Todos los capítulos de ラリっとボンノー!!〜鬼娘は活力煩悩まみれ、俺は無気力何もない〜: Capítulo 31 - Capítulo 40

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参拾壱話:ラリの姿・俺の見方

 コンビニでのバイトを終え、アパートに戻る。 高橋先輩との会話で、自分がどれだけ生気がなく、周囲に心配をかけていたかを知り、その無関心を恥じた。  羅璃が俺には「鬼」の側面を強く見せているが、先輩には「天真爛漫エロカワギャル」に見えているという、認知のズレ。 そして、羅璃の身体から消え去っていく模様、最後に残った「貪」の模様。 頭の中は、複雑な情報でいっぱいで、ダルいを通り越して、もう何も考えたくなかった。「あー、疲れたー」 羅璃は、そんな俺の隣で、相変わらず元気だ。「お疲れーしょーへー! 私、お腹減った!」 「え?何か食べるの……カップ麺の残りがあるハズ……俺はムリだ」 羅璃の声を聞きながらも、俺は、玄関を開けて部屋に入ると、そのままベッドに倒れ込んだ。  もう限界だ。 体も、頭も、感情も、全てが疲弊している。「……羅璃……」 ぼんやりと、羅璃の姿を見る。  俺の目にはもはや見慣れた赤鬼ギャルがいる。  勝手知ったる感じで買い置きのカップ麺に入れるためのポットに水を入れて沸かし始めている。 確認しなければならないことが、山ほどある。 人によって羅璃の認識が異なること、天宮寺さんが「無邪鬼」と言ったこと、そして、最後に残った「貪」の模様。  聞きたいことばかりだが、疲労で意識が朦朧としてくる。このまま、暗闇に落ちて行くように、眠ってしまいたい。  だが、意識を失う前に、一つだけ……『今』やるべきことがある。 ゲームのキャラクターデザインだ。  3Dモデルにするための、見えない箇所の絵。いわゆる三面図と呼ばれるものだ。 気力を振り絞って、ベッドから這い上がる。 机に向かい、スケッチブックと鉛筆を広げる。  ゲームのキャラクターデザイン。 ネットで調べたサンプルを参考に、見様見真似で、羅璃の4等身の鬼娘デザインを、様々な
last updateÚltima actualización : 2026-08-07
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参拾弐話:ラリ・イン・ザ・ゲーム

 アパートに戻り、羅璃のキャラクターの絵を進めていた。 3Dモデルにするから見えない箇所の絵を描いてほしいということだった……いわゆる三面図だ。 ネットで様々なデザイン画のサンプルを見つけ、見様見真似でペンを走らせる。 隣に羅璃が来て作業を覗き込む。 またセクシーな挑発が始まるのかと警戒したが、羅璃は普通に「いい感じ、頑張れ翔平」と応援してくれた。 その応援が意外にも嬉しかった。 広がるデザイン画を見て、羅璃は嬉しそうに「ヒゲの配管工に私勝てるかな?」などと聞いてくる。「アホか、そっちは世界レベルだぞ」とツッコミを入れる。 羅璃は「絶対勝てるって!私の方が魅力的だから!カートレースだってゴルフやテニスだって負けないぞー!」と意気込む。 そんなスケールの大きな話に、俺も少し楽しくなり、夢を語っていた。「自分の中から出てきたキャラが世界に羽ばたくというのは何と素敵で楽しそうな夢だろうか……」。人は想像の中でなら、どんなことでもできる。 羅璃は、そんな俺の頭をポンポンと叩いた。「ま、そもそも、私がお前を目覚めさせてやったんだぞ?」と少し偉そうにしながらも、「目覚めて立ち上がり前に進み始めたのは翔平自身だ、自信を持て」と励ましてくれた。俺の中に、確かな光が灯るのを感じた。 そして、次のサークル活動の日。 サークル部室に入ると、皆が俺の描いた羅璃のキャラクターデザインを囲んで、興奮気味に話していた。「翔平、マジでこれ描いたのか!? すっげー可愛いじゃん!」 中村山くんが、目を輝かせている。「よくこのイメージから、このデフォルメキャラに落とし込めたね。バランスも良いし、表情も豊かだし」 寺社杜さんも、心から感心したように言った。「これなら、きっと魅力的な3Dモデルになるぞ! さすが潟梨!」 山本中会長も、満足そうに頷いている。羅璃の
last updateÚltima actualización : 2026-08-08
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参拾参話:サクラ散るピンチ

