列車でも突っ込んできたんじゃないかという振動と共に怪物が何度目かの突撃に失敗して通り過ぎていく。石板の敷かれていた闘技場はバキバキに砕け散っており、いまや見る影もない。 わたしが回避に徹している間、爽やかイケメンは何度か奇襲モドキを繰り返しては触手に弾き飛ばされている。学習してくれ……。 ミリーちゃん、リッテちゃんは怪物のヘイトを無駄に買わないよう、攻撃を控えて突撃に巻き込まれない位置へと移動を繰り返している。忙しく移動を繰り返しているせいで戦車からの脱出に取りかかれないようだ。もどかしい。 そうこうしている間に観客席から『魔弾』や、同じく魔法なのだろう炎でできた矢、氷でできた矢などの援護射撃がぼちぼち飛んでくるようになってきてはいるが、怪物はまるで気にすることもなく受けるがままにしている。頑丈すぎるだろ……。 このまま回避を続けるのは難しくない。だが、この怪物を放って逃げたらどうなるかと考えるとどうしても恐ろしい想像に行き着いてしまう。会場に残って戦っている人を喰い、さらに力を得た状態で街に出て街の人々を喰らいまくるのだ。 こんな大きな街の人間を食べ尽くしたら、あのメガネチャンダイオーが倒した瘴気領域の大怪獣なみの巨体にあっという間に育ってしまうのではないだろうか。 仕留めるなら、いまこの瞬間がベストであることは間違いない。しかし、セーラー鎧モードで全力攻撃を仕掛けても仕留められるかわからない。だいたい、あいつの弱点はどこなんだ? 頭部は触手まみれで脳などの重要器官があるのかあやしい。 心臓は……人間型の胴体部分にあるのか、馬型の胴体部分にあるのか。仮に馬の部分にあるのだとすれば、巨大な前脚に阻まれてとても狙いをつけられない。横っ腹から近づけば触手攻撃が待っている。くそ、妙案が思い浮かばない。「みさきさん! 一瞬だけあいつの動きを止めることはできますか?!」「やつを主砲で撃ってみます!」「おう! 任せとけ!」 わたしよりも早く返事をしたのは全身血みどろになっている爽やかイケメンだ。そんなボロボロなのに元気だな。そしてその謎の自信はどこからくるんだ。 ともあれ、主砲という攻撃手段があったのを忘れていた。発射試験には立ち会っていないが、この状況でそんな提案をするってことは勝算があるってことなんだろう。セーラー鎧モードを解禁すれば多少の足止め
Last Updated : 2026-07-13 Read more