前回の冒険で手に入れたお宝のうち、巻物十巻と結構な量の宝石を貰った。ただこの巻物、魔法文字で何か書かれているし、魔力も感じるのだが、どう鑑定しても効果がわからない代物であり、かといって歴史的な価値もないということで、半ばジャンク扱いである。 こんな得体の知れない物品を貰っても困るが、宝石の方は換金したら結構な額に化けた。やはり、遺跡は当たるとでかい。 冒険者が金を手に入れたらやることと言えば、なんと言っても「贅沢」。何ぶん明日をも知れぬ身なので、後生大事に蓄財するという考えが薄い。帰ってきたらおしゃれな装備を発注して、夜は酒場の客に酒を奢って、大宴会に興じた。 一週間ほどだらだら過ごしていたが、そろそろ仕事しないとまずいんじゃね? という自堕落かつ消極的な理由から、久しぶりに早朝の告知所にやって来た次第。 ちなみに、ついに全員分の徽章も出来上がり、俺もサブ武装として銀製のかっこいいショートソードを誂えた。他の皆も、ちょいと装備がレベルアップしている。「さて、今回の依頼は……と」 依頼票を眺めていくと、連続殺人の起きている村の事件を解決してほしい、という旨のものがあった。なんだかミステリーのかほりがするじゃあないか。 報酬が高いわけでもないが、なんとも気になる案件だ。他のもざっと見たところ、今日の案件は全体的に渋いようだし、これでどうだろうか? と言うと、わりとあっさり全員の承諾が得られた。 アンデッド討伐依頼があったら、もっとこじれたかもしれない。 旅支度を整えるため一旦宿に引き返したところ、「兄貴、ちょっと待ってほしいっス」と、義妹に呼び止められてしまった。「へへへ。実はオレ、最近占いにハマってるんス。今日の運勢を占ってみるっス」 あのサンが、なんとも乙女チックな趣味を身に着けたもんだ。様子を見守っていると、小袋からサイコロ五個を取り出してテーブルに勢いよくばら撒いた。「むむむ……見えたっス!」 彼女はしばらく、真剣な面持ちでサイコロを見つめていたが、面を上げる。「今日、オレらは運命的な出会いをするっス」 自信満々に、サムズアップするサン。何だかすごい自信だが、ホントかね? まあ当たるも八卦、当たらぬも八卦って、異界でいうそう
Last Updated : 2026-07-22 Read more