「ヒツジ先生ー、ジャーキー食べる?」「先生はだいじょうぶだよ。お腹が空いてるなら、メリスちゃんがお食べ」「……シロも、食べる」 ずっと歩いていてお腹が空いたのか、メリスちゃんとシロちゃんがポーチからジャーキーを取り出してあむあむとかじりはじめた。 探索中の栄養補給は重要だ。普通の食事以外にもちょくちょく軽食を摂って、スタミナ切れを起こさないようにしなければならない。メリスちゃんたちには積極的に間食を摂るようにあらかじめ教えていた。「そういえば、ツカサたちはメシはどうしてたんだ?」「メシ屋ならたくさんあるからなッ! そこで食ってたぜッ!」 ツカサに聞いたのに、ヒロトが要領の得ない返事をしてくる。「メシ屋なんてどこにあんだよ? だいたい、人間はいないんだろ?」「あーあ、せっかくならいきなり見せて驚かせたかったんだけどな。あっ、エレベーターに着いた。ごはん屋さんのところまで一気に移動するから、説明するより見てもらった方が早いかな」 なんとも形容しがたい配色と形状のメイドの群れはいつの間にか終わっており、目の前には金属製の引き戸らしきものがあった。 ツカサが壁のボタンを押すと、「ポーン」と軽い音がして戸が開く。中は小部屋になっていて、片面はガラス張りで外が見えた。なるほど、金属メイドたちを運んでいたチューブがこれだったんだな。「お客さん用と関係者用で分かれてるけどね。メイドを運んでたのは関係者用だよ」「扉が開いたらメイドの群れとご対面……って心配はないってことか」「そそ、そういうこと。んじゃ、ひとまず50階まで行っちゃうね」 ツカサが数字の書かれたボタンを押すと、扉がしまってすうっと身体が重くなる。 ガラス越しに外を見ると、みるみる地面が遠くなっていった。 そしてふっと身体が軽くなる感覚と共に、エレベーターが止まる。 再びポーンと音がして、扉が開いた。「ここがごはん屋さん。色んなものが食べられるよ」「これがメシ屋……?」「ひっろーい!」「……ごはんの匂い、しない」 扉の先に広がっていたのは、椅子とテーブルが見渡す限り続く空間だった。 テーブルの上にはそれぞれ四角い鏡のようなものがひとつずつ置かれており、人の気配はどこにもない。メリスちゃんは見通しのきく空間に出てテンションが上がっているが、どうもお腹が空いたらしいシロちゃんは
Last Updated : 2026-07-13 Read more