ライオネル殿下の項目だ。『戦場の獅子と呼ばれ、指揮官としても戦士としても優秀で戦況をひっくり返す力を持つ。勇者としての圧倒的力を引き継いでいる人間。十六歳の時、何者かに毒を盛られる。強力な毒だったが、一命をとりとめた。しかし、右足の麻痺という障害が残り戦場には立てなくなった。彼の戦力を失ったことがすべての始まりだった』 最後の言葉に私はぞっとした。「なんて書いてある?」 書いてあるままを言っていいのだろうか? どこまで幼い私は彼に伝えているの?「…………」「俺は十六歳になった今年、毒を盛られて戦場に立てなくなる。そして、その後国が亡ぶことまで聞いている」「聞いてる通りです。誰が毒殺しようとしたのか、どんな毒なのかは書いてません。でも――」 記録の内容を見て、ライオネル殿下について記載されていた資料を思いだした。内容の記載とともに毒を盛られた青年が倒れているシーンの絵が描かれていた。今ならわかる。あの部屋は寝室に違いない。ベッドは描かれてなかった。でも、服装、そしてかすかに描かれた古いナイトテーブルにはカイリス王国の紋章が入っていた。「ライオネル殿下が倒れている絵を思い出しました。憶測になりますが、ライオネル殿下が倒れるのは王宮のいずれかの寝室かと……」「どこの寝室かはわからないのか?」「王国の紋章が入った古いナイトテーブルがある寝室ですが、心当たりは?」「……兄上の部屋だな」 まさかフィリップ殿下の寝室で毒を盛られるの?「兄上とは情報交換をするのに、決まった日取りで夜に話をする。そのタイミングかあるいは、遅効性の毒か……」 私よりも冷静に分析するライオネル殿下。落ち着きすぎてない……? 毒を盛られるのよ?「であれば、その日は解毒作用のあるものを飲んでおく方がいいか……倒れている俺の姿に今の俺と違う要素はないか?」 聞かれて、ライオネル殿下をまじまじと見る。カラーでの
Last Updated : 2026-07-18 Read more