはもう少し優しく言わないとダメですよ~」 ラルフさんにダメ出しをされたことに、ライオネル殿下は舌打ちを返す。いら立ちをラルフさんに向けるものの、再度手を引いてくれる手は強くはなく、馬車の中へエスコートされた。「ケイティは言わなかっ
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32話 トラウマの令嬢ジュリアナ再び

 三日ほど休んでしまったが、毎日見舞いの手紙と花を届けてくれたし、ライオネル殿下にお礼を言わないと。学院へ行き、ライオネル殿下は生徒会の時間から来るのだと聞いて、なぜかほっとした。気まずいと思っていたのかもしれない。 教室に入り、いつもと同じ後ろの席に行こうとすると複数の影が立ちはだかった。忘れはしない赤い髪の彼女――ジュリアナ様が取り巻きを連れて、腕を組み顎をあげていかにも馬鹿にしたようにこちらを見ている。 心臓が跳ねた。ドキドキと早く鳴る。私は胸元を手で掴んだ。「シルヴァレーン嬢。どうして貴方がずっとライオネル殿下と一緒にいらっしゃるのかしら?」 ライオネル殿下がいない時に話しかけてくるなんて。どうしよう。対応してくれる人は今日はいない。 でも、どうにかしないと。こんなイヤな相手に負けちゃダメっ。私が言わなきゃ。「生徒会へ同時期に入ったからではないでしょうか」 表情は動かせない。でも、声が上ずらないように静かに返した。返答できたことで、大きく鼓動してた心臓が段々と静かになる。 なんだ、こんな簡単に返せるじゃない。「まあ! なぜ貴方が生徒会に?」 ジュリアナ様は口元に手を当て、目を広げて、大げさに驚いてみせる。しかも大きな声で、周りのクラスメイトたちから視線が集まるのがわかる。 でも、もう緊張しなかった。手が震えることもない。胸元を握り締めていた手を外して、ジュリアナ様をしっかりと見た。赤紫の吊り上がった眼はまだ少し怖い。でも、相手は普通の女の子だ。そう思えたら、なんてことはなかった。 私は冷静に言葉を返す。「私の家系の力を、生徒会に役立ててほしいとのことでしたので」「貴女のお母様、王族に媚売ってますものね。やっぱり娘も同じなのかしら」 くすくすと周りのご令嬢がわざと笑い声を漏らす。小さい声で蔑む言葉を交わしているのがちらりと聞こえる。 お母様のことをそんな風に言われるとは思ってなかった。少しカチンとくる。でも、王族直属の部下をそんな風に悪く言っても良いのかしら……? 私がなんて返そうか考えていると、取り巻きのひとりの令嬢がこれ見
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33話 淑女然とした侯爵令嬢アウレリア

「いい? 私の方がライオネル殿下にふさわしいの」「霞のご令嬢はいつも通り端っこに居ればいいのではなくて~?」「この前平民と一緒にいるのも見ましてよ、付き合う人は似たようなはぐれ者なのですわね」 ジュリアナ様と取り巻きの口は止まることがない。 はあ、どうしよう。いくらジュリアナ様を見ても動悸がしなくなったからと言って、こんなに目の敵にされるとイラついて来ちゃう。できれば構いたくないわ。どいてくれないかしら。「では、わたくしも仲間に入れていただこうかしら」 騒いでいた令嬢とは別のところから声が聞こえた。綺麗な凛とした声にはどこか愉悦が浮かんでいる。声の方を見ると、にっこりと令嬢の笑みを浮かべたアウレリア様が私のすぐ横に立っている。「孤高の令嬢でしたかしら? それとも売国奴?」 裏で言われている悪口など把握済みだというように、綺麗な姿勢でジュリアナ様たちを見下すアウレリア様。かっこいい……。 言い返せないジュリアナ様たちにさらにアウレリア様は追い打ちをかける。「わたくし義妹にするならミシェル様の方が望ましいわ。授業が始まりそうな時間にみっともなく騒がず、とても淑女でいらっしゃいますもの」 完璧に喧嘩を売っていくスタイルね。ジュリアナ様は歯をぎりぎりと悔しそうに鳴らしている。「ふ、ふん、貴方は隣国に行くのでしょう? 二人そろって隣国へ嫁げばいいんですわ。ついでに奇妙な技を持つ平民も連れてってくださいまし。とても清々いたしますわ」「あら、わたくし人間ではない方々を置いていくのは忍びありませんわ」 ジュリアナ様はなんとか言い返したもの、すぐにカウンターが飛んできている。ジュリアナ様は顔を真っ赤にして「負け惜しみですわ!」と叫んで、どんどんと足音を立てながら前の方へと戻っていく。 反対に、淑女然としたアウレリア様は私に視線を投げて歩き出す。「さ、ミシェル様。いらして」「は、はい!」 私はこうしてアウレリア様の後ろで過ごすことになった。 お礼をいつ言おうか迷う。教室ではジュリアナ様もいるので、下手にお礼を言うと突っかかってき
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34話 隣国へ嫁ぐ侯爵令嬢の思い