 サークルで羅璃のキャラクターデザインが好評を博した。 自分の制作したものが受け入れられることの喜びがこれほどまでとは…… 次の敵キャラのデザインという新たな宿題をもらってはやる気持ちを抑えて、いつものようにコンビニのバイトへと向かう。羅璃も当然のように付いてくる。「お疲れさまですー!」 バックヤードに入ると、珍しく高橋先輩が困った顔をして腕を組んでいた。 いつも笑顔で、どんなトラブルも軽やかに捌く高橋先輩が、眉を下げているのは珍しい。「あれ? 高橋先輩、どうしたんですか? 何か困りごとですか?」 俺が尋ねると、高橋先輩は顔を上げた。その表情は、やはりいつもと違う。「あ、翔平に羅璃ちゃん。うん、ちょっとね……困ってるんだよ」 高橋先輩は、心配そうに息を吐いた。「実はさ、私たちのバンド、新曲も出来て、次のライブが決まったんだよね」「わお! それはスゴイ凄い!いいじゃないですかぁ!」 羅璃が、目を輝かせて声を上げる。 バンドに詳しい訳でもない羅璃も、高橋先輩たちの活動を応援している。 俺と一緒に体感したあのライブの興奮を思い出したように小躍りしている。「でしょ? それで、みんなで盛り上がってたんだけどさ……ギターのサクラが、ちょっとピンチで」 高橋先輩の言葉に、俺は嫌な予感がした。 サクラ。 つまり、天宮司さくらさんだ。「サクラの家族に、バンドのことがバレちゃってね。 それで、次のライブに出られないかもしれないって言うんだよ……」 高橋先輩は、肩を落としてそう言った。「あー……」 羅璃が、小さく声を上げた。その声は、何か心当たりがあるかのような響きだった。「羅璃、何
last updateÚltima actualización : 2026-08-09
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参拾肆話:偽りのラブランデブー

 昼休み、食堂で三人は食後に缶コーヒーを飲みながら先ほどの続きを話し合うことにした。 羅璃は何故か天宮司さんにはキツく当たるような気がするが、それでもこれまでの自分を変えるためにも向き合って助けてあげるべきだという。高橋先輩の恩の話を出されるとさすがに無下には出来ない……「しょーへー、お前にはこの件に向き合うだけの条件が全部そろっているゾ。人は一人では生きて行けない。縁は意図がないと繋がらない。これまでもそこにショーヘーの意志が介在しなかったからフワフワしてたんだ」羅璃はこれまでの成果を誇るように鼻息荒くしながら話す。「でもこの羅璃様のお陰で周囲に意識を向けた。その結果が今ここにある。しょーへーがもし、全くの無関心無気力で生きていたら、そもそも天宮司さんと話すことさえなかったんだからな。高橋先輩だって話題にも出さなかっただろうしバンドやってるなんて知り得なかった」 傲慢で高飛車な《ラリ》の高説にも聞こえるが、そこには俺が見ようとしなかった世界が広がっていることを知ることになった事実があった。「そ、そういうモノなのか……確かに。羅璃は凄いな……」 知って、分かって広がった世界。そこには白黒の背景に顔のないモブが存在する無意味な乾燥した日々ではない。 いろんな人がいろんな思いをもって様々な問題に向き合って生きている。 意識を向ければ相手も自分を意識する。そこに縁が生まれる。そして世界が動く。 色がついていく。「何だよしょーへー、今更羅璃さまの偉大さに気づいたか!何事も前向きに捉えないとな!」 天宮司さんは、羅璃の言葉に、ハッと顔を上げた。 そして、何かを決意したかのように、真っ直ぐ俺の目を見た。「潟梨君……羅璃さんの言う通りかもしれません」 天宮司さんの言葉に、俺は嫌な予感がした。 彼女の顔には、|藁《わら
last updateÚltima actualización : 2026-08-10
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参拾伍話:GOGO行けの恋

