All Chapters of 錬金術師は国から追われる: Chapter 111

111 Chapters

111 理解できない歪んだ感情

「わけがわからない」レオンハルトは、ユリウスから渡された錬金道具を前に、その意図が分からず頭を抱え怒りを露わにしていた。錬金道具が入っている袋何かあるかも?そう思ったが、むしろ魔法阻害がかかっているだけで透視を防ぐ以外は何の仕掛けもなかった。誰かに錬金道具を持っていると知られることはない仕組みだ。中身はポーション、魔物よけのブローチ、束縛紐――「どう見ても普通の魔物退治用の品ばかり。何がしたいんだ、あいつ……」どう考えてもその思考回路が理解できなかった。お前がみんなの錬金道具を奪って、それで多くの樹海防衛部隊の隊員は死んだんだぞ。今更情けをかけられたところで、その命は戻ってこない。これでチャラにされたようで、レオンハルトは腹が立ってたまらずその怒りを何処にぶつけたらいいのか分からない。「ふむ……罪の意識なのかもしれないな」隣のダリウスは思い当たることがあるようで、顎に手を当てて唸っている。「ダリウス、同じ貴族同士で守り合うのは勝手だけどよ。どの罪だ?余罪ありすぎて数えきれねえよ」「詳しくは言わないが、思い当たることはいくつかあるんだ。ただ、これはお前が怒るのも無理はない。ユリウスの単なる自己満足だからな。これをミレイユに鑑定してもらって、使えるものは使えばいいじゃないか。ものはあるに越したことはない」ダリウスは、怒りに震えるレオンハルトを見て苦笑いする。もちろんダリウスは口にすることはない。ユリウスが、かつて王妃と関わっていたことをレオンハルトに知られたら、余計に傷を抉るだけだ。しかし、本当に歪んでるな。ユリウスは……ダリウスは、レオンハルトが怒るのも無理はないと感じていた。そういえば、日記に王妃について書かれていることはなかったな。今回のことは、王がライナルにうまく唆され、魔導炉を強要していただけなのだろうか?じゃあ、アリエルの失踪に王妃は絡んでなか
last updateLast Updated : 2026-10-15
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