二人で塔に戻り、「よし!これから魔力抑制布を作る準備に入るぞ」……と、そういったもののその前に――ちゃんと服を着てるけど……大丈夫だよな?レオンハルトはちらりとミレイユに視線を送ると、彼女も同じことを意識していたらしい。塔の中に入った途端俺のシャツの端をぎゅっと握って、視線を逸らした。だが、ミレイユの錬金術師としての準備が終わるということは、アリエルが帰ってきたら結婚しない限り、ミレイユと二人きりで一緒に過ごす夜はもうなくなるということだ。レオンハルトはその二人で過ごす夜が今日最後でもおかしくないと思っていた。そもそも、塔に入り浸るのはダリウスがミレイユの錬金補助とケアを指示しているからだ。錬金が終われば、ここに泊まる理由は無くなってしまう。それに、ダリウスは二人の関係に目を瞑っているけど――養母のアリエルが、レオンハルトとミレイユの関係をどう思うかわからない。少なくとも、こんな環境で手を出しているのだし、アリエルから相当叱られるだろう。もちろん、ミレイユが望んでくれるなら即責任取るつもりではいるんだが――レオンハルトは、そう思いながらミレイユに視線を移す。――少し触れたい。俺は服の端をつかんでいる彼女の手に触れて、握り返した。イチャイチャもいいけど、こういう何気ないスキンシップが一番大事なんだと思う。そばで笑って、普通に会話できる。そんな当たり前の幸せこそが大切なんだと思うダリウスは、身分が邪魔してそれが無理だったんだ……レオンハルトはダリウスの沈んだ顔を思い出した。「ミレイユ……このクーデターがうまくいって、師匠が帰ってきたらどうする?」今のうちに聞いておきたかった。「……お店の再建がしたいです。ただ、すごくお店の中を壊されちゃって……店
Zuletzt aktualisiert : 2026-10-05 Mehr lesen