Semua Bab 恋の才能 ~年下御曹司はバリキャリ女の私にご執心!?~: Bab 21 - Bab 30

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本気の恋と、ライバル登場!? Page5

「うん、そうだったね。でも私は、それが当たり前のことだと思ってたけど、他の人たちは違ってたのね」  私はたとえ相手が社長のご子息でも、分け隔てなく接するよう心がけてきた。社長の息子だろうと、新入社員の一人であることに変わりはないから。ご機嫌を取ったり媚びへつらったりするのは違うと思っていたのだ。 「そうなんです。僕はそれが嬉しかった。父が社長だからって、僕まで特別扱いされるのは違うんじゃないかと思ってましたから。仕事も丁寧に教えて下さって、色々と親身になって相談にも乗って下さって、茜さんは僕にとって、憧れの先輩になっていました」 「そうだったの」 「はい。茜さんはチーフに昇格されてからも偉ぶることなく、後輩の僕たちに対して頼りになる先輩のままでいて下さってますよね。自ら率先して動いて、ご自分の仕事にも手を抜くことなく僕たちのフォローもして下さって。僕はご存じのとおり、父から社員や管理職の監査を任されています。最初のうちは茜さんもその対象でしたけど、……いつからか僕は、その対象であるあなたに惹かれていたんです。監査対象に恋をするなんておかしいですよね」 「そんなことないわよ。あなたも一人の人間なんだもん、そういうことだって十分あり得るって。でも、今は私、監査対象から外れてるってことよね? それだけ私のことを高く評価してくれてるって考えていいの?」 「はい、もちろんです。茜さんには、社長に報告すべき問題点は一切ありません。それは僕が保証します」  彼が頷いたところへ、注文していたラーメンや他のメニューが運ばれてきた。 「――さ、熱いうちに食べよう? いただきまーす!」
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-08-09
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本気の恋と、ライバル登場!? Page6

 ――そしてその週の金曜日。その日は待ちに待った給料日だった。 金額はすでに銀行のWEB口座で確認していたので知っているけれど、室長から手渡された給与明細を開いてみると、改めて手取り金額の多さにビックリする。毎月この時がいちばん、自分で「バリキャリやっててよかった」と思う瞬間だ。  そんな一日の終業後。 「冴島くん、これから私の奢りで一緒に飲みに行こう? 今日は虎ノ門のバーに行きましょうか」 「いいですね、お付き合いします」  オフィスを出たところで、私は彼を飲みに誘った。オフィスでは冷徹な仮面を被っている彼も、私と二人きりになった時だけはその仮面を外して表情豊かになり、嬉しそうに頷いた。  ちなみに六本木のお店にしなかったのは、先週の失態をお店の人がまだ憶えているかもしれないと思ったからだ。もちろん、六本木には他のバーも何軒かあるので、先週と同じ店とは限らないのだけれど。 「……ねえ、前から訊きたかったんだけど。オフィスでのクールなあなたと、私だけに見せる表情豊かなあなた、ホントのあなたはどっちなの?」 「さあ? 自分でもよく分かりません。ただひとつだけ言えることは、僕は好きな女性の前では自分にウソをつかないということだけです」 「……うん、なるほど。よく分か
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恋に才能って必要ですか? Page1

「陽菜美さん、何度も言っていますが、僕はあなたと結婚するつもりはありません。ですからもう僕に付きまとうのはやめて下さい。それ以上しつこくつきまとうなら、警察にストーカーの被害届を出しますよ。そしたらお父さまのお顔を潰すことになるんじゃないですか?」 「す、ストーカー!? それだけはやめてくださぁい! わたし、パパに怒られるのだけはイヤなんですぅ」 「ぱぱ……って」  この数分間、陽菜美さんの言動を聞いていて分かったことだけれど、彼女はちょっとおツムが弱いらしい。二十三くらいでこのブリブリ加減とか、父親を「パパ」呼びするとかちょっとイタい。仮にも社会人のはずなのに、これってどうなのよと思う。 でも、世の中にはこんな女の方がいいという男もごまんといるんだろうな。私は逆立ちしてもこんなふうにはなれないし、なりたくもないけれど。 「…………茜さん、店を変えましょう。酒が不味くなりました」 「あ……、うん」  私はバーテンダーの男性に声をかけ、二人分のお酒とおつまみの代金を支払った。まだそんなに飲んでいなかったし、あんなことがあったのであまり酔った気がしなかった。 「それじゃ陽菜美さん、そういうことなので。もう連絡してこないで下さい。僕も父と母に改めて伝えておきます。あなたと結婚する気はないと」 「待って待って! 稜也さん、捨てないで下さい! もうつきまとわないから! ごめんなさいぃぃ!」 「さ、行こうか、冴島くん。別のお店で飲み直そう」 「はい」 
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-08-11
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恋に才能って必要ですか? Page2

