Semua Bab 恋の才能 ~年下御曹司はバリキャリ女の私にご執心!?~: Bab 61 - Bab 67

67 Bab

幸せと執着 Page5

 ――それから十数分後。何も知らない陽菜美さんが、黒塗りの高級外車の後部座席から降りてきた。私と稜也くんの他に、制服警官二人と手錠をかけられうなだれている二人の男がいることに気づいて固まっている。彼女は憶えているはずだ。彼らが、私に危害を加えるために自分がお金を払って雇った相手だということを。 「ちょっと……、これはどういうことなの!? 稜也さん、わたしのことを騙したんですか!?」  彼女は自分がしたことを棚に上げて、稜也くんに対して怒りを露わにした。「どういうことなの!?」とはおそらく、どうして私が傷ひとつ負っていなくて、彼らが警察に捕まっているのかということに対してだろう。言い換えれば「失敗ったわね、あんたたち!」という台詞になるだろうか。まー、お嬢さまのくせに品がないこと。 「〝騙した〟なんて聞き捨てならないですね、陽菜美さん。もう僕につきまとわないと言ったのはどこのどなたでしたっけ? 挙げ句お父さまと二人で会社まで抗議しに来るわ、茜さんに危害を加えようとするわ。もういい加減ウンザリなんですよ、あなたには」  今日の稜也くんはいつもに増して冷酷だ。完全にブリザード化していて、六月だというのに周りの空気が凍り付きそう。こんな彼、私は初めて見た。 「陽菜美さん、あなたでしょう? こいつらに十万ずつ渡して、私を襲うように命じたのは。二人とも、もう自白してるわよ」 「……っ!」  彼女は悔しそうに歯ぎしりしながら私を睨んだ。これは肯定だと受け取っていいだろう。 
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-09-19
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幸せと執着 Page6

 ――怜司は私に執着しているらしいので、連絡の取れたヤツがノコノコやってきたことは以外でも何でもなかった。 「何なんだよ、茜? 『みっともねえから私に関わるな』って言ったんじゃなかった……の……か、あれ? 陽菜美がなんで……」  彼は文句たらたら言いながらタクシーから降りてきたけれど、ここに警察と陽菜美さんがいることに気づいて固まった。 「やっぱり、彼女の言ったとおりだったのね。怜司、あんたこの女と付き合ってるんだ? まだ私に固執してるくせにねー、やってること矛盾してない?」  「えっ? ……ああ、そうだよ。でも、もうホントにお前のことは諦めるつもりだったんだよ。だから矛盾はしてねえだろ?」 「まあねー。でも残念だったわね。あんたさ、この女に利用されてるだけよ? さっき本人がそう言ってたから」 「……何だって? それホントなのか、陽菜美?」 「おっと、ここで痴話ゲンカはやめてもらえる? そんなこと、私は興味ないから。それより怜司、あんたよね? この女のスマートフォンに私の写真送ったの。そのせいで私、さっきそこの男たちに襲われそうになったんだけど。この女に雇われたんだって。あんたどう思う?」 「マジかよ!? 確かに俺、陽菜美にお前の写真が欲しいって言われてスマホに送ったけどよ。まさかこんなことに使われるなんて思わなかったんだ。ホントだよ! 信じてくれ!」 
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-09-20
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上に立つ者の資格 Page1

 ――それから数日後の午後。堀内くんがやっと終わらせた大きな案件の企画書を私に提出した。 彼は紙に印刷したものではなくデータの入ったUSBメモリーを持ってきたので、パソコンで読み飛ばしのないよう真剣にその内容に目を通していく。 「……うん、この内容で大丈夫だと思うわ。堀内くん、ご苦労さま。よく最後までやり遂げたわね」 「ありがとうございます、尾崎チーフ。チーフが色々と丁寧に教えて下さったおかげです」 「ううん。私はただ、上司としてあなたのやる気に応えただけ。あなたは真剣にこの案件に取り組んでくれたからね。――この企画書、明日の午後の会議で発表するから室長にも『尾崎チーフからのチェック済み』ってことで提出しておいて」 「はい」 「あ、その前に。何かあった時のために、こっちでバックアップ取らせてもらっといていい?」 「……どうぞ」 「ありがとう」  私は自分のUSBメモリーもパソコンに差し込み、堀内くんが提出してくれた企画書のデータをそこにコピーしておいた。 遠藤室長に提出するにあたり、私にはどうもイヤな予感がして仕方がないのだ。この件を彼に任せたのは私なので、当然何か不測の事態が起きた時に責任を取るのも私ということになる。 もし、その〝不測の事態〟を遠藤室長がわざと作り出したとしたら……。 「……あの、チーフ? 『何か』って?」 「ああ、ううん。何でもないの。私の考えすぎかな。とにかく、室長へ
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-09-21
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上に立つ者の資格 Page2

「――尾崎チーフ、それって……」 「データが丸ごと改竄されてるの。おそらく室長の仕業ね。まさか、ホントに仕掛けてくるなんて」  青ざめる堀内くんに私は答え、盛大なため息をついた。 「室長が!? でも、どうして……」 「あの人、私のことを目の敵にしてるから。あなたがミスをしたことにして、この案件をあなたに任せた私に責任を取らせようとしているんだと思う。前にもこんなことがあって、私も一緒にお詫びに出向いたことがあったでしょう?」 「はい。じゃあ、あれもわざとだったってことですか? ……でも、本当にこれ、室長がしたことなんでしょうか」 「それはこれから分かるわ。――冴島くん、防犯カメラの映像を見せてくれる? 確か昨日、室長はひとりで残業していたわよね」  私はたまたますぐ近くにいた稜也くんを呼び、彼のスマートフォンに保存されているであろう昨夜の映像を確認させてもらうことにした。 そして、遠藤室長が昨夜、珍しく残業していたのは事実だった。 「はい。昨夜の映像ですね。こんなこともあろうかと、キチンと保存してありますよ」 「……チーフ、『防犯カメラの映像』って何ですか?」 「ああ、そっか。堀内くんは知らなかったっけ。この部屋には防犯カメ
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-09-22
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上に立つ者の資格 Page3

 ――そして、午後の会議が始まった。  遠藤室長は会議に堀内くんだけでなく私と稜也くんまで出席することに疑問を呈していたけれど、私は「堀内君だけでは心許ないので、サポートとして同席させて頂くことにしました。よろしいですよね?」とニッコリ笑って返すと何も言えなくなった。……これ以上、あなたの好き勝手にはさせないわよ、遠藤室長!  会議室には私たちと遠藤室長、そしてウチの会社の重役たちの他に新規の大口取引先である〈木ノ原ホールディングス〉の社長さんもお見えになっている。もちろん、稜也くんのご両親――社長と執行役員の彩華さまも揃っている。 「――えー、まずは御社との取引に関する企画の内容を、企画運営室の堀内よりご説明いたします。――堀内君、よろしく頼むよ」 「……は、はい。では、こちらの企画書をご覧くだ――」 「何なんだ、これは!? この企画書はやり直せと命じたはずだが?」  会議室のスクリーンに堀内君が投影した企画書の内容は、遠藤室長の手によって改竄されたものだ。それを彼のせいにしたいらしい室長は、ミスをした部下を𠮟りつけるというポーズで彼を怒鳴りつけた。もちろんこの事態は想定済みだったので
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-09-23
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