――私の両親と稜也くんとの初顔合わせとなる食事会は、六月に入ってすぐの金曜日の夕方六時からに決まった。場所は普段よく真優と飲みに行っている有楽町の大衆居酒屋で、座敷を使わせてもらえることになった。 居酒屋なのでお酒も入るけれど、おつまみや一品料理などのフードメニューも充実しているのでお酒抜きにしても楽しめる。 両親は今日、父が車を運転して来ると言っていたので、父はソフトドリンクで通すらしい。母も車の運転免許を持っているけれど、お酒は飲めないので母の運転でもいいなら父も多少は飲むかもしれない。 私と稜也くんは今日、室長からの嫌がらせ……もとい残業の頼みを丁重に断り、この食事会の予定を最優先させた。部下に丸投げばかりしていないで、たまには自分で残業すればいいのだ。 「――遠藤室長といえば、父がカンカンに怒っていましたよ。いつかの、私的な飲み会やその他諸々の領収書の件」 二人で一緒に有楽町へ向かう山手線の電車の中で、彼が吊り革に掴まったまま肩をすくめる。帰宅ラッシュにぶつかってしまったため、二人とも座ることができなかったのだ。 「あー、やっぱりね。そうなると思った」 「父が経理部長に命じて、室長は経理部長にこってり絞られたらしいですよ。それ以外にも、あの人には問題行動が多すぎます。部下への嫌がらせとか、経費の無駄遣いとか、仕事中のパソコンの私的使用とか。というわけで僕は、今後は遠藤室長を重点的に監視するよう父から命じられました」
Terakhir Diperbarui : 2026-08-28 Baca selengkapnya