「でも、茜さんってお酒が入ると可愛くなるんですよね。先週のあれは可愛いどころじゃなかったですけど」 「……んもう、それは言わない約束でしょ!?」  彼が笑いながらあの失態の話を持ち出すので、私はさっきとは別の意味で顔が真っ赤になった。恥ずかしさで顔から火が出そうだ。 「これからはあのネタで私をからかうの禁止!」 「……はい」  恥ずかしさをごまかすために、私はグラスに残っていた水割りをグッと呷った。氷が溶けたせいで薄まっていたけれど、今の私にはちょうどいい濃さだ。 「すみません、水割りのお代わり下さい。ちょっと薄めで」 「かしこまりました」  彼女はすぐにお代わりを作ってカウンターに出してくれた。 「ありがとう。……でも久しぶりだなぁ、男とこんなに楽しくお酒飲んだの」 「そうですね……。先週は茜さん、そんなに楽しくなさそうだったですもんね。憶えてないでしょうけど」 「…………」  確かに飲んでいた時の記憶はないけれど、どうして飲みに行くことにしたのかは何となく憶えている。それは室長からのセクハラ発言がキッカケで、冴島くんにはヤケ酒に付き合ってもらったのだ。彼が私を庇ってくれたから。  ――『尾崎君はそんなに男顔負けに働いて、これからど
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-08-12
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恋に才能って必要ですか? Page3

 ――そのお店でも私が会計をして(二軒目では二人ともけっこう食べたり飲んだりしたので、一軒目より代金は高くなった)、その後私たちは酔い醒ましも兼ねて駅までの夜道をブラブラ歩くことにした。 今夜はよく晴れていて、星がキレイだ。都会でもこんなに星が見えるんだなぁと、何だかちょっと新鮮な気持ちになる。 「――茜さん、今日も奢って頂いてありがとうございました。それに、陽菜美さんがとんだ失礼を――」 「どうして冴島くんが謝るのよ? あなたは何も悪くないでしょう? 彼女は名ばかりの婚約者で、結婚するつもりなんてないんだから」 「そうですが……、彼女はどうも、この先も茜さんに何かしそうなので、ちょっと心配で」 「……うん、確かにね。彼女の最後の捨て台詞が私も気にはなってるけど」  もしも彼女が冴島くんに本気で入れあげているなら、彼に固執してジャマな私を排除しようとするだろう。それこそ手段を選ばずに。 でも、私はそうやすやすとやられる女じゃない。一応、身を守るための術は身につけているのだ。長い独身生活は伊達ではない。 「私なら大丈夫よ。一応、護身術に合気道の心得があるから」 「そうなんですね。ですが、直接攻撃してくるとは限らないので……。とにかく、彼女には気をつけて下さいね。僕もできうる限りは茜さんのことお守りしますけど」 「……ありがと。私にはその気持ちだけで十分嬉しいわ」 
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-08-13
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恋に才能って必要ですか? Page4

 ――無事に電車でマンションまで帰り着いた私はまずクレンジングシートを使ってキレイにメイクを落として着替え、小腹が空いたので前夜の夕食の残りだった焼き鮭と残りゴハンでお茶漬けをかっ込んだ。  お腹も落ち着き、酔いもだいぶ醒めたところでシャワーを浴びることにした。 「……そういえば先週、ホントに冴島くんとの間に何もなかったのかな……?」  彼への恋心を自覚した今、やっぱり気になるのはそのことだ。体の関係がなかったことは自分でも分かっているけれど、それ以外なら? たとえば、私が眠っている間に彼にキスされたとか……。 「…………う~ん、あり得るかも。でも彼、そういうことしそうなタイプには見えないし」  私のよく知っている冴島稜也という男は、自分の気持ちをストレートにぶつけてくるようなタイプだ。それなら眠っている間ではなく、私がちゃんと起きていて意識もしっかりしている時に堂々としそうではある。 「…………考えるの、やめようかな」  彼が「何もしていない」と言った以上、私はそれを信じるしかない。そのうち彼が自分の口から本当のことを打ち明けてくれるまでは。     * * * *   ――翌日の土曜日。私は二日酔いになることなく、真優と二人で表参道へ遊
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-08-14
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恋に才能って必要ですか? Page5