 放課後、生徒会の時にでもお礼を言おうと思った。 けど、生徒会室に行けばノクタリウス様だけで、アウレリア様は先に図書室へ行ったと教えられた。だから、私も図書室に来た。 学院の図書室は初めてだ。扉を開けると本の匂いが鼻をくすぐった。立ち並ぶ棚の間を歩いていく。今度、ゆっくりと本を探してみたいものだ。 サファイアの長い髪を認めて立ち止まる。アウレリア様が勉強机に座って本を読んでいた。隣では寝こけているラルフさんがいる。 目標を見つけた私は、足をそちらに向けた。「アウレリア様、ご機嫌麗しゅう」「ごきげんよう」 私が挨拶をすればアウレリア様も挨拶を返してくれる。「今朝はありがとうございました。どう対処しようかと迷っていたので、助かりました」「いいのよ。ライオネルから頼まれてたの」 ライオネル殿下が責任取るっていう契約だったものね。アウレリア様に頼んだのね。「お身体は大丈夫ですの?」「はい、おかげさまで。生徒会のお仕事ができず申し訳ございません」「いいのよ、貴女の分はライオネルがやってくれたわ」 ライオネル殿下にさらにお礼をしないといけないことが増えてしまった。今度あった時にしっかり話さないと。 私はお礼を言っておきますと返して、その話を終わらせるべく話題を変える。「アウレリア様は何の本を読んでおられたのですか?」 勉強机には呼んでいる本が開かれて置かれ、その横に数冊の本が積み重さなっている。「ヴァレリアン帝国の本に一通り目を通しているところですの」「勤勉でいらっしゃいますのね」「嫁ぐ国ですもの。文化には慣れておこうと思いまして」 アウレリア様は、話しながらどこか遠くを見つめる。哀愁が漂う姿は、何かを諦めきっているようにも見えて、私はくっと喉が詰まった。彼女は、本当にヴァレリアン帝国に嫁ぐことを心の底から認めているのだろうか。それなら何故、フィリップ殿下が死んでしまったら、死を選んでしまったのか。 私は、彼女の心情がわからなくて、どうしてそうしてしまったのか、口をつきそうになる。でもいきなり何故死んだのかと聞い
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35話 心残りは叶えてもらったもの

「アウレリア様……心残りなどありませんか?」「随分と踏み込んでくるのね」 聞きたくて小さく口を出た言葉は、冷たい口調で断された。鋭い視線に冷や汗が出る。私は、許してほしくて頭を下げた。「す、すみません……!」「……知って貴女に何か関係ありますの?」 謝っても、追及の言葉が上乗せされる。でも、声に先ほどの冷たさはなく、これは責め立てられてるのか、ただ単に疑問に思っているだけなのか測りかねた。 私に関係あるかって、大いにある。私どころか国の命運は貴女にあると言ってもいい。だから、心残りなく嫁いでほしいと思う。嫁いだ時に幸せであれば、死ぬことはないだろう。私は、最後だけを彼女に伝えた。「いえ……でもアウレリア様が嫁いだ時に、幸せであってほしいと思ったのです」 私の言葉にアウレリア様は目を見開いてから、ふわっとした柔らかい笑顔を浮かべた。「ふふ、安心してちょうだい。心残りはフィルに叶えてもらったもの」 アウレリア様の声色は悲壮なものではなく、芯があって強さを感じるものがあった。何も心配いらないと自分に言い聞かせてるようにも聞こえた。 フィリップ殿下に何を叶えてもらったのだろうか? その願いが塔から飛び降りた原因なのだろうか? 詳しく聞きたい。でも、彼女にこれ以上聞くのは気が引けた。内容を詳しく聞いても不振に思われるだろう。もしかしたら仲が悪くなる可能性もある。まだ全く全容が見えてないのにそれはまずい。 だから、私は「そうですか」としか返答ができなかった。「ライオネルとはどう?」「どう、とは……?」 話が終わってこのまま去ろうか考えているとアウレリア様からライオネル殿下について振られた。でも、何を応えればいいのかわからず、瞠目する。
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-07-10
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36話 お手紙を書きましょう