 天宮寺さんから、まさかの「彼氏として親に紹介したい」 というトンデモ提案をされて以来、俺の脳味噌は完全にその件で占有されてしまった。 羅璃の猛抗議と、天宮寺さんの必死な懇願の狭間で、俺の思考は停止したままだった。 この、強引に決まった「天宮寺さん宅訪問(?)」は、俺の生活に大きな影響を及ぼした。 まず、サークル活動だ。 ゲームの企画会議中も、俺の頭の中は「宮司」「彼氏」「結婚前提」「関東大神宮」 といったワードがぐるぐる回っていて、全く身に入らなかった。 中村山くんがプログラミングの進捗を報告していても、寺社杜さんがキャラクターモデルのアイデアを話していても、半分上の空だ。「あれ? 翔平、最近頑張り過ぎてオーバーヒートしてるんじゃないか?」 山本中会長が、心配そうに声をかけてきた。「ラリちゃんがゲームの中で動くのは、翔平のデザインを寺社杜さんが3Dモデルに落とし込む作業があるから、しばらく時間が掛かるぞ。だから、慌てるな」 寺社杜さんも、俺を気遣ってくれた。皆、俺が最近、積極的にゲーム制作に取り組んでいるから、無理をしているのだろうと思ってくれているのだ。「今日は、もう休んでも良いぞ? 無理はするな」 山本中会長の優しい言葉に、俺は恐縮するしかなかった。 事情を知らない彼らは、本当に俺を心配してくれている。 その優しさが、今の俺には余計に胸に突き刺さった。 コンビニのバイトも、同様だった。 流石に穴を開けるわけにはいかないと思い、重い足取りで行ったのだが、1時間もしないうちに店長に呼び出された。「翔平君、顔色が悪いぞ。今日はもう帰りなさい。無理して何かあったら大変だからね」 店長も、俺の異変に気づいていたのだ。 結局、早々に追い返されてしまった。 バックヤードの扉から出ていく俺を、高橋先輩が、いつものようにニコニコしながら眺めていた。 彼女は、俺が何を考えてい
last updateÚltima actualización : 2026-08-11
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参拾陸話:デート・オア・デッド

 土曜日。朝早くから、羅璃に叩き起こされた。「しょーへー! 時間だぞ! デート、行くぞ!」 羅璃は、元気いっぱいに俺を引っ張る。まずは、予約した美容院だ。「本日はどのようにいたしますか?」 美容師に尋ねられ、俺は思わず「おまかせ……」と言いかけた。 その瞬間、鏡に映った羅璃が、物凄い顔で俺を睨んでいるのが見えた。 まるで、「適当なことを言うな!」と言っているようだ。俺は、慌てて言い直した。「あ、いや……! 実は、彼女の両親に挨拶することになりまして…… 割と格式の高いご家庭なので、恥ずかしくないヘアスタイルをお願いできれば……」 俺は、状況を具体的に伝え、美容師に提案の幅を与えつつも、TPOを意識したヘアスタイルをリクエストした。羅璃は、鏡越しに、目立たないようにOKのサインを出している。ほっとした。「へー、彼女さん、イケてるから、バランスとって色入れたりする?」 美容師は、付き添いで来ている羅璃の派手な外見を見て、俺たちを派手目のカップルだと勘違いしているようだった。「えっ!?」 俺は、思わず声を上げてしまった。色!? 髪の毛に色を!?「あー、彼女は……親戚の子で、明日挨拶するのは清楚系なんです……」 俺が、必死で説明すると、羅璃の顔が百面相のようにコロコロと変わった。 驚き、不満、そして、どこか面白がるような表情…… だが、羅璃は顔芸で「アイツはセイソじゃねぇ……」と言っている。 いや、天宮寺さんは、確かに普段は清楚な雰囲気を持っているのでウソではない。 そんなやりとりを美容師さんは「アラアラ」と笑いつつも、俺の希望を汲み取ってくれた。「なるほどね! じゃあ、2ブロ
last updateÚltima actualización : 2026-08-12
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三拾漆話:神社と宮司とさくらさん

