「ゴム製の~~~ガトリング!!」 腕の長い男が両手をフル回転させてパンチを打ってくる。 近づいちゃえばリーチは関係なくなるだろうって思ったんだけど、下がって避けるってことができないのが想像よりもたいへんだ。 かわした拳が床や壁を砕いてる。【インキュバスきゅん、よくかわすねえ】【SPD特化?】【しかしこれじゃジリ貧だろ】 コメントが流れてくる。 視聴者っていう人たちらしい。 こんなの、見てて何が楽しいんだろう?「ゴム製の~~~ストーム!!」 腕長さんも言っていることは変わるけど、やってることは変わらない。 ひたすら連打、連打、連打だ。 だんだん、慣れてきた。【インキュバスきゅん、防戦一方】【風に吹かれる落ち葉のようだ】【ポエマーが降臨しました】 防戦、そうだ。防戦はよくない。 ヴォーさんに教わったことだ。 闘いの基本は攻め。 攻めて攻めて、自分のリズムを相手に押し付ける。 拳が絶え間なく通り過ぎていく。 顔の横。 頭上。 首筋。 脇腹。 肩。 途切れることのない風切り音。 間合いはまだ遠い。 必殺の距離に入れない。 それでも攻めなきゃ。 どうやって? かわしながら考える。 かわしながら隙を狙う。 かわしそこねた一撃を短剣で払う。 硬いゴムでも切りつけたような感触。 それでも腕長さんの拳には、薄っすら血が滲んでる。 ……あっ、そうか! 簡単なことだった! かわす。 斬る。 かわす。 斬る。 かわす。 斬る。 近づけないなら、近づいてくるものを斬ればいい。 かわす。 斬る。 かわす。 斬る。 かわす。 斬る。 かわす。斬る。かわす。斬る。かわす。斬る。かわす。斬る。かわす。斬る。かわす。斬る。かわす。斬る。かわす。斬る。かわす。斬る。かわす。斬る。かわす。斬る。かわす。斬る。かわす。斬る。かわす。斬る。かわす。斬る。かわす。斬る。 みちみちっと、異質な音が混じりだす。「ゴム製の~~~マシンガン!!」 言葉は違う。でも同じ技。 連打、連打、連打。 かわす、かわす、かわす。 斬る、斬る、斬る。 みちり、みちり、みちり。 何かが裂ける音がする。 かわす、かわす、かわす。 斬る、斬る、斬る。 みちり、みちり、みちり。 何かが裂ける音が大きくなる。
Last Updated : 2026-07-13 Read more