「ライオネルとはどう?」「どう、とは……?」 話が終わってこのまま去ろうか考えているとアウレリア様からライオネル殿下について振られた。でも、何を応えればいいのかわからず、瞠目する。「だって貴女がいない間、ずっと心配してたんですもの」「え……」 手紙をくれるくらいには契約者として心配してるのはわかってたけど、人に分かるほど心配してたってこと? これは、演技とか? 仲良い風な感じが出したいとかそういう? ライオネル殿下の行動もよくわからない。「……いいえ、貴女たちは上手くいってほしいと思ったまでよ。これでは私の方がお節介ね」 アウレリア様から謝罪されてしまう。そういえば私ライオネル殿下に気があるみたいな話したんだった。気になるわよね。 ライオネル殿下がアウレリア様は面倒見がいいと言っていたし、お節介を焼いてもらえるのであればそうしてもらおうかしら。頼った方が信頼関係が結べるかもしれないし。ちょうどライオネル殿下について悩み事もあるしね。「お節介だなんてそんな……嬉しいですわ。私、悩んでおりまして、よければ聞いてほしい事があるのですが……」「あら、いくらでもお話なさって」 アウレリア様に向かいの席を勧められる。私は腰を降ろしてからおずおずと話始めた。「あの……休んでる間にお手紙とお花をライオネル殿下からいただきまして。ですので、お礼をしたいと思うのですが、私こういう経験がなくてどうすればいいのか……」「お手紙の返事はしたのかしら?」「昨日までは伏せておりましたのでまだ……」「であれば直接言うのも気恥ずかしいでしょうし、体調も考慮して今日は帰るといいわ。それでライオネルにお手紙を書きましょう」 アウレリア様は思いのほか楽しそうに表情を緩めている。手を合わせて提案をしてくる彼女に私は首を傾げた。「しかし、今日帰ってしまうと余計に心配させて
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-07-10
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37話 お客様がお出でです

 私は帰宅後、自分の部屋で机に向かっている。アウレリア様が言ってたことを書くつもりはないけど、ライオネル殿下には一応お礼と、報告を込めて手紙を書こうと思ったからだ。後、書いて送ったという事実を作っておくことでアウレリア様に話ができるし。 けど、お礼を書くのは想像以上に恥ずかしかった。いままで誰かに手紙なんて書いたことがなかったから、出だしに本当に悩む。アウレリア様の言う通りそのまま書くと恋文っぽくなっちゃうし、それはちょっと……。 悩んでいれば、ノックが響く。「何かしら?」「お客様がお出でです」 客、誰とも約束はしてないし、私を目的に家に来る人なんて今までいなかった。だから、誰だかさっぱりわからない。「……誰?」「ライオネル殿下です」「はあ!?」 その名前に、私はすぐさまドレスを準備して客室に向かうことになった。 着替えた私は、客室でライオネル殿下と向かい合わせで座っている。メイドを下がらせてから、何故来たのかを問いかける。「お話は何でしょうか?」「体調は戻ったのか」「はい、おかげさまで。もしかしてアウレリア様が何かおっしゃっておいででしたか……?」 ライオネル殿下自身が訪ねてくるほどだ。もしかしたらあの後、アウレリア様が何か吹聴したのかもしれない。「ああ、アウレリアがまだ体調がよくないそうだからお前を帰した、というので、様子を見に来た」「えっと……」 私はもう体調は大丈夫なこと、そしてアウレリア様と話した内容をライオネル殿下に伝えた。「仲が深まって何よりだ。手紙は、何か適当に書いて送っておいてくれ」「わかりました」 適当って、今もう言うこと言っちゃったんだけど。言うタイミングも逃してるし、お礼だけ書いておこうかしら。 その件は手紙で処理するとして、新たに出た情報を今は精査したい。「気になったのですが、アウレリア様にフィリップ殿下は何を叶えてあげたのでしょうか?」 本人には聞けな
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-07-10
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38話 平民を生徒会へ入れるつもり