「なぁんだ。じゃあ、あんたとお坊っちゃんは両想いってことよね? で、あんたから告白は? っていうか、『付き合って下さい』の返事はしたの?」「……まだしてない」「ウソぉ!? だって、告られてからもう五日経ってるじゃない! その間に、彼との間でその話題って出なかったの?」「うん……、一度も」「マジかぁ……」 彼から告白されたのは今週の月曜日だった。でも、それから昨日まで彼の方から「返事を聞かせて下さい」とは一度も言ってきていない。彼はずっと、私から言うのを待ってくれているのだ。返事を急かしたら、私に嫌われると思って。「それなのに、あんたは昨夜一緒に飲みに行ったの? それって相手にめちゃめちゃ期待させてるじゃん」「そうよね……。でも、途中まではただの後輩としか思ってなかったわけだし……って言い訳にしかならないか。彼の気持ちを知ったうえでそうしたんなら、私ってすごく思わせぶりだったのかも」 彼にしてみれば、あれは告白に対するOKの返事代わりだと思ったかもしれない。でも返事はいつまで待ってももらえず、そのうえ泣かれたとなったら、彼は昨夜一体どんな気持ちでいたのだろう?  あの後は結局何もなく別れたし……。「これって才能以前の問題よね。私、彼の気持ちを弄んでるようなものじゃない」「いや、別にそこまでのことはしてなくない? 飲みに行ったのは下心抜きにしてさ、日頃頑張ってる部下を上司が労っただけっていう理屈も成立するし。冴島くんって酔った勢いで女にどうこうしようってタイプじゃないとあたしは思うし――」「あ、真優。それなんだけど、私ちょっと気になってることがあってね。――先週末、彼はホントに私に何もしなかったのかな、って」「……は? 何を今さら。だって、あんたの体に違和感はなかったんでしょ?」「うん。だから、行為はなかったと思う。それは間違いないんだけど……、たとえば、私が眠ってる間にキスしたとか……、って可能性はないかな?」 私の推測に、真優は頭をもたげて「う~ん」と唸った。「なかった……とも言い切れないけど、可能性は低いんじゃない? だって彼、あんたに対して好意ダダ漏れじゃん。そんな想いを秘めるようなタイプだとは思えないんだよね。キスするなら堂々と、あんたが起きてからとかするでしょ」「やっぱり……、真優もそう思う? そうよね。
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-08-15
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恋に才能って必要ですか? Page6

 ――週明けの月曜日、私は珍しくパンツスーツで出社した。別に女でいることを諦めたからではなく、たとえパンツを穿いていても女らしさは出せることを知っているからだ。 もちろん、私のファンである受付嬢の里菜ちゃんと美波ちゃんからも、「今日の茜さん、カッコいいです!」と褒めちぎられたことは言わずもがなだ。「――おはようございます、茜さん」 エレベーターで、今日も冴島くんと二人きりになった。でも、自分の中にある彼への恋心に気づいてから初めて顔を合わせたので、何だか妙に彼のことを意識してしまって気まずい。まともに彼の顔が見られない。「あ……、冴島くん。……おはよ」 どうしよう? 何を言えばいいの? 間がもたない……。そのまま俯いてしまった私は、彼から見れば明らかに挙動不審だろう。 しばらく二人の間に沈黙が流れた後、彼の方が口を開いた。「……あの、茜さん。今日はパンツスーツなんですね」「あ……、うん。たまにはいいかなぁと思って」「スカートもいいですけど、パンツもお似合いですね。茜さんはスタイルがいいですから」「……ありがと」 そしてまた沈黙。お互いに何かを言おうとしてはやめ、口を開くタイミングを探り合っているような、そんな感じ。この気まずさはいつまで続くのだろう? 二十九階に着くまでには解消するだろうか?「…………あの、冴島くん。これ……」 ふと思い出して、私はバッグの中を探った。金曜日に借りていたハンカチをキチンと洗濯して、アイロンをかけて持って来ていたことを思い出したのだ。「えっ?」「こないだ貸してくれたハンカチ、ちゃんと洗濯しておいたから。ありがと」「ああ……、いえ、どういたしまして。本当に、いつでもよかったんですけど。わざわざ洗濯までして下さってありがとうございます」 彼ははにかみながらハンカチを受け取り、そのままスーツのポケットにしまった。 彼もそういえば、今日は黒のスーツにシャツまで黒だ。ネクタイはダークグレーで、何だか喪服みたいに見える。でも、確か喪服だと黒のシャツはNGらしいので、ギリギリセーフだ。 もちろんこの会社は男性も服装に規定がないので、彼のこの服装も許容範囲内である。「あの……、冴島くん。あなたに一つ訊きたいことがあって」「何でしょうか?」「……えっと、先々週の週末、私があなたの
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キスが動かす関係 Page1