 日曜日。いよいよ決行の日だ。 朝から、とてつもない緊張が俺を襲っていた。 胃がキリキリする。 羅璃は、そんな俺の隣で、昨日の今日とは思えないほど元気だ。 耳には、昨日俺が贈った月と星のイヤリングが、キラリと光っている。 それを見るのは嬉しい。 羅璃との「デート」は、俺の人生で最も充実した一日だった。 羅璃が俺の言葉を涙ながらに喜んでくれたことも、忘れられない。 だが、今日は、天宮寺さんの力になる日だ。 事前の打ち合わせでは、とにかく天宮寺さんの話に合わせて、御父上の機嫌を損ねないように努め、場が和んだところでバンドの話に持ち込み、説得するということになっていた。「昨日のしょーへーはカッコよかったぞ! ちゃんと自分の想いを言葉に出来るなんて素敵だから、さくらだってそのお父さんだって、素直に話せば伝わるよ!」 羅璃は、俺を励ますように、楽観的にそう言った。 だが、俺は羅璃ほど天宮寺さんのことを理解していない。 彼女がどれほど切羽詰まっているのか、彼女の家族がどれほど厳格なのか。 そんな自信のないことを考えていたら、段々、緊張が増してきた。 ◇ 関東大神宮は、東京山の手の中心、皇居の近くにある。 伝統と格式ある、実に立派な本殿があり、お参りや拝殿結婚式、厄払いなど様々な行事が行われているらしい。 東京の中心に在りながら、高層ビル群に囲まれるでもない広大な敷地は、まるで別の空間のようだ。 羅璃は、俺の隣で、何の躊躇いもなく普通についてきている。 霊験あらたかな神社に、羅璃のような存在が入れるのだろうか……そんな疑問が頭をよぎった。 だが、俺の腕に捕まって、羅璃はごく普通に鳥居をくぐっている。(羅璃って、本当に何なんだ……?) 俺は、もう分から
last updateÚltima actualización : 2026-08-13
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三拾捌話:神職共に寝食共に

「娘が、他人を褒めたり、話題にすることさえ無かったのだから……全く驚きだ」 宮司は、そう言って、俺とさくらさんを交互に見た。その眼差しは、先ほどまでの鋭い探るようなものではなく、どこか、穏やかなものへと変わっていた。 場の雰囲気が、ようやく和んだように見えた、その時だった。「しかし、まあ、話には聞いていたが……憑物付きとはな……」 宮司の顔が、急に険しくなった。その言葉に、俺とさくらさんは凍り付いた。憑物付き? すると、控室の入り口の障子がスーッと開き、神職の袴姿の人物……禰宜と呼ばれる宮司に仕える神職が、なぜか羅璃を連れてきた。「何しやがんでい~! ここの神職はラリってるのかぁ~!」 羅璃が、必死に吠える。だが、羅璃は身動きが取れないようだった。どうやら、太い注連縄(しめなわ)で後ろ手に縛られているようだ。「お連れしました」 禰宜が、淡々と宮司に報告する。「連れられてないぞ! 誘拐だ! 拉致だ」と騒がしい羅璃。 乱暴とまでも言わずとも有無を言わせない感じで連れてこられた羅璃は、縛られたまま、なおも騒いでいる。 その光景に、俺とさくらさんは、驚きのあまり言葉を失った。「お父様! これはどういうことですか!?」 さくらさんが、宮司に詰め寄った。 宮司は、厳しい表情のまま、さくらさんを見て言った。「さくら。お前が『破邪のお札』が欲しいなどというから、用意したが、何に使うか気になるではないか……だが、その『人ならざるもの』に使ったが、役に立たなかったそうだな……それは前代未聞」 宮司の言葉に、俺は驚愕した。あの時、さくらさんが羅璃に貼ったお札。あれは、宮司が用意したものだったのか。そして、羅璃に効かなかった…&helli
last updateÚltima actualización : 2026-08-14
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参拾玖話:バック・トゥー・ザ・日常