 今度はケイティに再び会いに行くことをライオネル殿下に報告することにした。「元気になったので、今度こそケイティとお話ししようと思ってます」「外に行くのは構わないが……お前は何を話に行こうと思ってたんだ?」 そういえば私に任せると言われてたし、前回はライオネル殿下が付いてくると思ってなかったら言ってなかったんだっけ。前回同様、付いてくる気みたいだし話しておいた方がいいかもしれない。その場で否定されても困るしね。「生徒会に入ってもらえるように交渉しようかと」「お前、平民を生徒会へ入れるつもりだったのか?」 やっぱりライオネル殿下は否定的だ。ケイティが平民だということに抵抗があるのは、仕方ない。貴族として平民と話をする方が一般的ではないのはわかってる。けど前世では一般市民だったから、私にはもうその感覚が薄れてしまっているのだけど。 貴族から見ると平民が生徒会に入るのはダメだったりするのかしら? あの穏やかなフィリップ殿下なら許可してくれそうな気もするけど。「平民だと、生徒会は無理なのですか?」「……いや、実力があれば問題はない」 私の質問が予想外だったのか、ライオネル殿下は熟考してから結論を口にした。否定ではなかったので、安堵した。 実力で見てもらえればケイティは大丈夫ね。なんたって将来は大魔法使い。ほぼチートに近い能力を持っている。「しかし、何故そこまで彼女を生徒会に入れたいんだ?」「ケイティに接触できないからですよ。クラスの中では絶対に貴族と接触しようとしませんし、放課後はフィリップ殿下と魔法の練習して、パン屋の手伝いしている。どこに私が入る時間があるのですか? それであれば生徒会に入っていただいて、少しでも接触を持ちたいのです」 ケイティとは小説の話とかアウレリア様の話とかしたいしね。生徒会は都合がいい。
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-07-11
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39話 ケイティの能力はお墨付き

 黙って聞いているライオネル殿下に、ダメ押しとばかりに何故ケイティと話したいのかを嫌みも込めて言っておく。「ケイティからフィリップ殿下のことを聞けるチャンスですし。関係性をはっきりさせるには仲良くなっておくのが一番です。ライオネル殿下がフィリップ殿下のお気持ちを聞いてくだされれば、私はこんな遠回しなことしなくてもいいですけどね?」「わかった。入れるのは構わない……ケイティに生徒会に入るほどの実力があると言うんだな?」「はい。ケイティは優秀です。私とアウレリア様が認めるんですから、彼女なら生徒会に入ってもすぐにお仕事できますよ」 ケイティとアウレリア様のことなら最初の二か月でつぶさに観察済みである。勉強もできるし、聡明だ。何より先生たちからの評判はすこぶるいい。「アウレリアが平民を認めているのか?」「認めてなければわざわざ貴族のルールを伝えてご指導しませんよ。ケイティもアウレリア様のことを慕っておりますし、いい機会じゃありませんか」「だが、ノクタリウスが反対するだろう」「平民お嫌いですものね」 不安は塗りつぶしておきたいのだろう。たしかに一番厄介そうなのはノクタリウス様だ。貴族傾向が一番強そうだし、はっきりと物を言う。何よりアウレリア様の近くに平民を置くということを一番嫌がりそうだ。しかし、どうにかするしかない。「でも生徒会って人手不足ですよね? 私が倒れるかもしれないからその代わりって言って押し切りましょう」「お前、強引だな……」 私の力押し提案に頬を引きつらせて若干引くライオネル殿下。貴方が引くほどではないと思うのだけど? 嫌みを込めて返しておく。「私と無理やり契約を結んだライオネル殿下に言われたくないですが?」「……お前根に持ってるのか?」「どうでしょうね?」 疑問を疑問で返してくるから、私はふふっと笑っておく。根には持ってる。契約内容が良かったことと、現時点で良い方向に転がってるから許してるけど。 こほんと咳払いしてから「悪かった」と言われたので、謝罪は受け入れておく。
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