Semua Bab 恋の才能 ~年下御曹司はバリキャリ女の私にご執心!?~: Bab 41 - Bab 50

67 Bab

彼と両親の初顔合わせ Page1

 ――私の両親と稜也くんとの初顔合わせとなる食事会は、六月に入ってすぐの金曜日の夕方六時からに決まった。場所は普段よく真優と飲みに行っている有楽町の大衆居酒屋で、座敷を使わせてもらえることになった。  居酒屋なのでお酒も入るけれど、おつまみや一品料理などのフードメニューも充実しているのでお酒抜きにしても楽しめる。 両親は今日、父が車を運転して来ると言っていたので、父はソフトドリンクで通すらしい。母も車の運転免許を持っているけれど、お酒は飲めないので母の運転でもいいなら父も多少は飲むかもしれない。  私と稜也くんは今日、室長からの嫌がらせ……もとい残業の頼みを丁重に断り、この食事会の予定を最優先させた。部下に丸投げばかりしていないで、たまには自分で残業すればいいのだ。 「――遠藤室長といえば、父がカンカンに怒っていましたよ。いつかの、私的な飲み会やその他諸々の領収書の件」  二人で一緒に有楽町へ向かう山手線の電車の中で、彼が吊り革に掴まったまま肩をすくめる。帰宅ラッシュにぶつかってしまったため、二人とも座ることができなかったのだ。 「あー、やっぱりね。そうなると思った」 「父が経理部長に命じて、室長は経理部長にこってり絞られたらしいですよ。それ以外にも、あの人には問題行動が多すぎます。部下への嫌がらせとか、経費の無駄遣いとか、仕事中のパソコンの私的使用とか。というわけで僕は、今後は遠藤室長を重点的に監視するよう父から命じられました」
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-08-28
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彼と両親の初顔合わせ Page2

 母については一応フォローを入れておいたけれど、果たしてこれでフォローになっているのかどうか……。 「お母さま、やっぱりユニークな方みたいですね。僕の母はけっこう厳しい人なので……」 「そうみたいね。私、直接お会いしたことはないけど、ウチの会社の執行役員をされてる人だってことだけは知ってるわ」  お母さまが稜也くんと私の交際をまだ認めて下さっていないようだと聞いた時から、何となくそんな気はしていた。 「違ってたらごめんね。もしかして、あなたの性格ってお母さま譲り? 常に冷静なところとか」 「さぁ、どうなんでしょう。母は厳しいですが、決して冷酷な人というわけでもないので……。それに、茜さんに接している時の僕はどちらかというと父に似ている気がします」 「そうなんだ……」  社長は温厚な性格の人なので、確かに私にデレている時の彼はお父さまの方に似ているかもしれない。 「そういう茜さんは、ご両親のどちらに似ているんですか?」 「う~ん、考えたことなかったなぁ。でも両方のいいとこどりって感じかな。キッチリしてるところは母似で、面倒見がいいところは父似。姉は性格が父の丸写しって感じね。面倒見はよくて人懐っこいけど、けっこうお気楽っていうか」 「お姉さまもいらっしゃるんですね」 「うん。名前は葵っていうんだけど。二つ年上で、一月に職場結婚したの。今はOLしながら主婦業もこなしてるわ」 「そうなんですね。僕は一人っ子なので、茜さんが羨ましいです。僕も兄弟がほしかったなぁ」  これはもうお互いに
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-08-29
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彼と両親の初顔合わせ Page3

