すると、会場は一瞬にして騒然とし、フラッシュの嵐が巻き起こった。記者たちは次々とマイクを突き出し、質問攻めを始めた。かつて菅原グループと付き合いのあった取引先も、皆それぞれの思惑を抱えるようになった。その結果、会見を終えて一息つく間もなく、遥のスマホに知らない番号から電話が入り始めた。電話の主は、かつて菅原家と付き合いがあった元株主たちだった。彼らは殊勝な口調で菅原グループの再起を支持し、復興のために力になりたいと言ってきた。それを聞いて、遥は心の中で冷笑した。菅原家が窮地に立たされた時、真っ先に逃げ出した連中が、再起の兆しが見えるとまた集まってくる。しかし、そう思っても彼女は本心を隠して丁寧に応答を続けた。彼らは重要な証人にもなるからだ。彼らから聞き出せる情報が、菅原家事件のヒントになるはずだ。そう判断した彼女は、彼ら一人ひとりと面会する約束を取り付け、後で詳しく話をすることにした。その頃、文隆が娘の悦子を連れて、遥の臨時オフィスを訪ねてきた。悦子は相変わらず愛らしく、遥を見ると明るく挨拶をしてきた。「遥姉ちゃん、お久しぶりです!」「遥姉ちゃん」という親しげな響きに、遥は思わず笑みをこぼした。莉奈は花梨の影響でずっと他人行儀に「遥さん」と呼んでくるが、遥はもともと気にはしていなかった。ただコンクールの後も、悦子が距離を置いた呼び方に変えていなかったことが、遥は嬉しかったのだ。何しろ、悦子と莉奈はとても仲が良いのだから。そこで文隆は、遥に微笑みかけながら言った。「遥さん、君が再び菅原グループを立て直すとは、その勇気に敬服しますよ。この前、君が悦子を指導してくれたことに感謝して、今回はお祝いを持ってご挨拶にきました」そう言うと彼は鞄から書類を取り出し、手渡してきた。「西園寺グループの資料です。この西園寺昭(さいおんじ あきら)さんは西園寺家の一人息子であり、現在の西園寺グループの社長です。最近、小林家と西園寺家は提携を結びました。昭さんには、君のことも話してあります。必要であれば協力は惜しまないと、彼からも申し出をいただいています。もちろん、我々小林家も全力で君をバックアップするつもりです」手渡された書類を見た遥は、予想外の収穫に胸を躍らせた。西園寺グループの名前はかねてよ
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