拠点に戻ると、すでにカニもどきパーティは終わっていた。パーティの残り香と大量の殻だけが漂う中、隊員たちが妙に生ぬるい目で二人を見てくる。だが、大量の夜目レンズを取り出した瞬間――(……進展なしか)一斉に憐れみの視線に変わった。「いいんだよ。全部終わったら、一からちゃんと交際してほしいって伝えて、そこからちゃんとやり直すんだから!」「婚約者どころか、交際からやり直すんですか?」周囲の空気がますますドン引きに染まり、冷ややかな声が突き刺さる。「わかってないな。真面目な恋愛だからこそ誠実に進めるのが一番の近道だよ」レオンハルトは毒づいたが、隣でダリウスは少し羨ましそうに見守っていた。そのダリウスに、魔力防御のヒントになりそうだから魔導炉の設計図を見直したいと告げる。「俺も確認しとくかな?」3人で部隊長室に籠り、図面を広げた。「……正直、難しすぎて細かいところはさっぱりですね」これを師匠は理解できるの?とミレイユが呆然としている。レオンハルトも同意するしかなかった。「前隊長は魔力だけじゃなくて、相当な努力家だったんじゃないか。もちろん、頭も切れる人だったんだろうけど」「難しいのが普通なんだ。でも、あいつは普通が分からなかったからほとんど休まなかった。気づいてからは、強制的にでも眠る時間を作らせたけどな……薬やポーションに頼って無茶な鍛錬や勉強を続けて寝ることすらしなかった」ダリウスはよみがえった記憶をミレイユに話した。眠そうにしている小さいミレイユに、アリエルは覚醒玉を差し出そうとしたこと。急いで止めて「子どもは眠って育つんだよ」と伝えると、代わりに“眠らなくても活動できる道具”を自慢げに並べてみせたこと。「これで眠らなくても大丈夫だ!」ドヤ顔で言う彼女に慌てふためいたあの日。結局はミレイユに毎日添い寝さ
Última atualização : 2026-09-15 Ler mais