花梨は目を真っ赤に潤ませ、肩を震わせながら言った。「怜司……莉奈には毎日、私が心を込めて作った朝食を食べさせてるの。莉奈が口にするものは全部、問題がないか自分でちゃんと試食してから食べさせてるんだから。なのに……遥が持ってきたあのお菓子だけは、試食する時間がなかった。まさかこんなことが起きるなんて……」彼女の声には泣きが含まれ、その言葉は露骨に遥を黒幕扱いするかのように、真っ直ぐ遥へと矛先を向けていた。怜司は眉をひそめ、険しい表情のまま、一言も返さず病院のモニタールームへと向かった。もう二度と、花梨の言葉だけで遥を疑わないと決めていた。いつもなら、すぐに自分を問い詰めるはずだった怜司が、今回は何もしないことに遥は驚きを隠せなかった。何かが、変わり始めている。……モニタールーム。怜司は今日一日分の、病室のすべての録画データを確認した。花梨が言う通り、莉奈が起きてから朝食を食べている様子は問題なく記録されており、怪しいところは見当たらない。遥が病室へ来て、莉奈にお菓子をあげる様子もしっかりと映っていた。消去法でいくと、疑わしいのは遥だけになる。しかし、真実は本当にそうなのだろうか……薬剤への拒絶反応が起きたのは、以前から頭部に何らかの損傷があったからだ。だが、花梨の頭にそんな怪我はない。彼女ならその薬を摂取しても、ほとんど影響はないのだろうか。怜司は少し考え込み、静かに言葉を継いだ。「花梨。莉奈はお前の作った朝食を食べて具合が悪くなったが、あの子にはもともと頭痛の持病がある。お前が試食して平気だったのは、単に、お前自身に頭の持病がないからだ」遠回しに、花梨が怪しいと言っているのと同じだった。怜司が、ついに自分を疑い始めた。その言葉を聞いて、花梨はさらに声を上げて泣き出した。顔を両手で覆い、体を小さく震わせながら、声を詰まらせて言った。「怜司、私を疑うの?どうして私が莉奈を傷つけることなんてできるの?莉奈は私にとって命より大切な娘よ!これまでずっと、私は心からあの子を大切に育ててきた。あの子のためなら何だって捧げられる。なのに、どうしてそんなふうに私を見るの……」花梨は急に顔を上げ、絶望したような表情を浮かべた。「私を信じないなら、駿さんに診てもらうわ。あなたに心配をか
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