「あら、どうもー。茜の母ですー。あなたのことはから電話で聞いていたけど、予想以上にステキな人でビックリしたわ」 「こら! 仁美、やめなさい。みっともない! ……いや、家内がどうもすみませんね。茜の父親の、尾崎紀雄です。娘がいつもお世話になってます」  母はやっぱりミーハーで私をハラハラさせて、父は落ち着いていて、そんな母を窘めつつ自己紹介をした。父も一応中堅どころの企業で管理職をやっているのだ。 「いえいえ、茜さんにお世話になっているのは僕の方ですよ。社長の息子といっても、今の僕には何の役職もついていませんから。今はチーフである茜さんの下で、上に立つうえで大切なことを色々と勉強させて頂いているところで」  稜也くんはちょっと緊張しているけれど、表情は穏やかだ。私の両親のことも彼に受け入れてもらえたようでよかった。 「茜さんもいずれは今いる部署の室長を目指してらっしゃいますから。ですよね、茜さん?」 「えっ? うん……。私ね、これ以上は出世しなくていいかなって思ってたんだけど、彼に言われたの。『茜さんは僕よりも、上に立つのにふさわしい人です』って。だからもっと上を目指してみようと思って。そのせいでまた結婚が遠のいたらごめん」  稜也くんに話を振られたので、私は両親にも正直に昇進を目指すこと
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-08-30
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彼と両親の初顔合わせ Page4

 「『ギャップ萌え』って……。稜也さん、あなた会社ではそんなにクールなの?」  今日会った感情豊かでよく笑う彼しか知らない母が、信じられないとばかりに首を傾げている。でも、当時の私からしてみたらこちらの彼の方がレアだったのだ。 「はい。自分で言うのも何ですが、僕はいずれ茜さんより上の立場……重役になることが決まっています。ですから、会社では年上、特にベテランの社員たちからバカにされないように冷徹な人間のふりをしているんです。ですが……、本当の僕はもっと感情豊かで、それでいて小心者で。後継者という立場も重荷に感じているくらいで。先ほど、ここへ向かう電車の中で茜さんに言われました。『本当の自分を少しずつでも出せるようになるといいわね』と。誰にも媚びないことと、鉄面皮を演じることは違うと。僕、そんなふうに言ってもらったのは初めてだったんで嬉しかったんです」 「茜……、あんたいいこと言うわね! お母さん、見直したわよ」 「そうだな。悩んでいる部下をそんなふうに励ませる上司はなかなかいないぞ。父さんも見習わないといけないな」 「やめてよ二人とも。……それは上司としてより、彼女として言ったことだから。自分の彼氏が周りから誤解されてるのが何だかつらくて、腹立たしくて。彼はこんなに優しくていい人なのに……って。それにね」  私が彼にそう言ったのは、私が上司からひどいことを言われた時に、彼が慰めてくれたからだ。 「彼の部屋に泊まった日にね、私、室長からひどいこと言われて傷ついて。彼はそんな私を慰めるために、ヤケ酒に付き合ってくれたの。だからさっきの言葉は、そのお返しでもあったのよ。『あなたはこれ以上ムリをして、自分を偽らなくてもいいのよ』って。私がい
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-08-31
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彼と両親の初顔合わせ Page5

「――ところで茜、こないだは電話機選びに付き合ってくれてありがとう。やっぱりいいわね、ナンバーディスプレイって」 「そっか、よかった。あれから詐欺電話、かかってきた?」  母は私も選ぶのを手伝った(結局お金は出していないけれど)新しい電話機を、喜んで使ってくれているらしい。これでとりあえず私もひと安心だ。 「かかってはきてるみたいだけど、知らない番号からかかってきたら出ずに無視してるの。知り合いだったらまたかけ直してくれるでしょう? でも詐欺電話は一回無視したらかかってこないからすぐ分かって便利なのよね」 「……なるほど」  確かにそうだ。大事な用件の電話だったら、繋がらなければまた改めてかけ直してくるけれど。詐欺電はあまりしつこくかけてこないので母の言い分は道理にかなっているわけだ。 私と父、姉のスマートフォンの番号は登録してもらっているので、すぐに出てもらえるようになって私もすごく助かっている。 「というか茜、あんたさっき『今日は私の奢りだから』とか言ってたけど。支払い大丈夫なの? もし足りなそうだったらお母さんに言いなさいよ? 少しくらいなら応援してあげるから。言い出しっぺだから自分が払わなきゃとか、ムリしなくていいんだからね?」  尾崎家の家計は基本的に母が握っていて、お父さんはお給料の半分以上をお母さんに渡して残りをお小遣いにしている。そのため、時々私や姉の生活費が足りなくなると、母に助けてもらったりもしているのだ。  私も今日はカードを使わないつもりでいる。稜也くんに気を遣わせたくないし、月末にくる明細を見るのが怖いから。見えないお金は使った後のことを考えるのが怖いので、私は普段から基本的にカードは使っていないのだ。 昨日の仕事帰りにコンビニのATMで二万円ほど引出してきたけれど、四人での飲食代となるとそれで足りるのかどうかち
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-09-01
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彼と両親の初顔合わせ Page6