 ――オフィスに入ってから、冴島くんは一度も私の顔を見ようとせずにそのまま自分のデスクへ行ってしまった。……けれど。「……ん? メッセージ……、冴島くんから?」 ジャケットのポケットで私のスマートフォンが短く震え、手帳型カバーを開いてみると彼からメッセージを受信していた。【茜さん、先ほどはすみませんでした。 できれば、いつもどおりにしていて下さると僕も助かるのですが……】「……何なのこれ? わざわざメッセージで送ってこないで、直接言いに来ればいいのに」 私は首を傾げながら、「どうして直接言いに来ないの?」と返信した。すると。【僕自身も実は動揺しているんです。 直接顔を見て言うのは、僕のイメージ的にもちょっと……。 なので、メッセージで失礼します】「……は? 何じゃそりゃ」 あれだけ色気ダダ漏れな表情でキスしたくせに、動揺しているなんて。冴島くんってよく分からない。 というか、ここまでして「冷徹」とか「鉄面皮」という自分のイメージを守りたいのだろうか?【分かった。 私もこんなことが原因でミスなんかしたら、室長に足元を掬われそうだから。いつもどおりにふるまうことにするわ】 そう送信してから、私はスマートフォンをしまった。 少し離れた彼のデスクの方に目を凝らすと、彼はいつもどおりのクールな表情をしているように見える。 ふと視線が交わった気がして、慌てて目を逸らした。私ばっかり動揺していてバカみたいだ。恋を覚えたばかりの十代の女の子じゃあるまいし。「……しっかりしなさいよ! 私はこの部署のチーフなのよ」 自分にそう言い聞かせ、ふと思い出して化粧ポーチからコンパクトを取り出す。鏡を開いて、口紅が落ちていないか自分でも確かめてみると。「……落ちてない。大丈夫」 ホッとしてコンパクトを化粧ポーチにしまい、バッグに放り込む。 今日はお弁当持参なので、バッグをロッカーにしまうついでに保冷バッグを冷蔵庫のある給湯室へ持っていくことにして席を立つ。「――茜さん、どこに行かれるんですか?」 冴島くんのデスクの側を通りかかると、彼の方から声をかけてきた。「どこにって、給湯室によ。お弁当、冷蔵庫に入れておこうと思って。見て分からない?」「ああ……、そうですよね。見れば分かりますよね。失礼しました」 彼もやっぱり多少は動揺し
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キスが動かす関係 Page2

 ――冴島くんからの突然のキスにかなり動揺していた私だけれど、幸いにも午前中の業務は大きなミス一つなく無事に終えた(小さなうっかりミスはいくつかあったかもしれないけれど)。  そして迎えたお昼休み――。 「……えっ、キスされた!? あの冷徹お坊っちゃんに!?」  社員食堂で私が朝のエレベーターでの出来事を話すと、真優は思った以上にオーバーリアクションだった。 「しっ! 真優、声大きいよ!」 「ごめん……」  人目も憚らずに大きな声でリアクションした親友を、私は窘める。居酒屋で一緒に飲んでいる時ならともかく、社食でこんな話題ではしゃぐのはやめてほしい。  ちなみに私はお弁当を食べているけれど、彼女が食べているのはハンバーグ定食。 私以外にも、ここで持参のお弁当やカップ麺などを食べている社員は少なくない。ポットのお湯は自由に使えるし、お茶もセルフで飲めるからだ。 「でも、あんたはキスくらいでなに動揺してんのよ? 初めてなわけじゃあるまいし」 「しょうがないでしよ、長いことご無沙汰だったんだから」 「ご無沙汰って……。たかだか五ヶ月でしょ。前の彼氏と、確かクリスマスに別れたんじゃなかった? あんたが捨てられて」 「…………」 「あー、分かった分かった! あたしの言い方が悪かった! だからそんなに睨まないでよ」  私が彼女を睨んだのは、彼女が言ったことが
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-08-17
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