 天宮寺さんの家庭(社務所)訪問は、羅璃の思わぬ介入と宮司の誤解により波乱の展開を迎えた。 最終的には羅璃の逆転と翔平の真剣な訴えによって、宮司から解放され事態は収束に向かった……まあ、結果的に勝手に帰ってきてしまったが…… 社務所を後にして、羅璃と共に帰る道すがら、俺は羅璃に話しかけた。「羅璃、ありがとう」「何だよしょーへー、改まって」 羅璃は、いつものようにケラケラと笑いながら言う。「今日は……感動した」 俺は、本当にそう思った。宮司の圧倒的な威圧感と、羅璃を「浄化」しようとした時の恐怖。あの状況で、羅璃は、俺の想像を遥かに超える行動で、事態を収拾してくれた。「羅璃が何者なのか、気にしても仕方ないって俺は思ったんだ。ありのままの羅璃を受け入れようと……」 羅璃は、少し目を細めて、俺の言葉を聞いている。「出会った時、羅璃は俺の中から出て来たって言ってたよね。 確かに、羅璃を縛ると言った文様は、俺の煩悩だったのかもしれない」 羅璃の身体に刻まれていた文様。 そして、俺の煩悩が解消されるたびに、それが薄れていく現象。 羅璃の言葉は、その整合性を保っている。「でも、今日の大見得を見た時思ったんだ。 俺はそんな知識持ち合わせてないし、圧倒的に知識も判断材料も、羅璃には敵わない」 宮司の繰り出した神術。 そして、それをあっさり無効化し、さらに論破してみせた羅璃の知識と力。 そんなもの……。「そんなモノは俺の中には無かった……なら、羅璃は何処から来たのか……っていう疑問が、今日、ものすごく強くなったん
last updateÚltima actualización : 2026-08-15
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肆拾話:可視化するラリの歌詞

 翌日、コンビニのバイトに入ると、高橋先輩が飛んできて、俺の手を取った。「ありがとう、翔平! サクラから連絡があって、次のライブの参加の許可が貰えたって! 潟梨君のお陰だって!」 高橋先輩は、大はしゃぎだ。「いやぁ~当事者というか主催の私が行っても火に油と思って、この件に関しては本当に絶望的で藁にも縋る気持ちでお願いしたんだけど……まさか本当に解決するなんて!一体どんな魔法使ったの?」「いや、俺は何も……全ては羅璃のお陰です」 俺がそう言うと、高橋先輩は羅璃の方を向いた。「きゃー、羅璃ちゃん、ありがとう!!サクラに聞いたけど 大活躍だったんでしょ!?」「そーなんですよ、ミサトさん〜! サクラのお父さん、怖い人で〜」 羅璃は、大袈裟にそう言って、高橋先輩の胸に頭を埋めている。「やーん」と、高橋先輩は嫌がっているのか喜んでいるのか分からないような声を上げた。 佐藤店長が、呆れたようにこちらを睨んでいるので、俺はすぐにシフトに着いた。 ◇ しばらくして休憩時間になり、高橋先輩にまとわりついていた羅璃から声が掛かった。「翔平、来て見て!びっくりだよー!」「何?」 羅璃が、徐に高橋先輩から一枚のプリントを受け取り、俺に差し出した。「次のライブ決まったって言っただろ? 君たちの曲作ってみるって話……したじゃん?」 少し頭を掻きながら高橋先輩が言う。「……はい?」 確かにそんなことを言っていたような…… 俺は、プリントされた紙を受け取った。それは、歌詞だった。 読み進めていくとそれが、俺が羅璃と出会ってからの物語であることが一目で分かった。 ------------------- タイトル:彩(Color o
last updateÚltima actualización : 2026-08-16
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