 ――その後私も母も参戦して、四人で思いっきり飲んで食べまくった(飲んでいたのは専ら父と稜也くんで、私と母はソフトドリンクと食べる方ばかりだったけれど)。支払いの分は母に少し出してもらい、お店を出たところで私と稜也くんは両親と別れた。 「――茜、今日は楽しかったわ。ありがとう。お父さんったら、あれほど飲み過ぎないでって言ったのに!」  父は完全にベロベロに酔っ払っていたので、母がそんな父を窘めながら私にお礼を言ってくれた。 「ううん、私の方こそありがとう。彼のことをちゃんと彼氏だって認めてくれて。それに、支払いの時も助かったよ。ありがと。……ふふっ、まったくしょうがないなぁ、お父さんは」  私はこんなに酔っ払っていても、父のことがキライにならない。今日はそれくらい楽しいお酒の席だったのだろう。 「稜也さん、今度はぜひウチにも遊びにいらして下さいね。あまり広い家じゃないですけど」 「はい、ありがとうございます。ぜひ伺います」  ただの社交辞令かもしれないのに、彼は喜んで返事をした。それくらい、彼もウチの両親を気に入ってくれたということだと思う。 「それじゃ、お母さんたちは車で帰るからここで。あなたたちはどうするの?」 「それほど酔ってないし、電車で帰るわ。それじゃお母さん、また連絡するからね。酔っぱらいのお父さんのお世話、よろしく」 「はいはい、任せなさい。それじゃ二人とも、気をつけて帰るのよ」 「うん。それじゃお母さん、お父さん。おやすみ。稜也くん、行こうか」 「はい」  両親と別れた私たちは、夜の街を駅へ向かって歩き出す。まだ六月に入ったばかりで
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-09-02
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ギャップ萌え初デート Page1

「――茜さん、明日か明後日のどちらか予定は空いてますか?」 「えっ? ……うん。明後日は友達と出かける予定だけど、明日は空いてるわよ」  彼から休日の予定を訊かれるなんて初めてだ。そして男性からのこの質問自体が、私にはずいぶんご無沙汰な気がする。前の彼氏は私の都合なんてお構いなしで、自分の都合に相手が合わせて当然という自己中男だったから。 「それじゃあ急な話なんですけど、明日デートしませんか? 付き合い始めてからまだちゃんとしたデートってしたことなかったでしょう?」 「あ……、そうね。そういえば」  稜也くんの言うとおりだ。私たちは付き合い始めてからというもの、仕事帰りに一緒にゴハン食べに行ったり飲みに行ったりはしているけれど、ちゃんと二人で出かけたことがまだ一度もなかった。 「どうしよう……、すごく嬉しい。でも、どうして急に?」 「……ギャップ萌え」 「えっ?」 「さっき茜さん、僕を好きになった理由をご両親にそう言っていたでしょ? だから僕も、茜さんにギャップ萌えしてみたくなって。仕事の時のキリッとした茜さんとは違う、僕だけしか知らない茜さんを見てみたいなって思ったんです。突貫工事で申し訳ないですけど、ち
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-09-03
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ギャップ萌え初デート Page2

