塔に着いた瞬間、レオンハルトに先手を取られた。「ダリウスの手前、あまり言わなかったけどちょっと無理しすぎ。ミレイユしか錬金できないんだから休んでくれ」レオンハルトはミレイユの額をピンと弾く。「いったーい!だ、大丈夫ですよー」デコピンで終わらせてくれたが、レオンハルトがすごく怒っているのは分かる。 私のことを考えて休めと何度も言ってくれるし、昨夜もベッドまで運んでくれたし、ゆっくり眠らせてくれるし……それなのにそれを無にする勢いでミレイユが動き続けるから、止まれと言っているのだ。でも……クーデターの時は私の仕事なんてないのよ。 今無理しないで、私はいつ無理をするの? だって、早く完成すれば早く助けられるのに! クラッカー型だって毛皮の加工だって、たとえ倒れたとしても構わない。なのに、じーっとレオンハルトに睨まれると一気にテンションがしぼむ。「……わかりました。じゃあ、一時間やったら十分休憩します」「だめ。1時間やったら1時間休憩」「せ、せめて30分! それじゃ間に合わないです!」「休まなきゃ魔力が枯れる。作るだけじゃなく、安全に使えるものを渡すんだろ?今回は、いつも作り慣れている商品を作るわけじゃないのは分かるよね?どれだけの負担がかかるかわからない。そんな状況で、万全で一番いいものを届けられるかい?」「うっ……」ぐうの音も出ない。正論だ。おそるおそる上目遣いで見上げると――「こらっ! そんな技いつ覚えた」レオンハルトにほっぺをむにっとつままれ、ぐいぐいされてそのまま胸に引き寄せられる。「心配なんだよ。ミレイユの師匠だって、自分しかできないって思い込んで無理したんだろ? ダリウスの後悔に溢れた顔を見てみろ」目が潤んだダリウスを思い出したミレイユは、胸が掴まれるような気持ちになる。「ミレイユと師匠は似ているんだろう?俺とダリウスも似ているんだってさ。俺はダリウスみたいな後悔はしたくないんだ。ミレ
Última atualização : 2026-09-25 Ler mais