「そういやさ、どうやって2万人も捕まえたの? 一人残らず捕まえたってわりには、ヒロトとツカサは残ってるし」「あー、それはっすねえ……」 マサヨシ君の案内でYADOBASHIビルの頂上、2048階に向かいながら、俺が浮かんできた素朴な疑問をぶつけた。 マサヨシ君はどうも言いづらそうに頬をかいている。なんだ、またジャークダーによる悪逆非道な行為があったのか?「YADOBASHIを占拠したあとに、ハッキングしたアキバ電工のメイドを使ってぜんぶのお客さんを捕まえたんすよ。その間は臨時休業ってことで出入り口を閉鎖して……」「そんときに取りこぼしてたってことか? まあ、あんなゴーレムに捕まるほど二人とも間抜けじゃないもんな」「いや、休業中なのに、全員捕まえたあとに無理やり入ってきたんす」「え?」 俺は思わず、ヒロトとツカサに視線を向けた。「定休日じゃなかったからな! ドアの故障だと思ったんだぜッ!」「あー、YADOBASHIは勢力争いが激しかったから、勝手に封鎖されるとか珍しくなかったんだよね。あっ、もちろんガラスを割ったりはしなかったよ? 自動ドアに手のひらを当てて、ボクとヒロトでぐいーっと左右に開いて慎重に開けたんだ」「正義の道は誰にも止められないんだぜッ!」「目的はただの買い物だったんだけどね」 ただの買い物で正義の味方を名乗る連中が平然と不法侵入をする異世界……率直に言って、嫌すぎるんですが。「自分たちだって嫌だったっすよ。普通は通れるところが封鎖されているとか抗争が起きてる証拠みたいなもんっすし、レッドさんたちみたいなアレな……いや、勇敢な人たちじゃないと入ってこないっす」「正義と勇気は共に歩くものなんだぜッ!」「えっと、それでっすね。レッドさんたちが侵入してたのに気づいたのはこっちの世界にきたあとで、メイドロボ――セージさんたち的にはゴーレムっすかね? それを差し向けたところでどうにもならないんで、周辺の探索なんかに向けてたらしいっす」 なるほど、俺たちを襲ったのはそういうメイドたちだったのか。 警備がなんたらとか言ってたけど、あれは何だったんだろう?「たぶん元のプログラムを流用してるっすからね。アキバ電工みたいな老舗のAIは秘伝のタレの塊みたいなもんで、リバースエンジニアリングはほぼ不可能なんす。おそらく、敵性対象を誤認する
Huling Na-update : 2026-07-13 Magbasa pa