レオンハルトも、他の隊員たちの目も一斉に見開かれる。彼ら二人は、国王派と貴族派――今となっては、ダリウスと国王の間に何かあったのでは?と思うが、それでも二人は犬猿の仲だと思われていた。その二人がどうしてここへ……「逃亡犯の私が、ここでみんなに話をしても、みんなの判断は揺らぐだけだろう。だから、宰相の顔だけでも見せれば、多少は私の話も信憑性が増すと思ってね」ダリウスは淡々とアドリアンをみんなに紹介する。アドリアンは無表情で周囲を見渡すが、ミレイユの姿を見ると、一瞬目を見開き、凝視した後、わずかに目を細めた。ミレイユは――「あの方が……アドリアン様……」そう呟いている。レオンハルトは、その呟きに、アドリアン宰相の事を知っているのか?と訝しげにミレイユを見つめた。一方で、ダリウスは床に縛られて転がされているカイルに気づいて目を丸くする。「カイルじゃないか?どうしてそんな格好で?」レオンハルトが手短に事情を説明すると、ダリウスは肩をすくめた。「ああ、王の駒なのは知ってるが、レオンハルトを傷つけたのか……それは、そんな目にあっても仕方ないな。でも、駒の方は、王に報告してただけだろ?そんな騎士は、第一以外の団にもゴロゴロいる」あっけらかんとしたその言葉に、拠点内の空気が少しざわめく。「まあ、最終的にはレオンハルト次第だ。君に向けられた攻撃を許せるかどうか……事情はあったとはいえ、ここの隊員みんなを危険な行為に晒す行動をしたわけだからね。カイル、どうする?このまま死にたいなら、それでも構わない」その声は、全員に届くようにゆっくりと言われた。「でも、私たちは、これから王に対してクーデターを起こす。君がこっちにつくなら、カイルほどの腕を持った戦力は貴重だと思っている」拠点内に、重い沈黙が落ちる。それから、誰かが一言「クーデター
Last Updated : 2026-08-26 Read more