「――それじゃ稜也くん、私はここでもう大丈夫だから。今日はホントにありがと。気をつけて帰ってね」  JR池袋駅の改札を出たところで、私は彼と別れることにした。彼はここからメトロに乗り換える必要があるからだ。 「はい。それじゃ、明日の十一時に迎えに行きますね。……本当に、マンションまで送らなくて大丈夫ですか?」 「だから大丈夫だってば。また明日ね、稜也くん。おやすみなさい」 「……はい、また明日。おやすみなさい」  彼は少し不満そうだったけれど、私に「おやすみなさい」を返すと別れ際に私にキスをしてから帰路についた。やっぱり、マンションまでついてきてどさくさに紛れて私と……というのが彼の本心だったのではないだろうか。 「……まぁ、私だって彼とするのはイヤじゃないんだけど。心の準備がね」  大人同士なのだから、むしろそれは大歓迎なのだけれど。お酒が入った状態でよりも、デートの日に自然な流れでする方がいい。 「――さぁて、明日はどこに連れて行ってくれるんだろ? 楽しみだなぁ。そのためにも、今日はゆっくりお風呂に入って自分磨きしなきゃね……」  明日着ていく服だって選ばないといけないし、財布の中身も確認しておかないと……。いくら彼がお金持ちだからって、私の方が年上なのだからデートの費用を全額出してもらうのはさすがに申し訳ない。  でも……、本当に久しぶりの、本当に好きな人とのデート。明日は心から思いっきり楽しもう!     * * * * 
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-09-04
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ギャップ萌え初デート Page3

 ――十一時少し前に、スマートフォンに稜也くんからメッセージが来た。  【今、茜さんのマンションの前にいます。 エントランスまで迎えに行きますので、降りてきて下さい】  「……あ、そっか。ウチのマンション、一応オートロック付きだもんなぁ」  彼は多分、オートロックの関係でそうすることにしたのだろう。オートロックを突破するとなれば、部屋番号を押して呼び出し、私にロックを解除してもらわなければならない。その手間を惜しんだのか、私にそこまでさせるのが申し訳ないと思ったのか。彼のことだからきっと後者だろう。  【分かった。今から降りていくわね】   私は手早く返信し、トートバッグを掴んで普段あまり履かないピンク色のフラットパンプスを履き、玄関を飛び出した。もちろん、キチンと戸締りも確認して。 普段仕事の時にはハイヒール(とはいってもあまりヒールは高くないのだけれど)を履いているので、これもギャップ萌えを狙ったというのもあるし、もし歩き回るのなら足が疲れない靴の方がいいかなと思ったからでもある。 「――稜也くん、おはよう! お待たせ!」  エレベーターで一階まで下り、エントランスのガラスドアを抜けると、そこに私服姿の彼が待っていた。 彼の私服姿を見るのは約一ヶ月ぶり――酔い潰れて彼の部屋に泊まった時以来だけれど、今日の彼はあの時よりもめかし込んでいるように見える。爽やかな白いカットソーにダークグレーの麻のジャケットを合わせ、ボトムスはビンテージものと
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-09-05
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ギャップ萌え初デート Page4

「――キャ~~、かわい~~~~♡」  稜也くんと二人、お台場海浜公園内にある商業施設のパスタのお店でランチを摂り、お腹いっぱいになった私は連れてこられた大型ペットショップで生体販売されている可愛い子猫たちを見て、アクリル板越しに歓声をあげた。 実は私、外見(「クールビューティー」とよく言われる)からはなかなか分かってもらえないけれど、可愛いものに目がないのだ。でも、稜也くんにはそのことを打ち明けたことがなかったはずなのだけれど……。 「茜さんってクールビューティーに見えて、可愛いものが好きだったんですね。そして犬より猫派なんですか?」 「うん。子猫ちゃん飼いたいんだけど、ウチのマンションってペット禁止なのよね……」  淋しいひとり暮らしの相棒に、可愛い猫がいてくれたら……とは思う。犬はお散歩に連れて行かないといけなかったり、狂犬病のワクチンを打ってもらわないといけなかったりと色々お世話が大変らしいので、飼うなら断然猫のほうがいい。 「じゃあ、ご実家で猫を飼われていたことは?」 「昔……、もう二十年以上前になるかなぁ。お姉ちゃんが小学校に入学して間もない頃に子猫を保護してきたことがあって、その子をずっとウチで飼ってたの。その子は私の就職が決まった年に、十八歳の大往生で天国に行っちゃって」 「十八年も&hellip
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-09-06
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